Part 1
絵名の部屋
レンの声
『えっと……その、絵名ちゃん……』
レンの声
『あの、今お話してもいいかな……?』
レンの声
『……絵名ちゃん……?』
レン
『誰もいない……』
レン
(絵名ちゃんの新しい絵、
見せてもらおうと思ったんだけど……)
見せてもらおうと思ったんだけど……)
レン
(あ……絵が置いてある……)
レン
(これが新しい絵なのかな……?)
レン
(きれいな花の絵……なんていう花なんだろう。
花びらも葉っぱもきらきらしてる……)
花びらも葉っぱもきらきらしてる……)
レン
(赤とか青とか黄色とか、いろんな色がいっぱい……
見てると、なんだかあったかい気持ちになるなぁ)
見てると、なんだかあったかい気持ちになるなぁ)
レン
(か、隠れなくちゃ……!)
レン
『あ、絵名ちゃん……』
絵名
え? あ……レン。来てたんだ
レン
『う、うん。課題で新しい絵を描いてるって
言ってたから、見たいなって思って……』
言ってたから、見たいなって思って……』
絵名
そっか。ごめんごめん。
いなくてビックリしたでしょ
いなくてビックリしたでしょ
絵名
ちょっと休憩しようと思って、
お茶を淹れてきたところだったんだ
お茶を淹れてきたところだったんだ
レン
『そうだったんだ……』
絵名
今、描いてる絵はそこにあるやつ。
光を描くっていう課題の絵なんだ
光を描くっていう課題の絵なんだ
レン
『光……? 花じゃなくて……?』
絵名
まあ、パッと見そう思うよね
絵名
どう表現したら、
光が伝わるかなっていろいろ考えて……
光が伝わるかなっていろいろ考えて……
絵名
光のまぶしさだったり、あったかい感じとか出すにはって
思ったら、この絵になったんだよね
思ったら、この絵になったんだよね
レン
『だから、こんなにあったかい感じがしたんだ……』
レン
『光のほうに花が向いて、嬉しそうにしてるみたい』
絵名
そう言ってもらえるなら、狙い通りに描けてるかな
絵名
でも光って漠然としてるから、何を描こうか悩んだんだよね
絵名
日の出の景色じゃ安直だし、
光と影のコントラストが強い絵にするのもしっくりこなくて。
ここに辿り着くまで、5日も考えちゃった
光と影のコントラストが強い絵にするのもしっくりこなくて。
ここに辿り着くまで、5日も考えちゃった
レン
『た、大変だったんだね……』
絵名
……まあね。でも楽しいよ
絵名
ああでもないこうでもないって、
いろいろアイディアを出して……
いろいろアイディアを出して……
絵名
その中にこれかな?っていうものが、
見つかる瞬間が嬉しいっていうか
見つかる瞬間が嬉しいっていうか
絵名
イメージを早く形にしたいって気持ちで、
ワクワクしてきちゃうんだよね
ワクワクしてきちゃうんだよね
レン
『そうなんだ……』
レン
『……絵名ちゃんの嬉しい気持ち、絵からたくさん感じるな』
レン
『ぼく、この絵好きだよ』
絵名
ありがと
絵名
レンに気に入ってもらえたし、
この調子で完成させちゃおうかな
この調子で完成させちゃおうかな
絵名
んー……よし、もうひと頑張りしよっと
レン
『うん、頑張って』
レン
『それじゃあ、ぼく、そろそろ帰るね』
絵名
え、もう帰っちゃうの?
レン
『ずっといると、絵を描くの邪魔しちゃいそうだから……』
絵名
そんなことないってば
レン
『え、わ……? 絵名ちゃん?』
絵名
ちょっとスマホ、移動させるね。
えっと、このあたりだったら絵はよく見える?
えっと、このあたりだったら絵はよく見える?
レン
『う、うん。さっきより見やすいけど……』
絵名
なら、よかった。
特等席で好きなだけ、見ていってよ
特等席で好きなだけ、見ていってよ
絵名
描いてる時は集中してるから、
あんまりおしゃべりはできないと思うけど
あんまりおしゃべりはできないと思うけど
レン
『いいの……?』
絵名
レンに好きって言ってもらえて元気出たし、
そのお礼にね
そのお礼にね
レン
『……ありがとう、絵名ちゃん』
絵名
ふふ、どういたしまして