誰もいないセカイ
レン
(……まふゆちゃん、今、何してるんだろう)
レン
(また、お母さんと音楽聴いたりしてるのかな)
レン
(まふゆちゃんが、家に戻るって聞いた時
ちょっと心配だったけど——)
ちょっと心配だったけど——)
レン
お母さんと仲良くなれて……よかったな
レン
……あ、あれ? 誰か来たのかな
レン
あ……まふゆちゃん!
レン
(……どうしたんだろう? なんだか……)
レン
ま、まふゆちゃん……?
まふゆ
……レン……
レン
えっと……どうしたの?
レン
元気ない、みたいだけど……
何かあった……?
何かあった……?
まふゆ
………………
まふゆ
……少しだけ、ここにいたい
レン
あ……
レン
(……まふゆちゃん、苦しそう……)
レン
(何があったのか、わからないけど——)
まふゆ
……レン?
レン
え、えっと……ぼくは、ここにいるから……
まふゆ
………………
まふゆ
…………うん
25時
奏の部屋
奏
(…………よし)
奏
(今回のデモは手応えを感じる)
奏
————今なら、きっと……
まふゆのあたたかい気持ちに重なる曲が作れる
まふゆのあたたかい気持ちに重なる曲が作れる
奏
……集中して作ろう——
奏
あれ……レン?
奏
どうしたの?
急に来るなんて、珍しいね
急に来るなんて、珍しいね
レン
『あ、あのね……。
まふゆちゃんが……』
まふゆちゃんが……』
奏
まふゆが……?
絵名
『あ……雪。遅かったじゃん』
瑞希
『どうしたの? 宿題いっぱいあったとか?』
絵名
『それで遅れるのはAmiaくらいでしょ』
瑞希
『え~! 雪だってたまにはそういう日があるって~!』
まふゆ
『……そうじゃないけど、ごめん』
絵名
『え、別に謝らなくていいけど……』
奏
……まふゆ……?
奏
(どうしたんだろう。
最近は、少しだけ元気になってたのに)
最近は、少しだけ元気になってたのに)
奏
(これじゃ、まるで…………)
まふゆ
『…………!』
まふゆの母
『——まふゆ、見て。
さっき話した学校ね、来月に説明会をするらしいの』
さっき話した学校ね、来月に説明会をするらしいの』
まふゆの母
『ね、よかったらお母さんと一緒に行かない?』
まふゆ
『……うん……』
まふゆの母
『よかった……!
お母さんも楽しみだわ』
お母さんも楽しみだわ』
まふゆの母
『まふゆの勉強したいことを、思い切りやれる環境だといいわね』
まふゆ
『…………そうだね』
奏
……………………
奏
(…………どういうこと?)
奏
(まふゆの……行きたい学校が決まったの?
でも、それならまふゆの反応がおかしい)
でも、それならまふゆの反応がおかしい)
奏
(うまく言えないけど……なんだか、胸がざわつく)
レン
『あ、あのね……。
まふゆちゃん、セカイに来た時
すごく苦しそうだったんだ』
まふゆちゃん、セカイに来た時
すごく苦しそうだったんだ』
奏
え……
レン
『……だから、もしかしたら……』
レン
『何か、おうちであったのかもって……』
奏
…………
瑞希
『……えっと……』
まふゆの母
『あら? もしかしてサークル活動をしていたのかしら』
まふゆの母
『ごめんなさい、お邪魔しちゃったわね』
瑞希
『い、いえ~。全然、お気になさらず……』
まふゆの母
『それじゃあ、失礼するわね。
まふゆ、夜更かしには気をつけるのよ』
まふゆ、夜更かしには気をつけるのよ』
まふゆ
『……わかった』
瑞希
『……雪、行きたい学校って……?』
まふゆ
『…………』
まふゆ
『……わからない』
絵名
『は……?』
絵名
『どういうこと? 雪が行きたい学校なんじゃないの?』
まふゆ
『……私、は……』
まふゆ
『…………』
奏
(…………わからない)
奏
(どうして、また前みたいな状況になってるのか……)
奏
(わからない、けど…………)
奏
(——このままじゃ、だめな気がする)
数日後
朝比奈家 リビング
まふゆの父
宵崎さん、本日はわざわざお越しくださり
ありがとうございます
ありがとうございます
まふゆの父
お世話になったというのに、
きちんとお礼ができていなくてすみません
きちんとお礼ができていなくてすみません
奏
あ、いえ……。
こちらこそ、突然連絡したのに食事にお招きいただいて……
こちらこそ、突然連絡したのに食事にお招きいただいて……
まふゆの母
気にしないでちょうだい。
むしろ連絡をもらってありがたかったわ
むしろ連絡をもらってありがたかったわ
まふゆの母
今日は腕によりをかけて夕飯を作ったから、
ぜひ、たくさん食べていってね
ぜひ、たくさん食べていってね
奏
……ありがとうございます
まふゆ
…………
まふゆの父
宵崎さん、改めて——本当にありがとうございます
まふゆの父
まふゆが帰ってきてくれてから、
家が明るくなったようで……とても嬉しく思います
家が明るくなったようで……とても嬉しく思います
まふゆの父
これも、まふゆのことを支えてくれていた
宵崎さんのおかげだなと
宵崎さんのおかげだなと
奏
わたしは何もしてません
奏
……まふゆが、ちゃんと前に進もうって頑張ったからだと思います
まふゆの父
まふゆも、ありがとう
まふゆ
…………うん
まふゆの母
こうして、まふゆと一緒に毎日を過ごせて
本当に嬉しいわ
本当に嬉しいわ
まふゆの母
少しずつ、私の知らなかったまふゆを知って、
まふゆの未来を、また応援することができて——
まふゆの未来を、また応援することができて——
奏
……あの、そのことなんですけど……
まふゆの母
え?
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