???のセカイ
1

ミク

Listen

……みんな、どうしてるかな?
2

ミク

Listen

それに、想いの欠片の持ち主も……
3

ミク

Listen

わたしにも、何かできたらいいんだけど

Sound Effect: Play

4

ミク

Listen

……キミは、どうしてわたしを呼んだの?
5

ミク

Listen

え……。
あの子達の想いが、強まってきてる……
6

えむの声

Listen

『おじいちゃんは、どこにもいないんじゃない——』
7

えむの声

Listen

『どこに行っても、何をしてても
あたしはおじいちゃんと一緒なんだって』
8

えむの声

Listen

『あたしに意地悪してるって思ってた世界が、
キラキラいっぱいの、思い出の宝箱になったの!』
9

遥の声

Listen

『……そんなに、自分を追い詰めないで』
10

ミク

Listen

(……木を通じて、強い想いが伝わってくる)
11

一歌の声

Listen

『悲しみを受け止めてくれたり、元気をくれたりする曲が——
あなたに寄り添ってくれる曲が、きっとあると思うんだ』
12

奏の声

Listen

『…………出会えるよ、きっと』
13

奏の声

Listen

『——わたしが、あなたのための曲を作るから』

Sound Effect: Play

14

ミク

Listen

……わっ! 想いの木が、光って……!
路地
15

一歌

Listen

いろいろ話せてよかったですね。
あの子に必要なことも、わかりましたし
16

奏

Listen

そうだね。
あの子が悲しみを乗り越えられるような曲を——

Sound Effect: Play

17

奏

Listen

え、これって……
18

ミク

Listen

あ、みんな!
またここに来られたんだね

BGM: --:-- / --:-- Play

19

奏

Listen

うん。スマホが急に光って……。
気づいたら、セカイの木の前にいたんだ
20

遥

Listen

あの木に触ると、ここに来れるってことなのかな?
21

えむ

Listen

でも、前にあたし達がいるセカイの木をぺたぺたしてみたけど
ダメだったよ
22

ミク

Listen

まだ、セカイとセカイの繋がりが不安定なんだろうね
23

ミク

Listen

多分だけど……また道が繋がったのは、
今、みんなの想いの力が強くなっているからじゃないかな
24

一歌

Listen

想いの力が、強く……
25

奏

Listen

もしかして、あの子のために曲を作ろうって
決めたことと関係してるのかな?
26

ミク

Listen

曲を……
27

ミク

Listen

あ……そういえばさっき、木からみんなの声が聞こえたの。
『あなたのための曲を作る』って
28

ミク

Listen

あれって、ひょっとして……
29

奏

Listen

実は——
30

ミク

Listen

そうだったんだ。
想いの持ち主のために……

BGM: --:-- / --:-- Play

31

遥

Listen

……あの、宵崎さん。
その曲作り、私達も何かお手伝いできないでしょうか?
32

奏

Listen

ありがとう。曲のイメージを膨らませるために、
みんなにも意見を聞きたいと思ってたんだ
33

奏

Listen

よかったら、ミクも協力してくれないかな?
34

ミク

Listen

もちろん、よろこんで!
35

奏

Listen

ありがとう
36

奏

Listen

——じゃあ、考えよう
37

奏

Listen

どんな曲を作れば、あの子が悲しみを乗り越えられるのか

BGM: --:-- / --:-- Play

38

遥

Listen

……あの子、悲しみから立ち直れない自分を責めてたね
39

えむ

Listen

うん……。
周りのみんなにたくさん心配かけてるって
40

一歌

Listen

それに、音楽を続けたいっていう気持ちも
あるみたいだったけど……
41

遥

Listen

……きっと、いろんな想いが重なり合って
心が押しつぶされそうになってるんだろうな
42

ミク

Listen

想いの欠片にヒビが入っちゃったのも、
それが原因かもしれないね……
43

奏

Listen

そのたくさんの想いの底に、
この曲で寄り添いたい悲しみがあるなら——
44

奏

Listen

きっと、光も届かないような場所に、
それでも届くような曲にしないと……
45

奏

Listen

話してて感じたんだけど、
あの子には、飾らない言葉が届きやすそうだなって
46

奏

Listen

星乃さんが書く歌詞と、相性がいいと思うんだけど
歌詞をお願いできないかな
47

一歌

Listen

やらせてください。
ワンマンも終わって、今ならちょっと余裕もあるので大丈夫です!
48

奏

Listen

——みんな、いろいろ意見ありがとう。
あとはわたしの方でデモを作ってみるよ

BGM: --:-- / --:-- Play

49

遥

Listen

わかりました
50

えむ

Listen

じゃあ、最後にみんなで『えいえいおー!』しよーうっ!
51

奏

Listen

え?
52

遥

Listen

ふふ。結団式みたいな感じかな
53

一歌

Listen

ライブの前にも、気合い入れるために円陣やるしね
54

一歌

Listen

奏さん、よかったらここどうぞ
55

奏

Listen

あ、うん……
56

えむ

Listen

ミクちゃんも入って入ってー!
57

ミク

Listen

うん!
58

えむ

Listen

それじゃあ、いくよー!

BGM: --:-- / --:-- Play

59

えむ

Listen

あの子に元気になってもらえるように、がんばるぞー!
60

えむ

Listen

えいえい——
61

一歌・遥・えむ・ミク・奏

Listen

『おー!』
『お、おー』
翌日
奏の部屋

Sound Effect: Play

62

奏

Listen

……違う。これじゃダメだ……
63

奏

Listen

(もっと、深い場所……)
64

奏

Listen

(いろいろな想いが積み重なったその底に、届かないと——)
65

奏

Listen

(……大切な人との別れ)
66

奏

Listen

(わたしの時は——)

Sound Effect: Play

67

奏

Listen

あの頃のわたしは小さかったけど——

BGM: --:-- / --:-- Play

68

奏

Listen

……お母さんが、空に行ったっていうのは
なんとなくわかってた
69

奏

Listen

でも、それからしばらくたった後も——
70

奏

Listen

学校から帰るたびに『おかえり』っていう声が、
聞こえてくるんじゃないかって
71

奏

Listen

そんなことないっていう気持ちと、
期待する気持ちが半分ずつあって……
72

奏

Listen

家にあがらないで、玄関で待ってたことがあったっけ
73

奏

Listen

(お母さんの部屋も、生きてた頃のままで……)
74

奏

Listen

(思い出がたくさん詰まってて、
お父さんも捨てたくなかったのかもしれない)
75

奏

Listen

(思い出、か……)
76

奏

Listen

(カーネーションの公園、
お父さんが作ってくれた曲……)
77

奏

Listen

(……あ、そうだ——)

Sound Effect: Play

78

奏

Listen

……この、オルゴールも……

BGM: --:-- / --:-- Play

79

奏

Listen

そういえば、お母さん……病室でもよく聞いてたな
80

奏

Listen

病院にいても、わたしとお父さんのことを
近くに感じるって
81

奏

Listen

(……鳳さんも言ってたっけ)
82

奏

Listen

(どこにもいないんじゃなくて、
どこに行っても何をしていても、一緒にいるんだって)
83

奏

Listen

(……わたしも、そういう想いを込めてみよう)

BGM: --:-- / --:-- Play

Sound Effect: Play

84

奏

Listen

……入りはオルゴールの音色とハミングで、よさそうだな
85

奏

Listen

そこから、ピアノでメロディーラインを引き継いで——
86

奏

Listen

(……今回は、絵名のイラストも瑞希の動画もない。
その分、音で情景がイメージできるようにしないと)

Sound Effect: Play

Sound Effect: Play

2日後
シブヤの公園
87

奏

Listen

……みんな、集まってくれてありがとう
88

遥

Listen

デモ、もうできたんですね
89

奏

Listen

うん。だけど、まだ納得いかなくて……。
みんなの意見を聞かせてくれないかな
90

一歌

Listen

わかりました
91

奏

Listen

ミク達もよろしく
92

ミク

Listen

『うん、任せて♪』
93

奏

Listen

……こういう感じなんだけど、どうかな

BGM: --:-- / --:-- Play

94

遥

Listen

とても素敵な曲ですね
95

遥

Listen

特に曲の入りは、もの悲しいけれどすごく綺麗で、
胸に静かに滲んでいく感じがあって
96

えむ

Listen

あたし、おじいちゃんとお別れした時のことを思い出して、
泣きそうになっちゃった
97

奏

Listen

みんな、ありがとう。
星乃さんはどう?
98

一歌

Listen

私も、胸がぎゅっとして……
でも、優しくていいなって思いました
99

一歌

Listen

えっと、なんて言うんだろ……
100

一歌

Listen

冷たい海の底にいたけど、水面で太陽の光がキラキラしてて——
それを見て、感じてた冷たさがやわらいだ、みたいな?
101

ミク

Listen

『わあ! 一歌ちゃんすごーい!』
102

えむ

Listen

うん! とってもわかりやすかったー!
103

奏

Listen

……ダメだ
104

一歌

Listen

え?
105

奏

Listen

もし、星乃さんが感じた通りなら
この曲じゃ、まだ足りない……
106

一歌

Listen

どうして……
107

遥

Listen

……たしかに、悲しみを乗り越えるっていうことは
その冷たい海から出ないといけないよね

BGM: --:-- / --:-- Play

108

えむ

Listen

あ……
109

ミク

Listen

『そっか……。
寄り添うだけじゃ、ダメなんだ』
110

ミク

Listen

『あと、“もう一歩”が必要っていうことだね』
111

奏

Listen

でも……乗り越えるって、どんな感じなんだろう
112

奏

Listen

わたしの場合、鳳さんみたいにきっかけがあったっていうよりは、
だんだんと思い出せるようになってきた感じだから……
113

奏

Listen

多分、そこが影響して
あともう少しが足りなくなってるんだと思う
114

ミク

Listen

『乗り越えるための、あと一歩……』
115

一歌

Listen

奏さんの中に、具体的なきっかけがないってなると
もしイメージできたとしても、曲に落とし込むの難しそうですね
116

奏

Listen

そうだね……
117

奏

Listen

あの子に届く曲を作るためにも、
なるべくわたしの経験が活かせるといいんだけど
118

遥

Listen

きっかけがわからない。
でも、経験を活かす……
119

ミク

Listen

『……それなら、無理にそこを表現しようとしなくて
いいんじゃないかな?』
120

奏

Listen

え?
121

ミク

Listen

『その代わりに、乗り越えたその先を描いてみるとか』
122

奏

Listen

乗り越えた、その先……
123

奏

Listen

たしかに……
124

奏

Listen

悲しみをどう乗り越えてもらえばいいかって、
つい考えちゃってたけど——
125

奏

Listen

『乗り越えたい』っていう気持ちは、あの子自身も持ってる

BGM: --:-- / --:-- Play

126

奏

Listen

だったら、その気持ちが大きくなれば、
自分で立ち上がれるかもしれない……
127

ミク

Listen

『うん! だから、“乗り越えた先にあるもの”が
多ければ多いほど、希望の光になってくれるんじゃないかな?』
128

奏

Listen

希望の光、か……
129

奏

Listen

……ありがとう、ミク。
どうしたらいいのか、だいぶ見えてきたよ
130

ミク

Listen

『本当? よかった……!』
131

奏

Listen

……星乃さん達、いいかな?
また、協力してほしいことがあるんだ
132

一歌

Listen

はい! なんでも言ってください
133

遥

Listen

あの子に元気になってほしいっていう気持ちは、
私達も同じですから
134

えむ

Listen

うんうんっ☆
最後までみんなでがんばろー!
135

奏

Listen

(……そうだ。
大事なことを忘れるところだった)
136

奏

Listen

(この曲は、わたしだけじゃない——)
137

奏

Listen

(わたし達全員で、あの子に届けるメッセージなんだ)
138

奏

Listen

ミクの言う通り、悲しみを乗り越えた先にあるものは
たくさんあったほうがいいと思うんだ
139

奏

Listen

だから、そういう難しい状況を乗り越えた先で
見つけられたものとか、起きた変化とか——
140

奏

Listen

あるだけ、全部聞きたい
141

一歌

Listen

任せてください!
142

ミク

Listen

『……ありがとう』
143

ミク

Listen

『あなたの言葉が、ヒントになったみたい』
144

ミク

Listen

『ふふっ。どういたしまして♪』
145

ミク

Listen

『前に、奏ちゃん達がいるセカイに迷い込んじゃった時は
ちょっとだけしか、みんなを元気にできなかったけど』
146

ミク

Listen

『こうやって力になれて、嬉しいな!』
147

ミク

Listen

『本当に……私達、出会えてよかったね』
148

ミク

Listen

『うんっ☆』
149

奏

Listen

……ミク達にもいくつか聞きたいんだけど、いいかな?
150

ミク達

Listen

『はーい!』
『はーいっ☆』

Sound Effect: Play

151

ミク

Listen

……“わたし達全員で、あの子に届けるメッセージ”か
152

ミク

Listen

どんな曲ができるんだろう?
153

ミク

Listen

楽しみに待ってるね
Next Chapter: 約束のPasserelle