絵名
あ、カイト!
9.2
KAITO
……来てたのか
絵名
うん、今日はデモを聴く日なんだ
絵名
ちょっと早く着いちゃったから、
まだみんな来てないんだけどね
KAITO
そうか。じゃあな
絵名
あ、ちょっと!
せっかく来たんだし、カイトも聴いてったら?
KAITO
必要ない
絵名
そう言うと思った。けど……
今回のデモ、この間絵画教室で描いた私の絵から
イメージして作ってくれたみたいなの
絵名
あの時、カイトにもお世話になったし
聴いてほしいんだよね
KAITO
絵画教室で……
KAITO
ああ、手のやつか
絵名
え、なんで知ってるの?
カイト達に見せたっけ……?
KAITO
いや……
瑞希
あれ、絵名ー!
まふゆ
……もう来てたんだ
瑞希
ていうか、カイトも一緒なんて珍しいじゃん!
デモ、聴きに来てくれたの?
KAITO
そういうわけじゃないが——
絵名
ねえ、ミク。
私、ミク達に『手』の絵って見せたっけ
手……。
ああ、絵画教室で描いたって言ってた絵か
絵名
うん。あの絵の話をしてたんだけど、
カイトが知ってるっぽくてさ
ミク
……見せてもらったわけじゃない
ミク
わたし達が、絵名の絵を見てたから
絵名
えっ? 見てたって……どういうこと?
ミク
絵名、悩んでるみたいだったから。
少し気になって……見に行ってたの
絵名
それって……カイトも心配して来てくれたってこと?
KAITO
……勝手に解釈しろ
瑞希
へえ~! 優しいじゃーん♪
ミク
うん、優しい
KAITO
おい
絵名
ふふっ……ほんと、ありがとね
でも……あの絵、本当によかったな
すごく楽しんで描いてるんだなっていうのが
伝わってきて
瑞希
うん! ボクもすっごく好き!
絵名
え、そう?
まふゆ
……私も、いいと思った
絵名
まふゆ……
絵名
……うん、ありがと
絵名
ねえ、ちょっと歌わない?
あの時のことを思い出したら、歌いたくなっちゃって
瑞希
ボクは大丈夫だよ!
うん。今の絵名がどんな歌を歌うのか、気になるな
まふゆ
……私も
絵名
じゃあ——
KAITO
俺はいい。ミク、一緒に歌ってやれ
ミク
え、でも……
KAITO
俺は、お前らの想いを聴く。それでいいだろ
まふゆ
……聴いててくれるんだ
絵名
ふふ、やっぱりなんだかんだで優しいのかもね
KAITO
勝手に言ってろ
絵名
じゃあ、聴いててよ。
私の今の想い
絵名
行くよ。——『その絵の名前は』