Part 1

類の部屋
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(……あとはネジを締めれば完成だな)
2
(今回の舞台のキーアイテムとなる小道具『呪いの花』——)
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(凍ったように閉じたつぼみは、
絶望にとらわれた王子の心をイメージしている)
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(……うん。この出来栄えなら、
司くん達も気に入ってくれるだろうね)
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……よし。できた
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???
『ねえねえ、できたみたいだよ♪』
7
???
『わあ、何に使うお花なんだろ〜?』
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ん……?
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ああ、来ていたんだね。気がつかなかったよ
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リン
『えへへ、見つかっちゃった〜』
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今日はどうしたんだい? 僕に何か用でもあるのかな?
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レン
『あのね、類くんを応援しにきたんだ!』
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ミク
『毎日、コンテストのために頑張ってるから、
元気をお届けしようと思って☆』
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なるほど。それはありがたいね
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リン
『でも、作業に集中してたから、
じーっと見ちゃったな』
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おや、声をかけてくれてもよかったのに
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レン
『うーん、でも類くんが
小道具作りしてるところ見るのも好きなんだ!』
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リン
『カチャカチャ作ってる類くん、
すっごく楽しそうなんだよね♪』
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へえ。そんな風に見えているとはね
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実際こういった作業の時間は、とても好きなんだ
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本番で演出を披露した時の光景……
お客さん達の驚きにあふれた表情……
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装置が見せてくれるものを想像しながら、
手を動かしていく時間がね
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この花が、舞台を彩ってくれる瞬間を
今から心待ちにしているよ
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リン
『あ、そうだ!
そのお花、どんな風に使うのか気になってたんだ〜』
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レン
『ねえねえ、どんなシーンで使うの?
何か仕掛けがあるんだよね!』
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おや、気になるかい?
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それじゃあ、どんな仕掛けなのか当ててみてほしいな
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レン
『えーと、なんだろう?』
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リン
『楽しいシーンで使うんじゃないかな?
歌に合わせて、お花がるんるんって踊ったりするんだと思う!』
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ミク
『わあ! 楽しそう〜! 絶対それだよ!』
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フフ……
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レン
『あ、もしかして光るとか?
真っ暗なシーンで光ったら、すっごくきれいな気がする!』
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ミク
『あ〜! それかも!』
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リン
『リンも見たいなあ~♪』
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どちらも素晴らしい発想だね。
今度、それも作ってみようかな
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リン
『やったあ〜☆』
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リン
『……あれ? 作ってみようってことは、違うってこと?』
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ミク
『じゃあじゃあ、正解はなに?』
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正解は……
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——やっぱり、まだ秘密にしておこうかな
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リン
『え〜? なんでなんで?』
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せっかくなら本番で、
この花がどう活躍するのか見てほしいと思ってね
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この装置に込めたサプライズは、
僕の思う理想の瞬間で味わってもらえると嬉しいよ
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レン
『うーん、気になるなあ〜』
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レン
『でもたしかに見るなら、本番が一番だもんね』
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リン
『じゃあ、リンも我慢する!』
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ミク
『うんうん! 類くん、コンテスト頑張ってね!
ミク達もぜーったい見に行くから☆』
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ありがとう
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今の僕達にできるものを詰め込んだ舞台だ。
ミクくん達にも、楽しんでもらえるといいな