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な、なに~~~~~!?
違うセカイのカイトだと~~~!?
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KAITO
うっ……
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ミク
司くん、今日も元気だねっ☆
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KAITO
彼がこのセカイの想いの持ち主の、司くんだよ。
ワンダーランズ×ショウタイムというショーユニットの
座長をしているんだ
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うむ、よろしく頼む!
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他のふたりも紹介したかったが……
今日は予定があるから、後から来ることになっていてな
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KAITO
そして、こっちの子が類くん。
同じくワンダーランズ×ショウタイムの演出家だよ
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KAITO
えっと、ふたりともよろしく——
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KAITO
あの……
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こちらのカイトさんがいるのは、
学校に関係するセカイなのかな?
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KAITO
え?
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服装が学校の制服に近いからね。僕達のセカイは
みんなを笑顔にしたいという想いをベースにしているから
カイトさん達もショー用の衣装に似た服装をしているだろう?
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ということはそちらも、想いの影響を受けて
そういった服装なんじゃないかと思ったんだ
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KAITO
あ、う、うん……。
俺達のセカイは学校だよ
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ほう、そうなのか!
ではそちらの“本当の想い”は教師になりたいとか
そういうものなんだろうか?
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KAITO
教師じゃない、かな……
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KAITO
——俺達のセカイは、『みんなで一緒にいたい』
っていう想いから生まれたセカイなんだ
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KAITO
みんなで一緒に……
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KAITO
……うん。みんな、小さい頃から仲良しだったんだけど
大きくなるうちに、気持ちがすれ違っていったんだ
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KAITO
本当は学校で仲良く過ごしたいのに、できなくて……
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KAITO
それで、一緒にいたい想いが膨らんで——
俺達のセカイが出来たんだ
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ミク
そうなんだ……
23
……共にいたいと思っているのに、いられない……。
それは悲しいね
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KAITO
……そうだね
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KAITO
でも——
今はもう、大丈夫
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KAITO
音楽を通じて、みんなの心を通わせて——
いろんなことを乗り越えてきたから
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KAITO
これから先も、きっと一緒にいられると思う
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ミク
そうなんだ~!
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きっと、とても強い絆で結ばれているのだろうな!
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フフ、想いが叶ってよかったね
31
KAITO
……うん
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ゾウのぬいぐるみ
大変ダヨ~~~~~~!!
33
ミク
わわっ!
ぬいぐるみさん、どうしたの?
34
ゾウのぬいぐるみ
港で、喧嘩シテル子がイルノ!
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なにっ、ケンカだと!?
36
ふむ、ならば——ここは僕達の出番かな?
37
そうだな! みんな、行くぞ!
38
KAITO
え、行くぞって……
39
ミク
みんな、ニコニコ笑顔で仲良しが一番だもんね♪
仲直り大作戦だ~!
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KAITO
え……ええっ……
41
KAITO
はぁ、はぁ……。
なんだか今日、走ってばっかりだな……
42
……む、全員ストーップ!
どうもあそこが騒がしいぞ!
43
あの辺りに、例のぬいぐるみくん達がいそうだね
44
ミク
よーし!
みんなで仲直りさせちゃうぞ~!
45
KAITO
……大丈夫かな……
46
アヒルのぬいぐるみ
君、サッキもヒーロー役ダッタダロ!
次は僕の番ダヨ!
47
いぬのぬいぐるみ
ヤダ! ヒーローはオレがヤルンダ!
オマエナンカ、ヒーロージャナイ!
48
アヒルのぬいぐるみ
ナンデダヨ! ソンナコト言ウ君コソ、
ヒーローナンカジャナイ!
49
アヒルのぬいぐるみ
ソレナラ、モウ一緒にショーはヤラナイヨ!
50
いぬのぬいぐるみ
イイヨ! オマエトハ絶交ダ!
51
KAITO
あ……
52
どうやら、キャスティングで
喧嘩になってしまっているようだね
53
まあ、役者であれば役にこだわりたい気持ちは
よくわかるが……
54
ミク
でもでも、絶交って言ってるよ~!
55
KAITO
……このまま一緒にショーをやらなくなってしまうのは
悲しいな
56
KAITO
でも、どうすれば……
57
——決まっている!
こんな時は……あれしかない!
58
いくぞ!
59
ああ
60
KAITO
え? あれって……
61
いぬのぬいぐるみ
フン! モウ許シテヤラナイカラナ!
62
アヒルのぬいぐるみ
コッチコソ!
63
???
『なぜだ~!
なぜみんな、オレではなくあいつをヒーローと呼ぶんだ~!』
64
いぬのぬいぐるみ
エッ……!?
65
ヒーローA
『——はい。これで畑の悪い虫はいなくなったよ』
66
少女
『ありがとう、ヒーローさん!
おかげで野菜がいっぱいとれそう!』
67
元伝説のヒーロー
『オレは……世界を悪の秘密結社から救い、平和を取り戻した!
なのに——!』
68
元伝説のヒーロー
『時間がたつほどに忘れ去られ、
今やあんな能天気な奴らがヒーローよばわりされている。
なぜだ!?』
69
元伝説のヒーロー
『このオレこそが、本物のヒーローだというのに……!』
70
???
『まったく、君はいつからそんな風になってしまったんだ?』
71
元伝説のヒーロー
『お前は、博士……!?』
72
博士
『久しぶりだねヒーロー。
いや、元ヒーローかな?』
73
博士
『あの時……世界に平和を取り戻そうと必死だった君は、
そんな風ではなかった。肩書きや名誉に固執するような人では
なかったというのに』
74
元伝説のヒーロー
『なんだと!? オレの想いは、あの頃からずっと変わらない。
この世界が、平和であってほしいと——!』
75
博士
『そうだね。……だからこそ、みんながヒーローなんだ。
君が、ヒーローじゃないと言った人達もね』
76
博士
『この世界が平和であってほしい——
君と同じ想いを持つ人達なのだから』
77
元伝説のヒーロー
『同じ、想い……?』
78
博士
『見てみたまえ。港で漁をする者、食事を提供する者、
人々を運ぶ者——そういった者達のおかげで
世界はできている』
79
元伝説のヒーロー
『あ……』
80
博士
『君が気づいていなかっただけで、
世界はヒーローで溢れているんだ』
81
博士
『それがわからないから、
君はヒーローであり続けることができないのさ』
82
元伝説のヒーロー
『……そうだったのか』
83
元伝説のヒーロー
『オレは……自分こそがヒーローだとばかり思い込んで……』
84
いぬのぬいぐるみ
…………
85
アヒルのぬいぐるみ
僕……自分のコトバッカリ考エテタカモ
86
KAITO
……ぬいぐるみの子が、喧嘩をやめてる
87
KAITO
司くん達のショーを見て、考えを改めているみたいだね
88
ミク
これで、仲直りできるかなあ?
89
アヒルのぬいぐるみ
僕達……間違ッテタノカモシレナイネ
90
いぬのぬいぐるみ
…………
91
KAITO
……すごいな。一瞬で、あの子達の気持ちを……
92
KAITO
(ケンカを止めるなんて、すごく大変そうだと思ったけど……
こういうやり方もあるんだ)
93
アヒルのぬいぐるみ
……ゴメン、仲直リシヨウ。
フタリで一緒にヒーローの役、ヤラナイ?
94
いぬのぬいぐるみ
オレは……
95
いぬのぬいぐるみ
…………ッ
96
KAITO
あ……っ!
97
ミク
わわ、街の方に行っちゃった〜!
98
KAITO
みんなで手分けして探そう!
99
KAITO
う、うん……!
100
KAITO
……こっちの方に来たと思ったけど……
101
いぬのぬいぐるみ
…………
102
KAITO
……大丈夫?
103
いぬのぬいぐるみ
……ッ! ダ、誰ダ……?
104
KAITO
ごめん。さっきの喧嘩、見てて……
105
いぬのぬいぐるみ
…………
106
KAITO
えっと、君は……さっきの子とショーしたくないの?
107
いぬのぬいぐるみ
……オマエに関係ナイダロ!
オレは、アイツとショーがデキナクタッテ……
108
いぬのぬいぐるみ
…………
109
KAITO
(……俺みたいな、赤の他人から色々言われても
受け入れられないよね……)
110
KAITO
(でも……なんとなくこの子、強がってるように見える)
111
KAITO
(……力になりたいけど……どう言えばいいんだろう)
112
KAITO
——難しい問題だね。
強がっちゃって、気持ちを言えないなんて
113
KAITO
でも——
114
KAITO
きっと、力になれるよ
115
KAITO
だって“僕”は——
人の心を動かすような、演奏ができるからね
116
KAITO
(……俺は司くん達みたいに、
ショーで喧嘩を止めることはできない)
117
KAITO
(けど——)
118
KAITO
(この気持ちを……
彼に寄り添う気持ちを音で伝えることは——できる)
119
いぬのぬいぐるみ
ア…………
120
いぬのぬいぐるみ
スゴク、優シイ音…………
121
いぬのぬいぐるみ
……ドウシテダロ。
アイツと遊ンデル時のコトを思イ出スナ
122
いぬのぬいぐるみ
…………コノママダト、モウアイツと
ショー出来ナクナルノカナ
123
いぬのぬいぐるみ
……マタ、遊ビタイシ……
仲直リ、シヨウカナ
124
いぬのぬいぐるみ
オレ、アイツのトコロ行ッテクル!
125
KAITO
あ……
126
KAITO
……よかった
127
???
——やるではないか、カイト!
128
KAITO
え……
129
KAITO
みんな……え、見てたの?
130
すまないね。悪いとは思ったんだけど
カイトさんの演奏がとても綺麗で、聴き入ってしまったんだ
131
ミク
カイト、ギター上手だね~!
132
KAITO
うん、優しい音色だったよ
133
ああ。なんというか……
音で想いを伝えている、という感じだったな!
134
KAITO
……ありがとう
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しかし、本当に良い音色だったな。
言葉にせずとも、カイトの寄り添う気持ちが
伝わってきたというか……
136
そうだ。次のショーは、先ほどカイトがしたように
音楽とダンスだけで魅せるショーをやるのはどうだ?
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そういう形のショーでこそ、できることもあるかもしれんしな!
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ミク
わあ~!
ミクもやりたーい☆
139
面白そうだね。
さっそく考えてみようか
140
KAITO
(……やっぱり、“僕”なら心配いらなかったね)
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KAITO
(ぬいぐるみの子だけじゃなくて、
司くん達にも影響を与えてくれたみたいだ)
142
KAITO
(きっと、あの僕の自信にも繋がったんじゃないかな)
143
KAITO
……よかったね