Part 1

乃々木公園
1
皆、よく集まってくれたな!
ショーへの協力、感謝するぞ!
2
愛莉
こちらこそ!
わたしも、子供達にお祭りを楽しんでもらうために
何かしたいって思ってたから、一緒にできて嬉しいわ
3
愛莉
でも、急にショーに出させてほしいってお願いして
迷惑じゃなかった?
4
いえ、むしろ助かりました。
人数が多い方が、脚本や演出の幅が広がりますから
5
愛莉
よかった。
一生懸命がんばるから、よろしくね!
6
ああ! Meowパークでのショーのように、
共に神社を笑顔でいっぱいにしようではないか!
7
獅子舞ロボ
ガウガウ!
数時間後
8
これでひととおり通せたけれど……
みんな、しっかり役に入れているね
9
桃井愛莉も、迫真の演技だったな!
獅子舞ロボとの喧嘩シーンは、特に素晴らしかったぞ
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愛莉
演じやすい役だったおかげよ。
これってもしかして、当て書きしてくれたの?
11
はい。実は、ハッピーエブリデイの映像を
いくつか見させていただきまして
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親しみやすいキャラクターや、
高い身体能力を活かせるような役にできればと
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愛莉
なるほど……どおりで、ちょっと懐かしい感じがしたわけね
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では、予定より早いですが
次は動きをつけて演じてみましょうか。
まず冒頭から——
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(冒頭は、オレと桃井愛莉演じる鬼達が、
獅子舞ロボに名乗りを上げるシーンから始まる)
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(ここで観客の心を掴み、
ショーの世界に引き込むために——)
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(勇ましく、猛々しい鬼を演じてみせよう!)
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『やあやあ! オレはこの神社の守護者、青鬼!』
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『悪さをするやつは、オレの炎で成敗してやる!』
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愛莉
『わたしは桃鬼! 山一番のパワー自慢よ!』
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愛莉
『——覚悟なさい!』
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——うん、ひとまずここまでにしようか
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ふたりとも、自分の中でイメージを固めてきてくれたようだね。
とても個性が出ていたよ
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愛莉
ありがと! ……でも、やっぱり天馬くんはすごいわね。
まるで、本当に鬼みたいだったわ
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ハーッハッハ! そうだろう、そうだろう!
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荒々しい所作に、ダイナミックな足運び……
もしかして、歌舞伎の鬼の立ち振る舞いを参考にしたのかな?
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おお、流石だな類!
そのとおりだ!
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歌舞伎の誇張された表現は、
鬼の強さや威厳を伝えるのにもってこいだと思ってな
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他にも、鬼について書かれた文献をいろいろと調べ、
大衆が持つイメージも取り入れたつもりだ
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愛莉
なるほど……そうやって役作りをしてるのね
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よければ、参考にしたものをあとで共有するぞ!
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愛莉
ありがとう! とっても助かるわ
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愛莉
それと……よかったら、
桃鬼の名乗り口上をやってみてもらえないかしら?
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愛莉
わたしも、もっと天馬くんみたいな
力強い動きにしたいから、参考にさせてもらいたくて
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無論、構わないぞ!
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それなら……歌舞伎特有の動き、
『見得』を取り入れるのはどうだ?
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このように、左足を大きく踏み出し、
両手を広げながらポーズを決め——
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『——覚悟しろ!』
39
愛莉
いいわね……!
豪快で、とっても迫力があるわ!
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愛莉
じゃあ——
41
愛莉
『——覚悟なさい!』
42
な……なぬ~~~~~!!!
43
一度見ただけで、こうも見事にできてしまうとは……!
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愛莉
えっ、そんなによかった?
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ええ。手から肩、胴へとしなやかに動作をつなげることで、
美しくもパワフルな所作が生まれていました
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司くんとはまた違う、桃井さんならではの鬼になりそうです
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愛莉
そこまで褒められると、照れるわね……
48
(……ふむ。あの柔軟かつキレのある動きは、
アイドルのダンスで培われたものだろうか)
49
(ひとつひとつの動きが丁寧で、
指の先まで意識を巡らせていることがわかる……)
50
(この共演は、オレにとっても学ぶところが多そうだな)
51
よし——この調子で、互いの培った経験を活かし、
素晴らしいショーにしていこうではないか!
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愛莉
ええ!