Part 1

類の部屋
1
(……脚本が少しずつ形になってきた)
2
(しかし、迷うな……)
3
(このシーン、抑えるべきか、もっと踏み込むべきか。
ここで見せたい感情には、踏み込んだ表現が必要だけど——)
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もう昼前か……。
休日とはいえ、徹夜してしまったね
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メッセージもたまっているな……
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寧々のメッセージ
『脚本、進んでる? 無理しすぎて倒れないでよ』
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えむのメッセージ
『類くんに届け! がんばれがんばれビーム!』
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司のメッセージ
『気分転換がしたくなったら、いつでも話に付き合うぞ!』
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みんな……
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司くんから……?
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もしもし。どうしたんだい?
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『つかぬことを聞くが、今日は家にいるのか?』
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その予定だよ。脚本制作を進めたいからね
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『なら今から、えむと寧々を連れて、
そっちに行っても構わないか?』
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『なに、作業の邪魔をするつもりはない。
ちょっと渡したいものがあってな』
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ああ、僕のほうは構わないよ
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『おお、それはよかった!
では着いたら連絡しよう。またあとでな!』
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(渡したいもの、か。なんだろう?)
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(気にはなるけれど……今は、作業に集中しよう)
2時間後
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えむ
わあ、前にみんなで来た時よりも散らかってる!
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このところ、片付ける時間がとれなくてね
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ああ、ソファに座るなら、足元に気をつけて。
いろいろ転がっているから
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そもそもソファまでたどり着けるのか、これは……?
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寧々
床のものは、適当に端にまとめておくよ
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お客様にそんなことまでさせて悪いね
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寧々
ていうか、また目のクマがすごいことになってない?
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えむ
類くん、ちゃんと寝てるの?
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なるべく仮眠はとるようにしているよ。
今日……というか、昨日はつい徹夜をしてしまったけどね
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寧々
だと思った。
どうせ、ごはんもちゃんと食べてないんでしょ
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そういえば……昨日の昼から食べてないかもしれないな
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作業をしてるとどうしてもね。
集中しているから、特に気にならないんだけど
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寝食を忘れるとは、まさにこのことだな
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まったく……やはり来て正解だった
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寧々
はいこれ。差し入れ
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寧々
栄養補助スナックとか飲み物とか、
作業しながらでも食べられそうなものいろいろ入ってるから
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寧々
課題のスケジュールがハードなのは知ってるけど、
ごはんはちゃんと食べなよ
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……ああ、ありがとう。気をつけるよ
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えむ
それからこれも! お菓子もたーくさん持ってきたよ!
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袋いっぱいに入ってるのは……全部、ラムネかい?
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えむ
えへへ、いろんな種類のラムネを買ってきたんだ~!
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えむ
いろいろあったら、忙しい中でも、
ルンルンな気持ちになれるかなって!
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フフ、たしかに。これだけあると嬉しいね
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寧々
だからって、ラムネだけで食べた気にならないでよ
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わかっているよ
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最後はオレの番だな
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このところ、しっかり眠れてなさそうだったから、
快眠グッズを用意してみた
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たとえ仮眠であっても、睡眠の質を上げられるように……
まずはアイマスクだ
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へえ。温めたり冷やしたり、
どちらも使えるタイプだね
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うむ。脚本作りで目を酷使したあとは
ぜひ使ってみてくれ
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それと……心地よく夢の世界へ誘ってくれるBGMも用意した
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おや、これは……CDだね
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オレもたまに聴くピアノの楽曲集でな。
夜をテーマにした楽曲が揃っている
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これで頭と体を休めて、作業に取り組むといい
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……ありがとう。
聴かせてもらうよ
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それにしても、このために今日はわざわざ来てくれたのかい?
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仲間のためならば当然だろう
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寧々
課題の手伝いはできないけど、
こういう形でなら応援できると思って
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えむ
がんばってね、類くん! ファイトだよ!
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(……僕は本当に、仲間に恵まれているね)
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みんな、ありがとう
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ひと味違ったショーになると思うから、楽しみにしてほしいな