Part 1

セカイの狭間
1
KAITO
歌の練習に付き合ってくれてありがとう、リン、レン。
おかげで、より想いを込めて歌えるようになった気がするよ
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リン
えへへ、どういたしまして!
3
レン
オレ達もいい練習になったよ!
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リン
——あ! ねえねえ、レン、
そろそろミクのところに行かないと
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レン
そっか! 生まれたばっかりのセカイを
一緒に見に行く約束してたもんな
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レン
じゃあね、カイト!
また歌おうね!
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KAITO
うん。またね
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KAITO
……セカイか。
僕も、どこかのセカイの様子を見に行こうかな
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KAITO
どのセカイにしよう……?
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KAITO
んー、レン達は生まれたばかりのセカイを
見に行くって言っていたし……
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KAITO
僕はあの子達のセカイを見に行こうかな
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KAITO
それぞれのセカイの僕がどうしているかも
気になるし
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KAITO
ふふ。そうと決まれば、
どの僕から会いに行こうかな
14
???
……一歌達のことを考えてたんだ。
プロとしての活動が始まるし
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KAITO
……ん?
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KAITO
今のは……僕の、というかセカイの僕の声?
17
???
やだよ、こんなダサいプレート下げて——
18
???
——ミク、少しお願いを聞いてもらえないかな?
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KAITO
あ、また——
……こっちかな?
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KAITO
たしか、この辺りから……
21
???
……静かにしているうちは、放っておくか
22
???
頑張れてるのは、みんなのおかげでもあるんだよ
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KAITO
……あった!
声が聞こえたのは、きっとこの想いの欠片だ
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KAITO
……でも、どうして欠片から
セカイにいる僕達の声が聞こえるんだろう?
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KAITO
それに、なんだか呼ばれているような……
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KAITO
ちょっと気になるし、想いに触れさせてもらおう
???
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KAITO
ここが、さっきの想いの欠片のセカイ……
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KAITO
あ……! あの柱に、セカイの僕達が写ってる
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KAITO
これは——
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KAITO
……それぞれ、想いを感じる。
ここに写っているセカイの僕達の想いなのかな?
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KAITO
えっと……。これには一歌ちゃん達のセカイの、
バンドをやってる僕が写っているけど——
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KAITO
わっ!
33
KAITO
(……一歌達、いよいよプロとして活動するんだな)
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KAITO
(プロの世界は大変だろうけど……)
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一歌・ミク
『♪————』
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KAITO
(……あんなライブができるんだ。
一歌達なら、きっと——)
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リン
あ、カイト兄み~っけ!
何してたの?
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KAITO
……一歌達のことを考えてたんだ。
プロとしての活動が始まるし
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リン
え、星を見ながら?
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リン
あ、そっか! 流れ星にお祈りしてたんだね!
『いっちー達が上手くいきますように』って
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リン
あはは! カイト兄ってば、カワイイー♪
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KAITO
え……? いや、そういうわけじゃ……
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ミク
——リン、カイトはいた?
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リン
ねえねえ! みんな、聞いてー!
カイト兄がねー!
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KAITO
あ、ちょ、ちょっと……
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ミク
え? カイトが、流れ星にお祈り?
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レン
……どうせリンの早とちりだろ。
ほら、カイトを見ろよ。違うって首振ってるぞ
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KAITO
……えっと、本当は——
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KAITO
今のは、あのセカイの僕の想い……
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KAITO
……仲間への信頼とか安心がなんとなく伝わってきたな
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KAITO
ふふ。あのセカイの僕は口下手なところがあるから、
ああやって察してもらえるのはすごく助かるだろうね
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KAITO
それにしても……
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KAITO
ここにある写真みたいなものは全部、
それぞれのセカイの僕の想いなのかな?
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KAITO
他の想いにも少し触れさせてもらおう。
次は……ん?
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KAITO
……これは、DJをやってる僕だ。
掃除の手伝いをしているみたいだけど、首に何か下げてる……
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KAITO
……気になるし、少しのぞかせてもらおうかな
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MEIKO
……アイスがなくなってると思ったら、
やっぱり犯人はカイトだったのね
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KAITO
は、はい……。珍しいフレーバーのアイスだったから、つい。
ひょっとして、食べるの楽しみにしてた?
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MEIKO
…………はあ……
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KAITO
……ん? メイコ?
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KAITO
(いつもならもっと怒るのに、今日はどうしたんだろう?)
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KAITO
(ま、まさか……本気でショックだったとか!?)
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KAITO
ご、ごめん、メイコ!
あのアイスをそんなに楽しみにしてたなんて思わなくて!
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KAITO
本当の本当にごめん!
今回はもう間違いなく反省してる!
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MEIKO
……本当に反省しているの?
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KAITO
してるしてる! メイコのためならなんでもするよ!
ランチ作る? お店の掃除する?
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MEIKO
……それじゃあ、掃除を手伝ってちょうだい
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KAITO
オッケーオッケー! お安い御用だよ
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MEIKO
……本当に反省してる?
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KAITO
うんうん、もちろんしてるよ~!
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MEIKO
なんだか、懲りてなさそうね……。
それならこっちにも考えがあるわ
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MEIKO
……はい、これ。
この反省札をつけて掃除してちょうだい
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KAITO
え、なにこれ……。『アイスを勝手に食べました』?
やだよ、こんなダサいプレート下げて——
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KAITO
……あ、や、やりまーす。
いえ、やらせていただきまーす……
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KAITO
……ああやって弁明している僕を見るの、
なんだか見慣れちゃったな
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KAITO
さすがにちょっとは反省してほしいなって思うけど……
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KAITO
でも、こういう自由奔放な感じが、
あのセカイの僕って感じもあるし
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KAITO
周りのみんなも、あの僕を
なんだかんだ許してくれているんだよね
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KAITO
もしかして、あのセカイだからこその信頼関係が
成り立っているのかな?
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KAITO
そう思うと、バンドをしている僕もDJをしている僕も、
仲間のおかげで自分らしくいられるのかもしれない
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KAITO
——あ、そうか
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KAITO
ここに集まっている『僕』の想いって、もしかして……