フェニックスワンダーランド
フェニックスステージ
えむ
——以上が、次の公演までの
暫定スケジュールです!
暫定スケジュールです!
櫻子
ご苦労さま。概ね問題ないと思ったわ
櫻子
ただ……演目の内容を考えると、舞台装置の使い方を
早めに詰めて考えられるようにしたほうがよさそうね
早めに詰めて考えられるようにしたほうがよさそうね
えむ
うん! ちょうど演出家さんから、
やってみたいことがあるって言われてて……
やってみたいことがあるって言われてて……
えむ
そのためには、新しい機材の導入も
視野に入れた方がいいと思っています!
視野に入れた方がいいと思っています!
えむ
予算のことは、もう少し考えないといけないけど……
えむ
でも、お客さんが笑顔のステージになるように、
できることはなんでもやるつもりだよ!
できることはなんでもやるつもりだよ!
櫻子
……そう。スタッフとの話が進んでいるのであれば
心配しなくてもよさそうね
心配しなくてもよさそうね
櫻子
あとは、うちのステージマネージャーと
やりとりしてちょうだい
やりとりしてちょうだい
櫻子
それじゃ……任せたわよ、鳳さん
えむ
はい! がんばりますっ!
えむ
(えへへ☆
櫻子ちゃんに、任せるって言ってもらえちゃった!)
櫻子ちゃんに、任せるって言ってもらえちゃった!)
えむ
(最初の頃は、あたしが運営をやるなんて大丈夫なのかって
すーっごく心配されちゃったけど……)
すーっごく心配されちゃったけど……)
えむ
(ちょっとずつ、信頼してもらえてるってことかなあ)
えむ
でもでも、ここで気が抜けて
ぷしゅーってなっちゃったらダメだよね!
ぷしゅーってなっちゃったらダメだよね!
えむ
まだまだ他のステージとも打ち合わせすることがいっぱいあるし、
しっかりしないと……!
しっかりしないと……!
えむ
——せっかくお兄ちゃん達が、
フェニックスワンダーランドのステージを任せてくれたんだもん。
もっともっと、がんばらなくちゃ!
フェニックスワンダーランドのステージを任せてくれたんだもん。
もっともっと、がんばらなくちゃ!
数カ月前
鳳家 リビング
えむ
ほ、本当にいいの……!?
えむ
あたしに、フェニックスワンダーランドの
ステージの運営を任せるって……
ステージの運営を任せるって……
晶介
ああ。つっても、いきなり全部を任せるわけじゃなく
段階的にだけどな
段階的にだけどな
慶介
もちろん、最終的な判断や責任は俺達が持つが……
ステージを経営するにあたっての考えや経験を得ることは、
お前の将来にとっても、プラスになると思ったんだ
ステージを経営するにあたっての考えや経験を得ることは、
お前の将来にとっても、プラスになると思ったんだ
えむ
あたしの、将来……
晶介
……あいつらがフェニックスワンダーランドを出てから、
『もっとちゃんと経営の勉強がしたい』って
ずっと俺達の後ろついて回ってるだろ
『もっとちゃんと経営の勉強がしたい』って
ずっと俺達の後ろついて回ってるだろ
晶介
手本を見て学ぶのもいいが、
現場に出て、直接その空気を肌で感じることも
経営者としては大事なことだ
現場に出て、直接その空気を肌で感じることも
経営者としては大事なことだ
晶介
それに、お前には柔軟な発想力がある。
その力が借りられるのは、俺達経営陣にとっても
悪い話じゃない
その力が借りられるのは、俺達経営陣にとっても
悪い話じゃない
慶介
ああ。お前にその熱量があるなら、
任せてもいいと思ったが……どうだ?
任せてもいいと思ったが……どうだ?
えむ
うんっ!
あたし、やりたい!
あたし、やりたい!
えむ
夢のために、もっとたくさん経営のこと
知りたいから!
知りたいから!
晶介
夢のために、か……。
ま、お前ならそう言うと思ってたけどよ
ま、お前ならそう言うと思ってたけどよ
えむ
えへへ……お兄ちゃん達がお仕事してるところを
近くで見て、思ったの
近くで見て、思ったの
えむ
誰かを笑顔にするために、
こんなにたくさん、やらなきゃいけないこととか
考えなきゃいけないことがあるんだって
こんなにたくさん、やらなきゃいけないこととか
考えなきゃいけないことがあるんだって
えむ
今までだって、わかってたつもりだったけど……
でも全然、そんなのじゃ足りなかったんだ
でも全然、そんなのじゃ足りなかったんだ
慶介
えむ……
えむ
だからあたし……やってみたい
えむ
世界中を笑顔にするって夢を叶えるために……
まずはフェニックスワンダーランドのステージを、
笑顔でいっぱいにしたい!
まずはフェニックスワンダーランドのステージを、
笑顔でいっぱいにしたい!
慶介
……お前の気持ちはわかった。
こちらも、手配を進めておこう
こちらも、手配を進めておこう
慶介
さっきも言ったが、最終的な責任は俺達が持つ。
だからお前はお前らしく、みんなが笑顔になる方法を
突き詰めて考えていってほしい
だからお前はお前らしく、みんなが笑顔になる方法を
突き詰めて考えていってほしい
えむ
うん、わかった!
えむ
えへへ……早速みんなにも報告しちゃおっと!
晶介
天馬達にか?
えむ
そうだよ! みんな今、夢に向かってすっごーくがんばってるから
あたしも進んでるよって言いたくて!
あたしも進んでるよって言いたくて!
慶介
……そうか。
彼らも、それぞれの場所で活躍しているんだな
彼らも、それぞれの場所で活躍しているんだな
えむ
うん!
えむ
ねえ、慶介お兄ちゃん、晶介お兄ちゃん——
えむ
あたしのために、いろいろ考えてくれてありがとう!
えむ
あたし、いーっぱいがんばるね!
慶介
……ああ。期待しているぞ
慶介
夢に向かって、か……
晶介
まだ高校生なんだし、
もう少しゆっくり進んだっていいのにな
もう少しゆっくり進んだっていいのにな
晶介
あの時だって——俺達に相談に来る頃には、
ほとんど解散の意志を固めちまってたし
ほとんど解散の意志を固めちまってたし
慶介
……そうだな
慶介
いずれにせよ、えむがもっとうちで経営を
学びたいというのであれば
俺達はそれをサポートしてやろう
学びたいというのであれば
俺達はそれをサポートしてやろう
慶介
それがきっと、あいつの夢のためにもなるからな
晶介
……ああ、そうだな
スタッフ
……それじゃ、予算と人員については
さっきの打ち合わせの通りでお願いします
さっきの打ち合わせの通りでお願いします
えむ
はい! 人員補充のオーディションについては、
一度こちらで日程を組むので
確定したらまたご連絡します!
一度こちらで日程を組むので
確定したらまたご連絡します!
スタッフ
わかりました。
それでは、連絡お待ちしてますね
それでは、連絡お待ちしてますね
えむ
(えへへ。これで、ステージの視察と
打ち合わせはほとんど終わり!)
打ち合わせはほとんど終わり!)
えむ
(あと行ってないのはワンダーステージだけど……
今の時間は、たしか公演中だよね)
今の時間は、たしか公演中だよね)
えむ
よーし、それなら——
ワンダーステージ
大きなクマ
『うう……。
やっぱり、みんなボクを怖がって逃げちゃう……』
やっぱり、みんなボクを怖がって逃げちゃう……』
大きなクマ
『でも……こんな大きな体、怖がられて当たり前か。
ボクに友達なんて、できるはずないんだ……』
ボクに友達なんて、できるはずないんだ……』
少年
『そんなことない。きっと君の心に触れれば、
みんなわかってくれるさ。
君が、誰よりも優しい心の持ち主だってね! それに……』
みんなわかってくれるさ。
君が、誰よりも優しい心の持ち主だってね! それに……』
少年
『少なくとも僕は、君のことを友達だと思っているよ』
えむ
(みんな、今日もきらきらしてるなあ……特に——)
えむ
(主役の白鳥くん、最近すっごく調子がよさそう☆
練習もずっとがんばってたもんね……!)
練習もずっとがんばってたもんね……!)
子供達
主役のお兄ちゃん、かっこいい〜!
観客達
俺、あの人のファンなんだよね。
今日もバッチリ写真撮らねえと!
今日もバッチリ写真撮らねえと!
少年
『大丈夫! 泣いてる子も、怒ってる子も。
きっとみんな、友達になれるさ』
きっとみんな、友達になれるさ』
少年
『この——笑顔のステップを踏めばね!』
少年
『よーし。みんなも一緒にやってみよう!
隣の人と、手を繋いでもいいかも!』
隣の人と、手を繋いでもいいかも!』
子供達
わあ……おもしろそう〜!
ほらほら、お父さんもやろうよ!
ほらほら、お父さんもやろうよ!
観客達
ちょっと恥ずかしいけど……
えっと……こうかな?
えっと……こうかな?
えむ
(わあ……! みんな、すっごく楽しそう☆)
えむ
(大人も子供も、目がキラキラってしてて——)
えむ
(ステージも客席も、笑顔でいっぱいになってる!)
えむ
(すごいなあ……)
えむ
(……なんだか、あの頃みたいだな)
えむ
…………
えむ
……がんばらなくちゃ
えむ
(……この場所を守れたのは、
司くん達のおかげだもん。だから——)
司くん達のおかげだもん。だから——)
えむ
(これからも絶対ぜったい、あたしが守っていかなくちゃ……!)
えむ
(新しいショーユニットのみんなも、
たくさんがんばってくれてるし……)
たくさんがんばってくれてるし……)
えむ
(みんなの笑顔が、遊園地いっぱい……
世界い〜〜っぱいに広がるように——)
世界い〜〜っぱいに広がるように——)
えむ
(あたしにできること、もっと増やしていかないと)
数時間後
えむ
みんなお疲れさま☆
今日の公演も、すっごくすっごーくわんだほいだったよ!
今日の公演も、すっごくすっごーくわんだほいだったよ!
ワンダーステージキャストA
鳳さん、お疲れさまです。
見に来てくださってたんですね!
見に来てくださってたんですね!
えむ
うん! 最後のほうは、
舞台の裏で一緒に踊っちゃった!
舞台の裏で一緒に踊っちゃった!
えむ
ほんとは、週末の出張公演も見に行きたかったけど……
ワンダーステージキャストA
あはは、ちょっと今回は場所が遠すぎますしね
ワンダーステージキャストB
でも、向こうのステージでも
俺達で精一杯、観客を笑顔にしてきますよ!
俺達で精一杯、観客を笑顔にしてきますよ!
えむ
そっか! あたしも応援してるね!
ワンダーステージキャストB
はい! それじゃ、お先に失礼します
えむ
(よーし。これで、現場でのお仕事は終わり!
戻ったら、お兄ちゃん達と打ち合わせして——)
戻ったら、お兄ちゃん達と打ち合わせして——)
???
……鳳さん
えむ
ほえ?
えむ
白鳥くん、どうしたの?
忘れ物でもしちゃった?
忘れ物でもしちゃった?
白鳥
いえ、そういうわけじゃないんです。
実は、相談があって……
実は、相談があって……
えむ
相談?
えむ
(白鳥くん、すっごく緊張してる……。
なんだか——)
なんだか——)
えむ
……大丈夫だよ
えむ
どんな話でも、聞かせてほしいな!
白鳥
あ……
白鳥
ありがとうございます。
えっと……
えっと……
白鳥
…………実は俺……
白鳥
——ワンダーステージを辞めたいと思っているんです
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