Part 1

奏の部屋
1
……イラスト、今回もいい感じだな
2
ここの映像の繋ぎは……
あ、そっか、2パターンもらってたんだった
3
……Aの繋ぎ方のほうがサビへの引きにもなるし、いいな。
こっちでいきたいって、瑞希に伝えておこう
4
あとは……まふゆのミックスを確認して、
動画とも合わせて確認か
5
ミックス、今夜の作業で終わるってまふゆ言ってたし、
瑞希もすぐ対応してくれるだろうから、
明日の夜にはアップできるかな
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じゃあ、次は……
7
……次、どうしようかな
8
デモのストックはあるから、
それで作業してもらうことはできるけど——
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まふゆ
昔……風邪を引いた時に……
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まふゆ
……お母さんが、看病してくれたんだ
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まふゆ
りんごを、うさぎの形に切ってくれた
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まふゆ
それが、なんだかすごく美味しくて……
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まふゆ
お母さんが、手を握って、子守唄を歌ってくれた
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まふゆ
奏の曲を聴いた時の、あたたかい感覚は——
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まふゆ
その時の気持ちに、似てるんだと思う
16
それなら、次は……
その思い出をイメージして、曲を作ってみるよ
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……よし
25時
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『……えななん、Amia、いる?』
19
絵名
『いるよ』
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瑞希
『はいはーい。ボクもいるよ』
21
瑞希
『K。繋ぎのパターン、見てくれてありがとね。
ボクもAの方かな~って思ってたけど、
思いついたBの方も一応、見ておいてほしくて』
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『うん。今回はAの方が曲や歌詞の展開と合うから
そっちにしたけど、BはBで面白い表現だと思ったよ』
23
『Bの表現がハマる曲もあると思うから、
こういうのは提案してほしいな』
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瑞希
『わかった!
じゃ、今回は見事採用されたAパターンの方で調整進めるね』
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まふゆ
『Amia、ミックス音源だけど1時間後くらいには渡せる』
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瑞希
『お、待ってましたー!
じゃあ、朝までに調整仕上げちゃおうかな!』
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『よろしく、雪、Amia』
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絵名
『K、私は? 次の曲のラフに入っちゃう?』
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『うん。デモのストックがあるから進めててほしい。
ただ——』
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『これからしばらく、作業に集中したいから
ラフの確認とかはできなくなると思う』
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まふゆ
『……作業、って』
32
『雪のお母さんのあたたかさを
イメージした曲の方だよ』
33
『だいたいの方向性は見えてきてるから、
ここで形にしておきたいと思って』
34
絵名
『そっか……』
35
絵名
『じゃあ、イラストのラフは
私達で確認して、最後にKに確認してもらう形にする?』
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『そうしてくれると、わたしはありがたいな。
みんなだったら、良いものを出してくれると思うし』
37
瑞希
『おっけー!
そういうことなら、ボクはしばらく作業はなさそうだね』
38
絵名
『んー。私はイラストの作業がなくても、
絵の練習や勉強ができるから全然問題ないけど……』
39
瑞希
『あ、ボクが時間持て余したりしないかってこと?』
40
瑞希
『まあいい機会だし、動画作りの勉強でもしてるよ。
流行ってる表現とか、チェックしておきたかったしさ』
41
瑞希
『それに、今月日中の作業がなくなるのは、
実はちょっとありがたかったりするんだよね』
42
まふゆ
『……出席日数が危ないとか?』
43
瑞希
『あはは、それもあるけど——』
44
瑞希
『ほら、前にチャット欄に貼ったでしょ?
ブランド物のめちゃくちゃカワイイ服!』
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『あ……。
奮発して買ったって言ってたっけ』
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瑞希
『そうそう! アレ、本当にしっかりブランド物の値段でさ。
バイト増やさないとカツカツなんだよね』
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絵名
『でも、ちょっと無理してでも欲しいっていうの、わかるな。
あの服、たしかにすごく可愛かったし』
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瑞希
『だよねだよね!』
49
瑞希
『あ、でも25時にはちゃんと顔出すようにするよ。
本当にただいるだけになるかもだけど』
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まふゆ
『……歌詞やラフの意見交換とかできるし、
いてくれるだけでもいいと思う』
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『そうだね』
52
『みんな……待たせることになってごめん』
53
『少しの間だけ——よろしくね』