アークランド 練習室
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お久しぶりです旭さん!
お元気でしたか?
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ああ! 毎日絶好調だよ!
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今日は特に、朝からワクワクしてたんだ。
みんなが稽古に来るって聞いてたからね
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寧々
そうだったんですね……
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えむ
えへへ、またよろしくお願いしますっ♪
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うん! よろしく!
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『今度のTHE CENTER THEATREのショーは2種類!?』って
お客さん達も盛り上がってるんだ。
期待に応えられるように、一緒に頑張ろう!
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はいっ!!
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旭さん達にいい形でバトンを渡すためにも、
僕達の公演で盛り上げなくてはね
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寧々
だね。わたし達が最初1週間やって、
そのあと旭さん達が1週間だから……
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寧々
わたし達の公演が微妙だったら、
お客さん達のワクワク感も減っちゃうだろうし
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なあに! そうはならん!
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何せ——今のオレ達も絶好調だからな!
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ふふ、頼もしいな!
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それで、よかったらなんだけど……
今日少し稽古を見させてもらってもいいかな?
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寧々
え?
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コンテストからしばらく間があっただろ?
みんながどれくらい仕上げてきてるか気になってさ
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なるほど!
そういうことでしたら、いくらでも見ていってください!
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じゃあ、そちらの椅子に……
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ああ、いいよいいよ!
邪魔にならないよう隅の方に座ってるから、
いつも通りに稽古しててほしいな
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そうですか……わかりました
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それじゃあみんな、再開しようか。
準備はいいかい?
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寧々
うん!
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いつでもやれるぞ!
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『……はぁ、はぁ。
どうにか城を抜け出すことはできたが……』
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寧々
……司。ちょっといい?
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ん? どうした?
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寧々
今、アドリブで肩を落としたあと、
一度膝をついたでしょ?
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ああ。
そうした方が『ここまで全力で逃げてきた』ということが
より伝わると思ってな
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寧々
それ自体はいいと思うんだけど……
膝をつくのはやめたほうがいいんじゃない?
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寧々
ブレスはまだ『追手が迫ってきてる』って思ってるでしょ?
なら簡単に膝をつかないと思うんだ
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む……! たしかにそれは一理ある……
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しかし、ここはやっと城を抜けだせたという
観客が一息つけるシーンでもある!
メリハリをつけるためにもオーバーに表現したい!
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寧々
でもセリフは『できたが』だし、
ブレスの緊張感はまだ続いてるんだから、
そっちを表現していかないと!
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えむ
『それじゃあ目指すは山のてっぺんにある呪いの花!
みんなでレッツゴ~だよ!』
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寧々
『うん!』
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寧々
……あ
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うん? どうしたんだい寧々
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寧々
あ、その……ちょっと思いついて
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寧々
ここでダンスを入れるのはどうかな
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な……!
今から新しいダンスを入れるのか!?
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寧々
うん。このあとシーンが変わって、
みんなで山を見上げて高さに驚いてるシーンになるでしょ?
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寧々
そことくっつけたらおもしろいんじゃないかって……
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えむ
あ……そっか!
最初はレッツゴールンルーン♪って踊ってるけど、
最後はうわあぁ~ってなってる感じ!?
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寧々
そう! そういうイメージ!
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……たしかに。
このあとの展開を考えると、一度コミカルなシーンを挟んだ方が
メリハリがついてより観客を引き込めそうだ
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これは試してみたいね。
いいかな、みんな
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まったく、いつも直前までこうだ。
肝が冷えるぞ!
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えむ
でもでも、もーっとおもしろくなりそう!
司くんもそう思うでしょ?
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ああ!! では——早速振りつけを考えようではないか!!
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寧々
——体力から考えると、ブレスはまだまだ余裕があると思うんだ。
だからここでハートの荷物を持ってあげる動作を入れるのはどう?
そうすれば曲の終わりで全員ヘトヘトになる納得感が出せそう
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おお、それはいいな!
ではこのあたりで——
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(……みんな、熱量が高いな)
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(特に今回は、寧々ちゃんがすごい。
演技にも気迫があるし、積極的にアイディアを出して
いい空気にしている)
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(でも——彼女だけじゃない)
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(ワンダショは、全員がぶつかって、意見を出し合って、
少しでもいいものにしようと思っている……そう伝わる)
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(……アークランドのみんなもそうだ。
だけど——)
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そしてオレはこれからも、
仲間と共に、全力で駆け上がっていきます
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…………
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よし! ではこの辺りで休憩に入るとするか!
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それじゃあ俺も、この辺りで戻ろうかな。
見学させてくれてありがとう!
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あ……すみません。
せっかく来ていただいたのにあまり話せず……
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あはは、気にしないで!
よかったらみんなも、こっちに遊びにきてよ
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はい、ありがとうございます
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えむ
旭さん、さよーなら~!
アークランドチーム 練習室
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アークランドキャストA
すみません榊さん。せっかく来てくださったのに。
すぐに戻ると思うので……
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あー、ちょっと覗きにきたくらいだから、
俺のことは気にしないで進めて
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アークランドキャストB
あ、はい……。
じゃあ、お言葉に甘えて……
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ふぁ……
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(会議に呼ばれたから、ついでに玄武旭を見に来たら……
まさか不在とはね)
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(『少ししたら戻ってくるはず』って言われたけど、
一体いつになるのやら……)
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旭の声
——ただいま
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(おや。ようやく——)
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(ん……?)
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アークランドキャストA
あ! おい旭、榊さんがお前に会いに来てるぞ!
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え? あ……すみません、お待たせしてしまって
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まあ、別に用事はないんだけどね
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え?
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本番も近いし、調子はどうかって思ってさ。
ってわけで、ちょっと稽古覗かせてよ
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あ……それならもちろん構いません。
好きなだけ見ていってください
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はーい
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アークランドキャストA
じゃあ……旭、ちょっと相談してもいいか?
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ん? なんだ?
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アークランドキャストA
さっき話し合ってたんだが、
やっぱり中盤がちょっとチグハグしてないか?
思ったより盛り上がらないっていうか……
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アークランドキャストB
森の動物達が本気で言い争うシーンなのに
ちょっと予定調和な感じがするんだよね
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アークランドキャストB
旭くんだったらどうやるか聞かせてくれないかな?
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あのシーンか……。
だったら、リズムを変えた方がいいかもしれない
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今はケンカらしくなるようにあえて台詞を
かぶせてると思うんだけど——
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繰り返す内にそのリズムが一定になってきてるから、
予定調和に見えるんじゃないかな
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アークランドキャストA
ああたしかに……!
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アークランドキャストB
うん、気付けなかったけど……
旭くんがそう言うのなら間違いないね
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アークランドキャストA
だな! じゃあ早速やってみるか!
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