1
まふゆ
えっと……
2
ルカ
『大丈夫よ。みんな自分の作業に集中しているし、
見つかってもアバターと話してることにすればいいわ』
3
まふゆ
……来てたんだね
4
ルカ
『いい退屈しのぎになりそうだと思って』
5
ルカ
『実際、いつも見ないものがたくさんあって
とても面白いわ』
6
ルカ
『まふゆがお友達といる姿も、ね』
7
まふゆ
……そっか
8
ルカ
『けれど——』
9
ルカ
『まふゆ自身は、相変わらずみたいね』
10
まふゆ
え……
11
ルカ
『こんなにたくさん面白そうなものがあるんだもの。
楽しめそうなものを、もっと探してみたら?』
12
まふゆ
…………
13
まふゆ
でも、私はもともと
この場所には興味なかったから
14
まふゆ
それなら、興味がある子が楽しめるものを探したほうが
有意義な時間になるんじゃないかな
15
ルカ
『……たしかに、そうかもしれないわね』
16
ルカ
『けれど、その子達はどうなのかしら』
17
まふゆ
え……
18
ルカ
『それじゃあ、いつもと違うまふゆと話せて楽しかったし、
私はそろそろ帰るわ』
19
ルカ
『——まふゆも、楽しんできてちょうだいね』
20
まふゆ
あ……
21
えむ
あーさひーなセンパイッ!
22
えむ
す~~~っごく可愛いアバターを作ったので、
見てもらってもいいですかっ!
23
えむ
きっと、朝比奈センパイもニコニコって
なっちゃいますよ~♪
24
まふゆ
ふふ、自信満々だね。
それじゃあ、見せてもらってもいいかな
25
えむ
やったあ! いきますよ~!
さん、に、いち——
26
えむ
ぱんぱかぱ~ん!
たい焼きの妖精さんです!
27
まふゆ
たい焼き……?
28
えむ
はい! おいしいたい焼きを配って、
みんなを笑顔にしてるんです!
29
えむ
しかも、楽しいお話もしてくれるんですよ!
ね、妖精さん!
30
たい焼きの妖精
『うんっ! 鯛はめでタイッ!
あんこをアンコールッ!』
31
まふゆ
…………
32
えむ
どうですか、朝比奈センパイ!
33
まふゆ
……うん、おもしろいね
34
えむ
ひぃっ!
35
えむ
あ、ありがとうございまーす……
36
えむ
(うう~、ニコニコ~になってほしかったのに、
全然ダメだったよ~!)
37
こはね
えむちゃんらしい、元気をもらえるアバターだね。
つぶらな目とかもかわいいな
38
一歌
そう、かな……?
39
えむ
えへへ、ありがとう!
40
こはね
朝比奈先輩は、どんなアバターにしたんですか?
41
まふゆ
あ、えっと……
42
まふゆ
実は、まだできてないんだ。
あんまりピンとこなかったから、作り直してるところで
43
まふゆ
ふたりはどんなのにしたの?
参考に聞かせてほしいな
44
一歌
私は、育ててるサボテンの妖精って設定で——
数分後
45
一歌
あ……もうこんな時間なんだ。
だいぶ遊んじゃってたな
46
えむ
みんなのアバター見るのも、
おしゃべりするのも楽しいもんね!
47
まふゆ
うん。どれも個性的で、びっくりしちゃった
48
まふゆ
——じゃあ、そろそろ次のブースに行こうか
49
こはね
えっ? でも、朝比奈先輩のアバターは
最後まで作らなくていいんですか?
50
まふゆ
大丈夫だよ。みんなのを見るだけで満足しちゃったし、
私、作るのはあまり向いてないみたいだから
51
こはね
そうですか……
52
まふゆ
えっと……時間的に、次が最後のブースかな?
53
えむ
え~っ! もう最後なんですか?
54
一歌
じゃあ、慎重に選ばないとね
55
こはね
(次が、最後か……)
56
こはね
(——よし。
先輩がやりたいこと、最後にもう1回聞いてみよう……!)
57
こはね
あの——
58
まふゆ
あれって……
59
まふゆ
あ、ごめん遮っちゃって
60
こはね
い、いえ!
それより、どうしたんですか?
61
まふゆ
うん、大したことないんだけど……
あのゲーム、友達がやりたいって言ってたなって
62
こはね
『Frontier Genesis』……
未知の星、開拓の物語が今始まる——?
63
えむ
あー! センパイ、あれですよ!
前に話した、みんなで遊べるVRゲーム!
64
えむ
冒険しながら材料を集めて、
オリジナルの家を建てていくんです!
65
一歌
へえ……ちょうど4人まで一緒に遊べるみたいだね
66
こはね
そうなんだ……!
朝比奈先輩、もし興味があるならやってみませんか?
67
まふゆ
えっ?
68
まふゆ
(……わからないけど、みんなもやってみたそうだし……)
69
まふゆ
そうだね。遊んでみたいな
70
えむ
やった~! みんなで、ワクワク大冒険に出発だ~!
VRゲームのブース
71
スタッフ
ようこそ『Frontier Genesis』の体験ブースへ!
さっそく、ゲームの説明をさせていただきますね!
72
まふゆ
よろしくお願いします
73
スタッフ
皆さんにはこれから、未踏の惑星Xを開拓する
『宇宙開拓員』になっていただきます!
74
スタッフ
宇宙開拓員の目的は、増えすぎた地球人が移住するための
『拠点』を惑星Xに築くことです!
75
スタッフ
まずは惑星を冒険し、素材を集めてみてください。
たくさん集めるほど、立派な拠点を建てられるようになりますよ!
76
えむ
ふむふむ……地球のみんなでお引っ越しするために、
おうちを建てればいいんだねっ!
77
こはね
冒険も、家をつくるのも楽しそうだね
78
スタッフ
今回は体験版のため、制限時間内に第1の拠点——
つまり、皆さんが住む家を建てられればゲームクリアです!
79
スタッフ
皆さんだけの素敵な拠点を築けるように
頑張ってくださいね!
80
えむ
はーいっ!
81
スタッフ
また、冒険を進めると、
エイリアンと遭遇する『ミニイベント』が発生します!
82
こはね
ミニイベント……?
83
スタッフ
はい。なんと、こちらのイベントは
皆さんの行動によってストーリーの展開が変化するんです!
84
まふゆ
ストーリーが変化……
つまり、結末がいくつか用意されてるってことですか?
85
スタッフ
そのとおり!
良い結末を迎えられるかは、皆さん次第ということですね
86
えむ
わあ~……!
じゃあ、エイリアンと仲良くなったりもできるのかな!?
87
スタッフ
ふふ。できるかもしれませんね
88
スタッフ
エイリアンには会話AIを搭載してるので、
コミュニケーションをとることも可能ですから
89
スタッフ
仲良くなりたいという気持ちが伝われば、
十分可能性はありますよ
90
えむ
やったーっ!
お友達になれるといいなっ☆
91
スタッフ
ですが、エイリアンの攻撃には気をつけてください。
HPがゼロになってしまうと、
強制的にログアウトしてしまいますから
92
一歌
そっか……じゃあ、HPが減らないように注意しないと
93
こはね
うん! みんなでクリアできるように、頑張ろうね
94
スタッフ
——さて、説明は以上になります!
こちらのヘルメットを装着してください
95
こはね
わ、すごい……
宇宙飛行士のヘルメットみたい
96
スタッフ
このヘルメットは、VRゴーグル、ヘッドホン、マイク、
全ての機能を搭載した優れものです!
97
スタッフ
ゲーム内の距離に合わせて、
ボイスの音量を自動で変化させる機能もついているんですよ
98
まふゆ
つまり……プレイヤー同士の距離が近いほど、声が大きく、
遠いほど小さくなるってことですか?
99
スタッフ
はい! そういった面でも、没入感を楽しんでくださいね
100
スタッフ
皆さん、準備よさそうですね!
101
スタッフ
それでは、未知の冒険をお楽しみください!
Good luck with your mission!
102
こはね
わっ……!
103
えむ
す……すご~~~~~い!
本当にゲームの中に入っちゃったみたい!
104
一歌
うん……! 地面とか植物とか、本当に触れそう
105
こはね
最新のゲームって、こんなにすごいんだね……
106
こはね
……あれ? でもここ、遠い宇宙の星なのに
地球とちょっと似てるような……
107
まふゆ
地球人の移住先だから、環境が近いのかもしれないね
108
まふゆ
——それじゃあ、クリア目指して頑張ろう
109
こはね
制限時間内に、私達の拠点を作ればいいんですよね?
110
まふゆ
うん。拠点には、最低でも壁と天井……
それから、4人分のベッドが必要って
メニュー画面に書いてるよ
111
えむ
でも、せっかく作るなら
おっきくて楽しいおうちを建てたいな!
112
一歌
じゃあ、たくさん素材を集めないとね
113
まふゆ
まずは、辺りに何があるか調査してみようか
114
えむ
はーいっ!
宇宙開拓探検隊、しゅっぱーつ☆
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