Part 1
咲希の部屋
咲希
——それでは、今回も作曲合宿を始めたいと思いまーす♪
一歌
ふふ、よろしくお願いします。
こういうのは雰囲気が大事、だったよね
こういうのは雰囲気が大事、だったよね
咲希
さすがいっちゃん、ちゃんと覚えてたんだね!
咲希
今回はワンマンの新曲かあ
咲希
アタシ達のことを応援してきてくれた人達に
喜んでもらえる曲にしたいよね!
喜んでもらえる曲にしたいよね!
一歌
そうだね。しかもプロ初ワンマンでの披露だし……
この曲は私達にとっても、お客さんにとっても
特別なものになると思う
この曲は私達にとっても、お客さんにとっても
特別なものになると思う
一歌
だから——絶対、いいものにしよう
咲希
うん、頑張ろうね!
咲希
——よーし、そのためにも、今日はいっちゃんの想いを
いーっぱいキャッチしなくちゃ!
いーっぱいキャッチしなくちゃ!
一歌
デビュー曲の時とは逆になるね
咲希
だね! あの時は、いっちゃんのおかげで
すっごくいい曲ができたから……
すっごくいい曲ができたから……
咲希
今度はアタシが、いっちゃんの想いを音にするよ。
そのために、いろいろ準備もしてきたんだ♪
そのために、いろいろ準備もしてきたんだ♪
一歌
準備?
咲希
いっちゃんが作った曲とか、
好きって言ってた曲を聴き直して勉強したの!
好きって言ってた曲を聴き直して勉強したの!
咲希
だから、いっちゃんの好みはばっちり把握済みだよ♪
一歌
そんなことまでしてくれてたんだ……。
ちょっと恥ずかしいな
ちょっと恥ずかしいな
一歌
でも、ありがとう
咲希
えへへ、これも最高の曲を作るためですから!
咲希
じゃあさっそく、イメージのすり合わせから始めよっか。
いっちゃんは、こういう曲にしたいってある?
いっちゃんは、こういう曲にしたいってある?
一歌
うん、実はもう固まってるんだ。私はね——
一歌
ファンのみんなに、
出会ってくれてありがとうを伝えたいなって
出会ってくれてありがとうを伝えたいなって
一歌
私達がこうしてプロとして活動できてるのも、
ワンマンのステージに立てるのも……
全部応援してくれた人達のおかげだから
ワンマンのステージに立てるのも……
全部応援してくれた人達のおかげだから
一歌
今回はそういう感謝を伝える曲にしたいなって
思ってるんだけど……どうかな?
思ってるんだけど……どうかな?
咲希
すごい……すごいよ、いっちゃん……!
咲希
アタシも同じこと思ってた!
ファンのみんなに、ありがとうを伝えたいなって……!
ファンのみんなに、ありがとうを伝えたいなって……!
咲希
えへへ、一緒の気持ちだったんだね
一歌
そっか……なんだか嬉しいな
一歌
じゃあ、曲のテーマは
『出会ってくれてありがとう』で決まりだね
『出会ってくれてありがとう』で決まりだね
咲希
うん!
この調子で、どんどんいっちゃんの想いを聞かせてほしいな!
この調子で、どんどんいっちゃんの想いを聞かせてほしいな!
数時間後
一歌
——って感じで、
簡単にサビのメロ作ってみたんだけどどうかな?
簡単にサビのメロ作ってみたんだけどどうかな?
咲希
すっごくよかったよ! 明るくて爽やかで、
なんていうか……感謝の花束を届けてるみたい!
なんていうか……感謝の花束を届けてるみたい!
咲希
それにこのメロなら、ちょっとアクセント入れるだけで
『これからも一緒にいるよ』って気持ちも伝えられそうじゃない?
『これからも一緒にいるよ』って気持ちも伝えられそうじゃない?
咲希
例えば……最後にこうやって余韻を入れて
未来に繋がってる感じを表現するとか!
未来に繋がってる感じを表現するとか!
一歌
余韻で表現か……うん、いいと思う。
ちょっと試してみようか
ちょっと試してみようか
咲希
うん!
咲希
ねえいっちゃん、そろそろ休憩しない?
一歌
休憩?
咲希
ほら、作業始めてから、結構時間経っちゃってるし。
ちょっと疲れてきてるんじゃないかなって
ちょっと疲れてきてるんじゃないかなって
一歌
あ、本当だ……もうこんな時間なんだね。
夢中になってて、全然気づかなかったな
夢中になってて、全然気づかなかったな
咲希
集中すると忘れちゃうよね。
……あ、ちょっとまってて!
……あ、ちょっとまってて!
咲希
——おまたせしました~!
はい、いっちゃん。フルーツオレ、よかったらどうぞ!
はい、いっちゃん。フルーツオレ、よかったらどうぞ!
一歌
え、いいの?
ちょうど甘いものがほしいなって思ってたんだ
ちょうど甘いものがほしいなって思ってたんだ
咲希
でしょでしょー? いっぱい頭使ったから、
こういうの飲みたくなるかなーって!
こういうの飲みたくなるかなーって!
咲希
いっちゃんの想いキャッチ、大成功だね!
一歌
ありがとう。
こんなところまでキャッチしてくれるとは思わなかったな
こんなところまでキャッチしてくれるとは思わなかったな
咲希
ふっふっふ……まだまだ、こんなものじゃないよ!
なんと他の飲み物もストックしてあるんです♪
なんと他の飲み物もストックしてあるんです♪
咲希
眠くなっちゃった時用のコーヒーでしょー。
あと、刺激がほしい時用にしゅわデリサイダーもあるよ!
あと、刺激がほしい時用にしゅわデリサイダーもあるよ!
一歌
え、こんなに……!?
咲希
いっちゃんの想いをいーっぱいキャッチして、
一緒に最高の曲を作りたいからね!
一緒に最高の曲を作りたいからね!
一歌
咲希……
一歌
ありがとう。その気持ちが嬉しいよ
一歌
……でも、そんなに飲んだら
お腹がたぷたぷになりそう
お腹がたぷたぷになりそう
咲希
全部飲まなくてもいいの!
ほしい気分になったら言ってくれればいいから!
ほしい気分になったら言ってくれればいいから!
一歌
ふふ、じゃあその時はありがたくもらうね
咲希
はーい!
咲希
(えへへ、いっちゃんも喜んでくれたし、
いろいろ準備しておいてよかったな)
いろいろ準備しておいてよかったな)
咲希
(よーし、この後も、
いっちゃんの想いをたくさんキャッチして——)
いっちゃんの想いをたくさんキャッチして——)
咲希
(お客さんの心に届く曲を、頑張って作るぞー!)