穂波
——じゃあ、お疲れさま。
みんな、今日はしっかり休んでね
みんな、今日はしっかり休んでね
咲希
はーい! それじゃ、ばいばーい!
咲希
(……ライブ、楽しかったなあ)
咲希
(お客さんの声がビリビリって響いて、
すごい迫力で)
すごい迫力で)
咲希
(いっちゃん達も、すっごく楽しそうで——)
志歩
それって、私達の夢に近づくってことでしょ?
咲希
…………
咲希
(あの時……)
咲希
(どうして、『そうだね』って言えなかったんだろ?)
???
——あれ、もしかして……天馬さん!?
咲希
え……?
咲希
わ……花乃ちゃんと、お兄さん!?
花乃
やっぱり天馬さんだ……!
あの、ライブ本当にお疲れ様でした!
あの、ライブ本当にお疲れ様でした!
葉太
今日のワンマンライブ、ふたりで行ってたんです
葉太
それで、夕飯食べて帰ろうとしたら
天馬さんを見かけて
天馬さんを見かけて
咲希
そうだったんですね!
咲希
いっちゃん達とも、
来てくれてたらいいなーって話してたんです!
来てくれてたらいいなーって話してたんです!
花乃
抽選だったので、
チケットが取れるかひやひやしたんですけど……
チケットが取れるかひやひやしたんですけど……
花乃
今回のライブ、発表された時から
ずーっと楽しみにしてたんです!
ずーっと楽しみにしてたんです!
葉太
どんな服で行こうとか、メッセージで騒いでたもんな
花乃
お兄ちゃんだって、
どんなセトリになるかずっと予想してたじゃん
どんなセトリになるかずっと予想してたじゃん
葉太
それは普通にするだろ?
咲希
えへへ、ほんとに楽しみにしてくれてたんですね♪
葉太
……今日のライブ、本当に感動しました
葉太
Leo/needのライブは、いつも最高なんですけど……
今日は、それ以上っていうか
今日は、それ以上っていうか
花乃
出だしから、もうすごかったもんね。
星乃さんの声がパワフルでさ……!
星乃さんの声がパワフルでさ……!
花乃
ライブハウスでやってた曲が聴けた時は、
勝手に涙が出てきて……
勝手に涙が出てきて……
葉太
花乃、途中からずっと泣いてたんですよ
花乃
だって、どの曲にも思い出があるんだもん。
そういうの思い出したら、どうしても……
そういうの思い出したら、どうしても……
花乃
ラストの新曲も、すごくよかったです……!
なんていうかこう、出会えてよかったって言われてるみたいで……
なんていうかこう、出会えてよかったって言われてるみたいで……
花乃
——私もだよって、叫んじゃいました!
咲希
…………あ……
咲希
(そっか……。そういうことだったんだ……)
幼い咲希
(……検査の機械、暗くて狭くて
すごく怖かったな……)
すごく怖かったな……)
幼い咲希
(でも……ちゃんと、我慢できた。だって——)
母親
おかえり、咲希。検査お疲れさま
父親
看護師さんから聞いたぞ。
泣かなかったなんて、偉いな!
泣かなかったなんて、偉いな!
幼い咲希
えへへ……お兄ちゃんが、
検査の後にショーの続きをしてくれるって言ってたから、
がんばれたんだ
検査の後にショーの続きをしてくれるって言ってたから、
がんばれたんだ
幼い咲希
ねえお兄ちゃん、続き見せてくれる?
幼い司
いいよ! うさぎのぬいぐるみが、
いろんな動物を仲間にするところからだな
いろんな動物を仲間にするところからだな
幼い司
特別ゲストの父さんも母さんも、準備はバッチリだね!
それじゃあ——スタート!
それじゃあ——スタート!
幼い咲希
え、お父さん達も……?
母親
『——うさぎさん、うさぎさん。私も怪物の島に行って
さらわれちゃった仲間を探したいわ』
さらわれちゃった仲間を探したいわ』
父親
『僕は、怪物にとても大切な宝石を盗まれたんだ。
きっと、あの島にあるはず!』
きっと、あの島にあるはず!』
幼い咲希
わあ……ふたりとも、すごーい!
幼い司
『よーし、みんなで怪物の島に行こうじゃないか!
それじゃあ、仲間の印に……一緒に歌おう!』
それじゃあ、仲間の印に……一緒に歌おう!』
幼い司
『ほら、咲希も一緒に!』
幼い咲希
え、わたしも?
父親
『もちろん! この前、みんなで歌を歌いたいって
言ってたもんね』
言ってたもんね』
母親
『咲希ちゃんの歌、私も聴きたいわ』
幼い咲希
……! うん!
じゃあ、いくよ——
じゃあ、いくよ——
幼い咲希
♪————————
みんな
『♪————————』
中学生の咲希
……いっちゃん達、今頃何してるんだろう
中学生の咲希
また連絡するって言ってたけど……
入学したばっかりだし、忙しいよね——
入学したばっかりだし、忙しいよね——
???
咲希、入ってもいいかな?
中学生の咲希
え……
中学生の咲希
みんな、なんで……!?
中学生の穂波
サプライズで行ったら喜ぶんじゃないかって、
一歌ちゃんが提案してくれたんだ
一歌ちゃんが提案してくれたんだ
中学生の志歩
その反応だと、サプライズ成功みたいだね
中学生の咲希
せ……
中学生の咲希
成功成功! 大成功だよ!
すっごく嬉しい……!
すっごく嬉しい……!
中学生の咲希
えへへ。今ね、ちょうどみんなのこと考えてたんだ!
だから、本当にびっくりしちゃって……
だから、本当にびっくりしちゃって……
中学生の咲希
これ、夢じゃないよね……?
中学生の志歩
どうだろ、一歌のほっぺたつねったら
わかるんじゃない?
わかるんじゃない?
中学生の一歌
え、なんで私……?
中学生の咲希
よーし。それじゃあ、いっちゃん
もっと近くにおいでー♪
もっと近くにおいでー♪
中学生の穂波
ふふ。これは逃げられないね
咲希
(……アタシ、さっきの花乃ちゃん達みたいに、
目の前で笑ってくれる顔が見たいんだ)
目の前で笑ってくれる顔が見たいんだ)
咲希
(手を伸ばしたら届くくらい、近くで)
咲希
(……そういう音楽が、やりたい)
咲希
(だって、ずっとずっと——)
咲希
(そういう時間だけが、
アタシにとっての全部だったから……)
アタシにとっての全部だったから……)
葉太
……天馬さん?
葉太
大丈夫ですか? なんだか、顔色が良くないような……
咲希
あ、えっと……
咲希
平気です!
ごめんなさい、ちょっとぼんやりしちゃって……
ごめんなさい、ちょっとぼんやりしちゃって……
咲希
——ふたりが来てくれてたって、みんなにも伝えておきますね!
きっと、すっごく喜ぶと思います
きっと、すっごく喜ぶと思います
葉太
はい。今日は、素敵なライブをありがとうございました
花乃
次のライブも、絶対行きますね。
これからも、ずっと応援してます!
これからも、ずっと応援してます!
咲希
………………
咲希
(…………もし)
咲希
(もし、アタシがやりたい音楽をやろうとしたら……)
咲希
(みんなとは、一緒にいられなくなっちゃうのかな)
咲希
(そうなったら、もう……)
咲希
——これからも、4人で一緒にいられますように!
咲希
…………っ
咲希
(…………嫌だ)
咲希
(そんなの、絶対に……)
咲希
(みんなと離れ離れになるくらいだったら、アタシは——)
咲希
………………
咲希
(……決めた)
咲希
(アタシは……これからもずっと、みんなと一緒にいたい。
だから——)
だから——)
咲希
(この気持ちは、絶対に言わない)
咲希
…………っ
咲希
(なんだろ、今……)
咲希
(…………ライブもあったし、疲れてるのかな)
咲希
…………早く帰ろう