類の部屋

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1

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(……なるほど。こういう筋なんだね)
2

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(大原監督は脚本も突貫で作り直したと言っていたけれど……
さすがだな。
非常によくまとまっているし、画も想像しやすい)
3

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(さて、少し休憩したら、
一緒に送られてきた他のデータも——)
4

???

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『るーいーくんっ!』
5

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ん? その声は……

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6

MEIKO

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『じゃじゃーん! 私よ~♪
……はっ!』

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7

MEIKOの声

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『ごめんなさい!
勢いで飛び出ちゃったけど、
今って大丈夫だったかしら!?』
8

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メイコさん? えっと……どういうことだい?
9

MEIKOの声

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『その~……さっき司くんから、
類くんが今度ドラマに出るって聞いたから、
準備を見学させてもらおうと思って……』
10

MEIKOの声

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『でも今、撮影まであんまり時間がないって
話を思い出しちゃって!
だから、時間があったらでいいんだけど!』
11

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なるほど、そういうことなら大丈夫だよ。
ちょうど今、少し休憩をはさもうと思っていたからね

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12

MEIKO

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『本当!?
なら、遠慮なく見学させてもらうわ!』
13

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ああ、歓迎するよ。
というか……メイコさんはそんなにドラマに興味があったんだね

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MEIKO

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『ええ!
実は最近ハマっちゃったのよ!』
15

MEIKO

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『ショーとはまた違った方法で
物語を表現しているでしょう?
そのあたりがとっても新鮮で!』
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MEIKO

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『最初はショーに役立ちそうなものはないかしらって、
司くんがさぶすく?で見てるドラマを一緒に見させて
もらっていたんだけど……』
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MEIKO

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『どのジャンルのドラマも見応えがあって楽しくて、
気づいたら好きになっちゃってたの!』
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MEIKO

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『特に今ハマってるのは、探偵ものよっ!』
19

MEIKO

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『探偵が個性的で面白いし、
格闘シーンが入ってるものもあって——』
20

MEIKO

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『サスペンス、アクション、そしてロマンスまで!
ぜーんぶ楽しめちゃうのよ!』
21

MEIKO

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『何より推理パートが
あっと驚く展開で……って』
22

MEIKO

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『あはは、ちょっと喋りすぎちゃったわ~。
これじゃ、類くんの休憩にならないわよね』
23

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そんなことはないよ。
メイコさんの話はいつも楽しいし、
僕も好きなものについて話す時は同じようなものだしね
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MEIKO

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『たしかに……!
じゃあ私達、マシンガントーク仲間ってことね!』
25

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フフ、賑やかな仲間が出来て嬉しいよ
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MEIKO

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『あ!
そのパソコンに映ってるのが台本?』
27

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ああ。
それからこっちが、今回のドラマの企画書だね
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MEIKO

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『企画書……!
ねえ、どんなことが書かれてるか、見てもいいかしら?』
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もちろんだよ。……これで見えるかな?
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MEIKO

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『大丈夫よ! えっと……』
31

MEIKO

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『今回作るのは……サブスクリプション型音楽サービス
“NEO MUSIC”宣伝用のショートドラマ』
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MEIKO

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『ターゲットは10代から30代の男女。
このサービスで音楽を聴きたい、と感じさせるような
エモーショナルなドラマ展開を重視』
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MEIKO

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『エモーショナルなドラマ展開……!』
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台本の流れは、まさにこの通りだったね
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MEIKO

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『そうなのね!
どういうお話なの?』
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簡単に言うと……
音楽を愛する青年の、再起の物語だね
37

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物語は、とある青年がバンドで成功するという夢に破れて
田舎に戻ってくるところからスタートするんだ
38

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彼はすっかりやさぐれて、
もう音楽には触れないと思っている。しかし——
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そこに、古い友人が現れる。
……彼は実は、幽霊なんだ
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MEIKO

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『え? 亡くなってるの?』
41

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ああ。ただ、青年はそれを知らないんだ。
その友人が亡くなったのは、彼が都会に出てしまったあとだからね
42

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そして青年は、友人との再会を通して、
少しずつ音楽への気持ちを取り戻していく……
43

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ざっくり言うと、そういうお話だね
44

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大原監督の作品としては大分シンプルな話の筋だけれど……
おそらくこれは、尺が短いからだろうね。
演出力を押し出すためにもシンプルにしていそうだ
45

MEIKO

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『へえ……!
幽霊だって気づくところ、どんな風になるのかしら!
今から完成が気になるわ!』
46

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フフ、是非楽しみにしていてほしいな
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MEIKO

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『それで、類くんは何の役をするの?』
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さっき言っていた、幽霊の友人の役だよ
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MEIKO

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『え、そうなの!?
ずいぶん重要そうな役じゃない!』
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うん。準主役のようなものだから、
僕も驚いたよ
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どういった理由で、僕をそんな重要な役にしたのか
意図はまだ掴みかねているけれど……
52

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いずれにせよ、大原監督が、
いい作品にするために必要と思ってくれたんだ。
全力で応えないとね
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MEIKO

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『ええ! 類くんなら、きっとできるわ!!』
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MEIKO

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『あ……ねえ、もしよかったらなんだけど、
撮影現場も覗きにいっていいかしら?』
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フフ、もちろんだよ。
メイコさんが現場でエールを送ってくれたら、
それほど心強いことはないしね
撮影当日
海辺

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照明スタッフ

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ちょっと光やわらげたいな……ビニールありなし試していい?
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照明スタッフ

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わかりました! すぐ準備します!
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制作スタッフ

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飲み物のクーラー、監督席の近くに置いといて!
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MEIKO

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『す……すごいわ~!
まさに撮影現場って感じ!』
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オレ達にとっては、少し懐かしい光景でもあるな
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寧々

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そうだね。映画の時にも、海での撮影があったし
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えむ

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うん!
お弁当も美味しかったよね!
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寧々

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いや、他にもいろいろあったでしょ
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MEIKO

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『とってもワクワクするわね……!
覗かせてくれてありがとう、類くん♪』
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フフ、どういたしまして
66

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さて、
大原監督はこの辺りにいると聞いたけれど……
67

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——大原監督!
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大原監督

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ああ、そこは直前に変更があったところだな。
佐藤に聞いてくれれば詳しくわかるから、そっちで…………ん?

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大原監督

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おお! 神代、よく来てくれたな!
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大原監督

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依頼を受けてくれてありがとう!
本っ当に助かる!
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そんなに頭を下げていただかなくて大丈夫ですよ。
僕達は勉強もさせていただけますし
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今回も、見学させていただきます!
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えむ

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よろしくお願いしま~す!
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大原監督

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ああ、よろしくな!
……まあ今回は結構バタついた現場になってるから
勉強になるかは怪しいところだが……
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バタつく……。
それはまた、どうしてなんですか?
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大原監督

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まあ、話すと長くなるんだが——
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大原監督

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……聞くも涙、語るも涙。
大人の事情ってやつがあるのよ……
78

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…………?
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