Part 1

神山高校 2年B組

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1

冬弥

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おはよう
2

クラスメイト

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お、冬弥! 日本に帰ってきてたのか!
3

冬弥

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ああ。またすぐに行くことになると思うが
4

クラスメイト

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そっか。大変だなあ……
5

クラスメイト

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あ、そういや、聞いたか?
センター街のゲームセンター、なくなるかもって噂
6

冬弥

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え……?
冬弥の部屋

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7

冬弥

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……よし、学校の宿題は終わったな
8

冬弥

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アメリカに行っている間に、また溜まってしまうだろうが……。
帰ってきたタイミングでなるべく片付けておかなければ
9

冬弥

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あとは、たしか補習用のプリントが数枚……
10

冬弥

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……ん? プリントに何か紛れて……これは——
11

冬弥

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センター街の、ゲームセンターのクーポン券か。
期限は、切れているな……

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12

クラスメイト

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なんか、入ってるビルが老朽化でどうのこうのって聞いたぞ。
まあ、あくまで噂なんだけどさ
13

クラスメイト

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お前、結構あそこ行ってたんだろ?
一応知らせておこうって思って
14

冬弥

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(あのゲームセンターが、なくなる……)
15

冬弥

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(……クラシックをやめようと決めた時、
家に帰りたくなくて、ずっとあそこにいたな)
16

冬弥

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(あの場所は、俺にとって——)

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17

冬弥

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……! なんだ?
ストリートのセカイ
広場
18

冬弥

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……セカイ?
スマホには触っていなかったはずだが……

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19

レン

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……あれ、冬弥じゃん!
急にどうしたんだ?

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20

冬弥

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レン、ルカさん。
実は、白い光に包まれたと思ったら、ここにいて……
21

レン

自分で来たんじゃないってこと?
22

ルカ

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うーん。だとしたら、セカイが冬弥くんを呼んだのかもね
23

冬弥

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え?
24

ルカ

ほら、そこ見て。
ガラスの破片みたいなのが落ちてるでしょ
25

冬弥

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はい……。
少し光っているようですが、これは……
26

レン

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想いの欠片の一部で、想いの破片っていうらしいよ!
27

冬弥

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想いの、破片……
28

ルカ

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私の勘だけど、
この想いの破片の持ち主は冬弥くんだと思うんだよね
29

ルカ

理由は、私達が破片を見つけたタイミングで
冬弥くんがセカイに呼ばれてここに来たから!
30

レン

勘の割にめちゃくちゃ自信ありそうだな
31

冬弥

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だが、たしかにこれ以上ないタイミングで
俺はここに来ている……
32

冬弥

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ルカさん、この想いの破片が俺のものだとして、
拾ってしまっていいんでしょうか?
33

ルカ

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まあね。でも、一応忠告
34

ルカ

想いの欠片と一緒で、
触ると一時的に想いのセカイに飛ばされるんだ
35

ルカ

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で、破片として現れた想いがなんなのか、
自分で気づかないといけないみたいでさ。
それが大変かも
36

冬弥

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なるほど……
37

レン

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でも破片って、ほっといたら消えちゃうんだろ?
38

ルカ

そうみたい。
まあ、想いの欠片本体から迷子になってるようなものだしね
39

冬弥

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……そういうことなら、考えている場合ではないですね
40

レン

破片に触るの?
41

冬弥

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ああ。消えるとわかっていて、放っておくわけにはいかない
42

ルカ

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冬弥くんなら、そう言うと思った♪
43

レン

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だな! これ見つけたのオレ達だし、冬弥を手伝うよ!
44

冬弥

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ありがとう……
45

冬弥

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——では、いきます
???

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46

冬弥

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……ここが、想いの破片のセカイ?
47

レン

あっちもこっちもグラフィティアートじゃん!
オレ達がいるセカイとちょっと似てるな
48

冬弥

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……このレコードプレイヤー、うちにある物と同じだ。
それに、昔もらったコンクールのトロフィーまで……
49

冬弥

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やはり、ここは俺の……
50

ルカ

びっくりするのはまだ早いよ。
私が前に破片のセカイに来た時は——
51

???

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……あ! 見つけた……!
52

冬弥

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な……
53

レン

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ちっちゃい冬弥!?
54

ルカ

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で、出たぁーーーーー!!!

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55

幼い冬弥

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……またあそこに行くの?
56

冬弥

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……あそこ?
57

幼い冬弥

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とぼけてもダメだよ
58

幼い冬弥

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どうして……
59

幼い冬弥

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どうして、行っちゃうの?
行かないでって、何度もお願いしてるのに
60

冬弥

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……待ってくれ、本当によくわからないんだ。
まずは事情を——
61

幼い冬弥

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そうやってまた逃げて、消えちゃうつもりでしょ。
そんなのダメだよ!

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62

レン

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うわっ! 冬弥が光った!?
63

ルカ

まずっ……! 冬弥くん、大丈夫!?
64

冬弥?

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……はい。よくわかりませんが、大丈夫だと思います
65

レン

あ、ちっちゃい冬弥は無事みたいだね。
えっと、オレ達と一緒に来た冬弥は……
66

冬弥

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ん? それが、俺だが……
67

レン

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えっ!?
68

ルカ

あちゃー!
69

ルカ

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ごめん! 破片のセカイだと、ああいう記憶から生まれた姿に
変わっちゃうかもしれないこと伝えてなかった!
70

冬弥

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記憶から生まれた姿……
71

レン

じゃあこのちっちゃい冬弥が、本当に冬弥ってこと!?
72

冬弥

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しかし、不思議な感覚だな
73

冬弥

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……普段と違って、こちらが見上げなければ
レンと目が合わせられないとは
74

ルカ

たしかに、だいぶギュッて縮んじゃったね~♪
75

レン

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頑張って見上げなくていいからめちゃくちゃ助かる……
じゃなくて!
76

レン

どうするんだよこれ!
ちゃんと解決方法あるのか?
77

???

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(……ごめんなさい)
78

冬弥

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……今、どこかから声がしました
79

レン・ルカ

『え?』
80

幼い冬弥

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(僕の……君の中だよ)
81

幼い冬弥

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(君は……僕が探してた僕じゃなくて、“今の僕”だったんだね)
82

幼い冬弥

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(巻き込んじゃって、ごめんなさい)
83

冬弥

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……いや、俺もしっかり否定しなかったからな
84

冬弥

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もしよければ、事情を話してくれないか?
85

冬弥

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……ああ、わかった。
話してくれてありがとう

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86

レン

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冬弥の中の冬弥、なんて?
87

冬弥

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レン達が見つけた想いの破片は、やはり俺のものだった
88

冬弥

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しばらく前から、『ある想いから生まれた俺』が
本来あるべき場所を離れて、
ゲームセンターに入り浸っているようで……
89

冬弥

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それが、だんだん想いの欠片本体にも影響を及ぼし
ついに破片として分離してしまったらしい
90

レン

ゲームセンターか。
冬弥、よく行ってたよな!
91

冬弥

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ああ……
92

レン

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……冬弥?
93

冬弥

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……すまない。実は、そのゲームセンターが
なくなるかもしれないという話をちょうど今日聞いたんだ
94

レン

え、今日!? ……これって偶然かな?
95

ルカ

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んー。問題はしばらく前から起きてたみたいだから、
とどめになって表面化した、っていう可能性はあるかもね
96

ルカ

ていうか、ゲームセンターに入り浸りなんて!
その冬弥くん、つまりグレちゃってるってこと?
どんな感じなんだろ!
97

レン

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ちょっとルカ、真面目に考える気ある?
98

ルカ

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てへっ♪
99

レン

……それで、他になんか話聞けた?
どうやったら元に戻れるとかさ
100

冬弥

Listen

俺が、そのゲームセンターに入り浸っている俺を
説得する必要があるらしい
101

ルカ

へえ、じゃあどのみち会いに行かなきゃダメっぽいね
102

冬弥

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……ふたりとも、付き合わせてしまって申し訳ないのですが
103

ルカ

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はーい、ストップ!
みなまで言わなくていいって
104

レン

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行こう、冬弥!
そのグレちゃってるっていう冬弥に会いに!
105

冬弥

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ああ。よろしく頼む