Part 1
宵崎家 キッチン
まふゆ
(……冷蔵庫にあるのは、フキとタケノコの煮物、
新玉ねぎと豚肉の生姜焼き、チンジャオロース——)
新玉ねぎと豚肉の生姜焼き、チンジャオロース——)
まふゆ
(……奏、今日も遅くまで曲を作るだろうから
栄養がとれるものがいいかな)
栄養がとれるものがいいかな)
まふゆ
(じゃあ……生姜焼きと煮物にしよう)
まふゆ
(レンジに入れて、あとはご飯を——)
まふゆ
奏、どうしたの?
ご飯はもう少しで出来るけど……
ご飯はもう少しで出来るけど……
奏
えっと……
奏
……ごめん、まふゆのために作ってた曲だけど、
構想から練り直そうと思うんだ
構想から練り直そうと思うんだ
奏
それで……まだ、どういう曲にすればいいのか
思いついてなくて
思いついてなくて
奏
もう少し待たせることになると思う。
……ごめん
……ごめん
まふゆ
そうなんだ……
まふゆ
…………
奏
待ってくれてたのに、がっかりさせちゃったよね。
できるだけ、早く作るから——
できるだけ、早く作るから——
まふゆ
(がっかり……)
まふゆ
……大丈夫
奏
え?
まふゆ
多分、がっかりはしてないと思う
奏
そう、なの?
まふゆ
……うん
まふゆ
……奏、少しは食べないと
奏
…………うん、そうだね
奏
落ち着いたら食べるよ
奏
……まふゆ、ごめんね
まふゆ
……何が?
奏
ちゃんと、作れなくて
まふゆ
……目の下、クマができてるよ
まふゆ
今日は無理しないで、早めに休んで
奏
あ……
奏
……うん
奏
今日の夜、デモを聴いてもらう時に
みんなに伝えようと思う
みんなに伝えようと思う
まふゆ
わかった
数時間後
奏の部屋
奏
『——じゃあ、今日の作業は切り上げて
少し休ませてもらおうと思う』
少し休ませてもらおうと思う』
瑞希
『おっけー! K、最近ずっと頑張ってたしね』
絵名
『ゆっくり朝まで寝てね?』
奏
『うん、ありがとう』
奏
『それじゃあ、おやすみ』
瑞希・絵名
『また明日ね!』
『おやすみ』
『おやすみ』
まふゆ
じゃあ、おやすみ
瑞希
『さてと、ボク達は作業しますか!』
まふゆ
『うん』
絵名
『……ねえ。雪、本当に大丈夫?』
まふゆ
『何が?』
絵名
『曲作り。止まることになるでしょ?』
まふゆ
『ああ……』
まふゆ
『……うん、大丈夫。
ニーゴの作業ができなくなるわけじゃないし』
ニーゴの作業ができなくなるわけじゃないし』
まふゆ
(それに……)
絵名
『……そっか。
じゃ、歌詞ができたら教えて』
じゃ、歌詞ができたら教えて』
まふゆ
『わかった』
瑞希
『あ、そうだ!
この前、学校帰りに新しいカフェ見つけたんだけど
みんなで行かない?』
この前、学校帰りに新しいカフェ見つけたんだけど
みんなで行かない?』
絵名
『え? 何急に』
瑞希
『ほら、Kが頑張って考えてるみたいだからさ。
応援ってことで』
応援ってことで』
絵名
『あー。そういうことなら、わかるかな……』
まふゆ
『……私はいいよ。
いつにする?』
いつにする?』
瑞希
『来週末は? 多分、作業落ち着いてる頃だし!』
絵名
『私は……休みの日の午後だったら大丈夫。
じゃあ、ついでにさ——』
じゃあ、ついでにさ——』