公演初日
バックステージ

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1

えむ

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わあああ……!
お客さん、いーっぱい……!
2

えむ

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チケットが全部売れた時も嬉しかったけど、
みーんながホントに来てくれたの見ると、もっと嬉しいね!
3

寧々

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えむが劇場の人と頑張ってくれたからだよ。
ありがと
4

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ああ。
あとは——笑顔になってもらうだけだね
5

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その通りだ!
6

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休みも挟むとはいえこれから2週間の公演だ。
全力を出しつつもバテないよう、気を付けるように!
7

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そしてその上で——最初から最後まで、笑顔にするぞ!
オレ達ワンダーランズ×ショウタイムでな!
8

えむ

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それじゃあそろそろ、いつものやろ~うっ!
9

寧々

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ふふっ。あれがないと始まらないもんね
10

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じゃあ、頼むよえむくん!
11

えむ

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あたし達のパワーモリモリモリリング公演、がんばろ~っ!
わんわん~……
12

司・えむ・寧々・類

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『わんだほ~い!!』
13

場内アナウンス

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——間もなく開演いたします。
スマートフォン、アラーム付き時計など、音や光の出る機器は——
14

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(さあ——本番だ)
15

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(オレ達を成長させてくれた恩人達に報いるためにも、
最高の公演にしてみせる!)
16

場内アナウンス

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——それでは、ワンダーランズ×ショウタイム
『Parade to Heaven』、開演です

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17

ウィリアム

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『ん……ん?』
18

ウィリアム

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『ここは一体……どこだ?
この靄は——外なのか?』
19

ウィリアム

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『おかしいな。オレはたしかあの子と一緒に……。
……ん?』
20

ウィリアム

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『——あの子とは……誰だ?』

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21

子供の神使

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『——さあさあっ!
寄ってらっしゃい見てらっしゃい!』
22

子供の神使

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『天国名物、ヘブンパレードが始まるよ~!!
あの世で一番ハッピーでグレ~トなパレードだよ~!!』
23

ウィリアム

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『……は?』
24

ウィリアム

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『天国って……まさかそんなわけ——』

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25

ウィリアム

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『ひ、人が飛んでいる……!?
それに、あの大きな翼は……!?』
26

大神使

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『——天国の門をくぐった善良なる魂達よ。
この幸福の園を存分に楽しみなさい』
27

大神使

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『永遠の安らぎと祝福が約束されし地に、
あなた方は選ばれたのですから!』
28

子供の神使

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『いえ~い!
歌って踊っていっぱいゴロゴロして、楽しんじゃお~う!』
29

ウィリアム

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『ま、まさか……ここは本当に、天国なのか!?』
30

ウィリアム

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『だとすれば、オレは死んだのか……!?
しかし、何故……』
31

ウィリアム

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『何か……大切なことを忘れているような気がする……』
32

子供の神使

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『うう~。
ウィル、ほんとーにあとでお菓子くれるんだよね?』
33

子供の神使

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『地上に降りたなんて言ったら、大神使さまに怒られちゃうよ!
絶対バレないようにしてね!』
34

ウィリアム

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『ああ。オレが忘れていることさえわかったら、
すぐにでも帰る!』
35

ウィリアム

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『まあ、手がかりになりそうなものといえば、
地上のオレの墓ぐらいしかないが——』
36

???

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『う……ううっ……』
37

ウィリアム

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『……!
墓の前に誰か——』
38

???

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『……ごめんなさい。
本当にごめんなさい……!』
39

???

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『お父さん……!!』
40

ウィリアム

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『あ——……!』
41

ウィリアム

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『……そうか。
なぜオレは、今の今まで忘れていたんだ……』
42

ウィリアム

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『オレはアメリアと——
娘とくだらない喧嘩をして、
その時に、死んでしまったんだ……!』
43

子供の神使

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『……え!?』
44

大神使

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『……まったく、せっかく記憶を消してあげたのに
自分で掘り起こすとは、愚かな男だ』

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45

大神使

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『喧嘩をしてもみ合いのすえ娘に殺された、
なんて記憶があったら、
いくら天国にいても、地獄のような気分になるだろうに』
46

大神使

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『そして——愚かなのは君も同じだ。
ここでルールを破ったものがどうなると思う?』
47

子供の神使

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『え、ど……どうなっちゃうんですか……!?』
48

大神使

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『——悪い子は、羽をもいでしまわないとね。
連れていきなさい』
49

子供の神使

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『そ、そんな……!
やだよ! たすけて——わあああ!!』
50

大神使

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『……よし。
次は——あのウィリアムという男だね』
51

大神使

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『天国から抜け出すなんて地獄に落とされても仕方のない悪行だ。
しかし……一度天国に来た人間は、あの手を使わないかぎり
生まれ変わるまで地獄に落とせない……』
52

大神使

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『——なら、自分から行きたくなるようにしようじゃないか』
53

アメリア

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『……もう、学校に行かないと……。
行ってきます。お父さん……』

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54

ウィリアム

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『……アメリア……』
55

ウィリアム

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『あの神の使いのおかげで、
こうやって姿を見にくることができるようにはなったが……』
56

ウィリアム

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『オレにはもう、アメリアのためにできることはないのか……?』
57

大神使

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『いえ、ありますよ』
58

ウィリアム

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『うわ! お前は……!!』
59

大神使

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『そう、海のように慈悲深き神の使いです。
ウィリアム・ヘイルさん。あなたに話があります』
60

ウィリアム

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『話……?』
61

大神使

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『あなたのお嬢さんは——あなたのたったひとりの家族は、
不慮の事故だったとはいえ、あなたを殺しました』

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62

大神使

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『そのため、死後は地獄に落ちるでしょう』
63

大神使

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『地獄に落ちた者は、転生の輪からも外れ、
永遠に苦しみを味わい続けることになります』
64

ウィリアム

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『な……!? アメリアが、そんな……!』
65

ウィリアム

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『……娘をそんな場所に行かせるわけにはいかない!
あなたの力ではどうにかならないのか!?』
66

大神使

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『できません。
我らの導き手が決めた掟ですから』
67

ウィリアム

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『そんな……!』
68

大神使

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『そしてもうひとつ、
悲しい事実をお伝えしなければなりません』
69

大神使

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『お嬢さんが地獄に落ちると……
家族の記憶——愛していたはずのあなたのことも、
忘れることになる』
70

ウィリアム

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『……!!』
71

大神使

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『幸せな記憶を持ったままだと、
どうしてもそれに縋って希望を見出してしまいますからね』
72

大神使

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『そうならないために、全ての記憶を奪う。
何もわからないままただただ苦しみが続く。
……残念ながら、それこそが地獄です』
73

ウィリアム

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『アメリアが……オレのことまで……』
74

大神使

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『ですが——ここでひとつ、あなたにできることがあります』
75

大神使

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『それは……あなたも地獄に行くことです』
76

ウィリアム

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『え……!?』
77

大神使

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『あなたがお嬢さんと共に地獄に行けば——
天国に選ばれた資格を捨て去るだけの罪を犯せば、
娘さんはあなたのことを覚えたままです』
78

大神使

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『お嬢さんをたったひとりで地獄に行かせるのも可哀想ですし、
……大切な人に、完全に忘れ去られるのも酷でしょう』
79

大神使

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『一緒に地獄行きを選ぶなら、
お嬢さんは今すぐ亡くなってしまうことにはなりますが——』
80

大神使

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『お嬢さんの死後何千年もの幸せを想うなら、
そういった選択もあります』
81

大神使

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『さあ、どうしますか?』
82

???

Listen

……ふーん
83

???

Listen

(なるほどね。おもしろい筋書きだ)
84

???

Listen

(家族を亡くし、娘とふたりきりで暮らしていた主人公にとって、
『愛する娘から完全に忘れ去られる』ことは、
最も恐ろしいことと言える)
85

???

Listen

(ここを基点に、
どう観客を揺り動かしていくのか——)
86

???

Listen

(お手並み拝見だね)
87

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(さあ、ラストシーンだ……!)
88

Listen

(ウィリアムは当初、
最終的に地獄に落ちるとしても、
アメリアに天寿を全うしてほしいと思う。愛しているからだ)
89

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(だが同時に脳裏によぎるのは、
アメリアが生まれてから共に過ごした記憶だ)
90

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(ふたりきりで星空を見上げたキャンプ。
初めてもらった似顔絵。娘とのささやかで楽しい日々——)
91

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(そういった共に過ごした思い出が——
アメリアの記憶のアルバムの写真が全て焼かれてしまうと想像して
とてつもない悲しみに襲われる)
92

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(そこに大神使はさらにつけこむ。
天国で孤独に生きるより、地獄で共にある方が
幸福であるかもしれない、と)
93

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(そして、ウィリアムは葛藤の果てついに——
忘れられるぐらいならばと、大神使の力を借りて仮初の姿を得て、
娘を手にかけようとする)
94

ウィリアム

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『アメリア。
オレは、間違っている。間違った父親だ』

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95

ウィリアム

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『お前の幸せを願い、祈りながらオレは——』
96

ウィリアム

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『オレは、お前を……!!』

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97

アメリア

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『あ……!
う……っ』
98

アメリア

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『お父さん、やめて……お父さん!!』

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99

アメリア

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『お父……さん……』
100

アメリア

Listen

『私、は……』
101

アメリア

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『——忘れ……ないよ……』
102

アメリア

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『いつか、地獄に落ちても……
絶対に……忘れないから……』
103

アメリア

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『だから……、
お父さんは……天国に、いて……』
104

アメリア

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『私のために、お父さんまで……地獄に行かないで……』
105

ウィリアム

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『………………アメリア………………』
106

ウィリアム

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『オレは……。
オレはなんて、愚かなことを……』

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107

ウィリアム

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『オレがすべきことは、
アメリアを手にかけることじゃない……!』
108

ウィリアム

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『アメリアが死んでも幸せになる方法を見つけ出す……、
それがオレが、父親としてやるべきことだったのに……!』
109

ウィリアム

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『アメリア……すまない……』
110

アメリア

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『お父さん……』

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111

大神使

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『——まったく、
人間というものは度し難い』
112

ウィリアム

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『お前は……!』
113

大神使

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『お前達は天国の秩序を破る、地獄にいるべき人間だ』
114

大神使

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『この美しい手を罪人の血で汚したくはなかったが……
これ以上煩わせるなら、
親子ともども、地獄に叩き落としてやろう——!』
115

アメリア

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『な、なにこの光……!
一体何が——』
116

ウィリアム

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『離れるなアメリア!!』
117

ウィリアム

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『お前は、父さんが守る!!』
118

アメリア

Listen

『あ……』
119

大神使

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『天の雷の前に、粉々になるがいい!』

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120

大神使

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『……なぜだ?
なぜ、天の雷が消えて——』
121

子供の神使

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『——掟を破ったからです。大神使さま』
122

大神使

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『お前は……!
羽をもいだはずだ! どうして……!』
123

子供の神使

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『導き手のお言葉があったのです!
あなたを、地獄に落とせと!』
124

子供の神使

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『心から愛し合う者達を苦しめる。
それは天の使いとして最も行ってはならない行為!』
125

大神使

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『……! そんな——』
126

大神使

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『は……羽が醜く……!
やめろ! やめてくれ……! うわあああ!』

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127

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——本日はご来場、ありがとうございました!!

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128

えむ・寧々・類

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『ありがとうございました!!』

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129

観客達

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すっごく楽しかったな……!
最後、ハラハラしちゃったね!
130

観客達

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うん。
お芝居って初めて見たけど、思った以上によかったな
131

観客達

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私、もう1回見たい!

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132

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ふぅ……
133

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初日ということで大分緊張はしたが——皆、いい演技だったぞ!
134

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ああ。客席の反応も想像以上に良かった
135

えむ

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いーっぱい笑っていーっぱいドキドキしてくれてて、
嬉しかったな~!
136

寧々

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この調子で、最後まで駆け抜けていきたいね
137

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うむ! 全力で、最終日まで突き進むぞ!!
公演後
控室

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138

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——それじゃあ、そろそろ出ようか。
明日も2公演あるしね
139

寧々

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うん、じゃあ電気消して——

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140

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ん……?
こんな時間に、誰だろうか?
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えむ

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劇場の人かな?
まだ撤収の時間じゃないはずだけど——はーい!

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142

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——どうも。お邪魔しますよっと
143

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お、神代くん。久しぶりだねえ
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あ……
145

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あなたは確か、大原監督の映画撮影でお会いした——
146

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ん? なんでそこ?
結構最近会ったじゃん
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え?
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ん!?
たしかに、どこかで——
149

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あ……!!

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150

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榊さん……!?
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寧々

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え!?
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寧々

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あ、たしかに言われてみれば……!!
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はは。格好がずいぶん違うから、わかんなかったかな
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あ……いえ!
それより、オレ達をこちらの劇場に推薦していただき、
本当にありがとうございます!
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おかげさまで、今日はこうやって無事に——
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ああ、その件については気にしないでいいよ。
たまたま話題に上がっただけだからさ
157

Listen

それより——今日はいち演出家として、話をしたいんだ
158

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演出家として……ですか?
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ああ
160

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——今日の公演はとても良かった。
ただ……
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まだまだ良くなるって思ってさ
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だから——よければ俺に、手伝わせてくれない?