Part 1
誰もいないセカイ
ルカ
ねえ、メイコ。今日もセカイは静かね
MEIKO
………………
ルカ
……はあ。でも、静かすぎるのも困りものね。
なんだか、暴れたくなってしまうもの
なんだか、暴れたくなってしまうもの
MEIKO
(暇だから絡みに来たのね)
MEIKO
(このまま無視して、どこかへ……)
MEIKO
(……いえ。十中八九、ついてくるわね)
MEIKO
(適当に会話して、退屈しのぎを手伝った方が
面倒は少なそうだわ)
面倒は少なそうだわ)
MEIKO
……暴れたいのなら、セカイを走ってきたらどう?
運動すれば、ストレスの発散になるわよ
運動すれば、ストレスの発散になるわよ
ルカ
そうね。でも、疲れたくはないわ
ルカ
私は、湖に飛び込むカエルになりたいんじゃなくて、
飛び込んだカエルが起こす波紋を見ていたいの
飛び込んだカエルが起こす波紋を見ていたいの
MEIKO
……そうでしょうね。
個人の趣味だもの、それは否定しないわ
個人の趣味だもの、それは否定しないわ
MEIKO
だけど……
ルカ
……だけど?
MEIKO
くれぐれも、平穏と停滞をはき違えないでちょうだい
ルカ
そうね。似ているようで、全然違うわ
ルカ
——ちなみにメイコは
今のあの子達はどっちの状態だと思う?
今のあの子達はどっちの状態だと思う?
MEIKO
……『私の答え』なんてわかり切っているでしょう
MEIKO
私が、あなたの答えをわかり切っているようにね
ルカ
あら、じゃあ答え合わせでもしましょうか?
MEIKO
いいえ。時間の無駄よ
MEIKO
……そんなに暇なら、レンにひもを借りて
あやとりでもすればいいわ
あやとりでもすればいいわ
MEIKO
あなた、まだ3段梯子もできないって聞いたわよ
ルカ
ええ……。
残念だけれど、私はあまり器用ではないから
残念だけれど、私はあまり器用ではないから
ルカ
そのうえで、ひとつ訂正するわ
ルカ
3段梯子はできないんじゃなくて
そもそも完成させるつもりがないのよ
そもそも完成させるつもりがないのよ
MEIKO
……なぜ?
ルカ
決められた手順をなぞるなんて、つまらないもの
ルカ
最初はこう、次はこう、その次は……って、
言われれば言われるほど、抗いたくなってしまうわ
言われれば言われるほど、抗いたくなってしまうわ
MEIKO
……だから、中指でひもをすくえって言っても
別の指にしたり、違うやり方をしたりするのね
別の指にしたり、違うやり方をしたりするのね
ルカ
ええ
ルカ
決められた道を進まなくても、
望むゴールにたどり着くなら、それでいいでしょ?
望むゴールにたどり着くなら、それでいいでしょ?
MEIKO
…………たどり着くなら、ね
MEIKO
あなたの場合、勝手に寄り道したあげく迷いに迷って
自分の指を自分で縛り付けてしまうじゃない
自分の指を自分で縛り付けてしまうじゃない
MEIKO
本当にやめてほしいわ。
ほどくのが面倒だから
ほどくのが面倒だから
ルカ
あら、そう?
やりがいのあるパズルを提供していると思っていたのに
やりがいのあるパズルを提供していると思っていたのに
ルカ
そして私は、頑張ってほどいてくれるメイコを見て楽しむ——
どう? 素敵でしょう
どう? 素敵でしょう
MEIKO
……いつ私がパズルを求めたの?
MEIKO
本当に、あなたとは少しも意見が合わないわね
ルカ
それが面白いんじゃない
ルカ
ふふ。暇な時はメイコとのおしゃべりが一番だわ
レン
……メイコさんとルカさん、ずっと言い合いしてるけど
ケンカにはならないんだね
ケンカにはならないんだね
リン
……同じようなものじゃない?
レン
それは——
レン
そう、なのかも……