ワンダーステージ
1
それじゃあ、もう一度ジャンプシーンをやるよ!
ステージからステージ下まで、跳んでくれるかい?
2
えむ
うん!
いくよー! 司くーん!
3
よし来い!
息を合わせるぞ!
4
寧々
…………
5
えむ
いちにの……!
6
えむ
ジャジャジャジャーンプっ!!
7
キャキャキャキャーッチっ!!
8
えむ
できた!
できたよ類くん~!!
9
ハッハッハ!!
スターの力をもってすればキャッチなど容易いものよ!
10
ああ、バッチリだったよふたりとも!
11
ただ、実際に木の上から跳ぶ時は足場がかなり悪くなるから、
それも想定してリハーサルをやっていきたいね
12
しかし……いつもえむにジャンピング突撃されていたのが、
こんなところで役に立つとはな……
13
寧々
おかげで、できるようになったんだし、
結果オーライじゃない?
14
——さて、いよいよ本番の日が近づいてきた
15
今回も、僕達の最高のショーで
お客さんを笑顔にしていこうじゃないか!
16
えむ
うんっ!
鳳邸庭園
17
寧々
わぁ……! 大きな洋館……!
18
庭も立派だな……!
ここだけまるで海外のようだ
19
えむ
久しぶりだな~!
ちっちゃい頃はいっぱい来てたけど、
最近は全然来れてなかったから、嬉しいなっ!
20
よし、それじゃあ早速、
あのシーンに必要な木と洋館の窓を確認していこう
21
(……うん。枝は問題ないね。
折れそうだったり、腐っていそうなところもない)
22
(傷つけないよう前もって養生してもらったから、
ジャンプくらいでは傷もつかなそうだしね)
23
(——窓への距離はもらった図と誤差なく、約1.5メートル。
えむくんのジャンプ力なら、問題なく跳べる距離だ)
24
あとは……命綱をつけるならポールが必要だね。
屋根に取り付けるポイントを探さないと……
25
寧々
類! 熱中しすぎて落ちないでよ!
26
ネネロボ
落チナイデ下サイヨ!
27
ああ、わかってるよ!
28
寧々
……ならいいけど。
熱中してると、すぐに周り見えなくなるから
29
寧々
……あれ? えむ
30
えむ
なーにー? 寧々ちゃんっ
31
寧々
今、えむのポケットが光ったみたいなんだけど……
32
リン
『えーむーちゃーん!
ねーねーちゃーん!』
33
えむ
うわわっ! リンちゃん!
34
リン
『やっほー♪ 遊びにきちゃった☆』
35
ああ、そういえば、
リンはリハーサルを見に来ると言っていたな
36
寧々
始まったら呼ぼうと思ってたけど、
待ちきれなくて来ちゃったんだね
37
リン
『わー、おっきなお庭☆
みんな、今は何をしてるの?』
38
えむ
今はね、木からジャンプするシーンの練習をするから、
類くんが命綱をつけてくれてるんだよ!
39
リン
『あ、あのシーンだね!
ぴょぴょん♪ってするところ見れるんだ~』
40
リン
『……わ! 類くん、とっても高いところにいるんだね!
怖くないのかなぁ?』
41
寧々
類なら、全然怖くないと思うよ
42
そうだな。
あれくらいでは屁でもないだろう
43
……多少は危ないことに危機感を持ってほしいというか、
あの無謀さは少々どうかと思う時もあるが——
44
だが、たのもしくもあるな
45
リン
『え?』
46
あいつにとって最も大事なのはショーだ。
面白いショーを作ることが最優先だからこそ、
普通は考えられないようなおかしなこともするが——
47
演出家としては、抜群に頼りになる
48
えむ
うん! あたしもそう思う!
49
えむ
おもしろいけどできないかもな~とか
あぶないかもな~って思っちゃうようなことも、
やろうって言って、本当にできるようにしてくれるんだよね!
50
えむ
類くん、魔法使いみたい☆
51
寧々
うん、本当にね
52
寧々
類とやるショーは、いつもとんでもないけど……。
でも、おもしろいから
53
リン
『……そっか!
えへへっ♪ 類くん、すごいね!』
54
——みんな、命綱とマットの準備ができたよ!
55
さっそくクライマックスのジャンプシーンを
練習したいんだけど、できそうかい?
56
えむ
うんっ!
準備運動できてるよー!!
57
オレもだ!
屋敷の中に入ってスタンバイすればいいか?
58
ああ。司くんは屋敷の中からキャッチできるようにしてくれ。
えむくんは、ここまで登ってきてくれるかい?
59
えむ
あいあいさーっ!
60
寧々
じゃあリン、ネネロボ。
わたし達は客席のほうで見てようか
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リン
『うんっ!』
62
ネネロボ
楽シミデスね!
63
……よし。しっかり取りつけられているね。
用意はいいかい?
64
えむ
うん!
それじゃあ……いくよー! 司くーん!
65
司の声
よし来い!
まずは声でタイミングを合わせるぞ!
66
えむ
わかったー!
……よしっ!
67
えむ
いちにの——ジャジャジャジャーンプっ!!
68
……!
69
——よし! 掴んだ!
70
えむ
……できた!
ちゃんとできたよ類くん!
71
……ああ。
素晴らしいジャンプだったよ、えむくん!
72
ふぅ……。
練習の甲斐があったな
73
とはいえ、やはり高さがあると緊張感が違うな。
えむさえいけそうなら、本番でも無理なくできるように、
何度か挑戦しておいたほうがよさそうだが……
74
えむ
あたしは大丈夫だよ☆
もう1回やってみよー!
75
ああ!
それじゃあ今度は、本番を想定して
セリフを言いながら跳んでみよう
76
えむ
じゃあもう1回いくよー!
司くんは、大丈夫?
77
司の声
ああ!
78
えむくん、2回目だけど油断せずにね
79
えむ
うん! いくよー!
80
えむ
『——あたしが将校さんを、助けなきゃ!』
81
えむ
いち、にの……!
82
えむ
わっ! 小鳥さんが急に……!
83
えむ
わ、わわわ……!
84
リン
『あっ! えむちゃん、あぶなーい!!』
85
えむ!
86
えむ
きゃ…………!
87
————!
88
えむ
……………………ほえ?
89
リン
『あー!
えむちゃんが、ゆっくり地面に下りてきた!』
90
寧々
え? 命綱が伸びて……?
あれってどうなってるの?
91
……よし。
ちゃんと機能したようだね
92
この命綱は——その名も衝撃吸収命綱!
落ちた時もバランスを取り戻させつつ、落下時の衝撃を
分散しながら下ろしてくれるから、ダメージも少なくてすむんだ
93
えむ
……すごーい!
全然痛くなかったよ! ありがとう、類くんっ!
94
どういたしまして、えむくん
95
でも、もし今のショックで気分が悪かったりしたら——
96
えむ
いよーっし! それじゃあもう1回、だね!
97
えむ
類くんの命綱もあるから、もし失敗しても大丈夫だもんね!
がんばるぞー!
98
よし! じゃあもう一度木に登って最初からだ!
99
えむ
はーい!
100
えむ
よいしょ、よいしょ!
今度は小鳥さんに気をつけなくっちゃ!
101
えむ
……あれ?
類くん、どうしたの?
102
——いいや。なんでもないよ
103
えむ
む?
104
司の声
えむ! こっちは準備ができたぞー!
105
えむ
あ、は~い!
次はちゃーんとジャンプするね~!
106
(……お礼を言わなきゃいけないのは、こっちのほうだ)
107
(どんな道具があっても、信じてもらえなければ、
それは意味のないものだからね)
108
よし、それじゃあ——やろう!
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