穂波の部屋
1
真堂
『——以上が、
うちの会社に所属しているバンドのライブで行われた
アンケート結果です』
2
穂波
『……なるほど』
3
穂波
『そのアンケートだと、
新曲が演奏されたライブと、そうじゃないライブの満足度に
あまり差は無かったんですね』
4
真堂
『ええ。あくまで
このバンドのライブでは、という話ではありますが』
5
穂波
…………
6
穂波
(SNSで調べるには限界があったから、
他のバンドのアンケートを共有してもらったけど——)
7
真堂
『……データだけでは、
なかなかわからないかもしれませんね』
8
穂波
『そうですね……』
9
穂波
『ただ……それでも、Leo/needのみんなが——』
10
穂波
『わたし自身が納得できる決断をするために、
ひとつひとつ、ちゃんと知らないといけないと思うので』
11
真堂
『……そうですか』
12
真堂
『また何かあれば、いつでも連絡してください。
できる限り力になります』
13
穂波
『はい。ありがとうございます。
それでは——』
14
穂波
(せっかくデータをもらったけど……
まだ、うまくイメージがわかないな)
15
穂波
(ワンマンか、ファンフェスタか——
もっとお客さんの声がイメージできれば、
考えやすくなるのかもしれないって思ったけど……)
16
???
『やっほー、ほなっち!』
17
穂波
え……
18
穂波
リンちゃん……メイコさんも
19
穂波
こんばんは。今日はどうしたんですか?
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リン
『えへへ。ワンマンの準備はどうかなーって思って!
ほら、明日はステージングの打ち合わせなんでしょ?』
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MEIKO
『それにパーティーのとき、真堂さんから連絡がきたって
言ってたからさ。なんの話だったのか気になって』
22
穂波
あ……
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リン
『ほなっち、どうかした?』
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MEIKO
『……もしかして、あんまりよくない話だったとか?』
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穂波
あ、いえ。悪いことがあったわけじゃないんです。
ただ——
26
穂波
ちょっと、いろいろ迷ってしまって
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MEIKO
『なるほど。どっちに曲を書き下ろすか、か……』
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穂波
はい。バンドとして
いろんな話がくるのは、もちろんありがたいんですけど……
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穂波
どっちを選べばいいか、悩んでしまって
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MEIKO
『そっか……難しいね』
31
穂波
そうですね……。
それに、今のやり方でいいのかどうかも
わからなくて……
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リン
『あたしは、ほなっちのしてること
間違ってないと思うけどなあ』
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リン
『どっちがいいかなって決めるために、
たくさん知るのってめちゃ大事だと思うもん!』
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穂波
リンちゃん……
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MEIKO
『……そうだね』
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MEIKO
『単純に比べられないからこそ、
数字とか、どんな人に届くんだろうってことを
たくさん動いて知る必要があるんじゃないかな』
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穂波
たくさん動いて……
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穂波
(……そう、だよね)
39
穂波
(イメージできないなら、たくさん動くしかない)
40
穂波
(どっちを選んでも、後悔しないように)
41
穂波
(それなら——)
42
穂波
——ありがとうございます、ふたりとも
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穂波
悩むからこそ……
納得いくまで、たくさん調べてみようと思います
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リン
『えへへ。がんばれ、ほなっち!
あたし、応援してる!』
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MEIKO
『もしまた悩んじゃった時は、
いつでも相談に乗るよ』