8.8

寧々

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『——待って!!』

寧々

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『少しだけでいいの!
わたしに時間をちょうだい!』

寧々

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『……神様。この祠からどきたくないのは、わかるよ。
わたしだって生まれた家がなくなるのは嫌だもん』

寧々

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『だけど……』

寧々

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『わたし、みんなを傷つけちゃうようなこと、
神様にしてほしくない』

寧々

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『ひとりぼっちだったわたしに声をかけてくれた優しい神様に、
そんなことしてほしくない』

寧々

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『わたしは……この夏休みいっぱい遊んだみたいに……
もっとたくさん、神様と遊んでたいよ』

寧々

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『だから——神様の新しい家は、わたしが作る。
神主さんに相談したら、職人さんを紹介してくれるって!
何年かかるかわからないけど……絶対に作るよ!』

寧々

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『だから……だから、お願い!
これからも、わたしと一緒にいて!』

寧々

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……——うん

えむ

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寧々ちゃ~ん!

リン

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寧々ちゃ~ん!

寧々

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あ、みんな!

リン

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今、なんのお芝居してたの~?
すっごくかっこよかったよ!

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全くだ!
思わず見惚れてしまったぞ

寧々

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ふふ、ありがと。
今のは、昔いた時劇団でやった芝居なんだ

リン

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え? それって、もしかして……

寧々

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そう。わたしが失敗した舞台

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それをやろうと思ったということは……
何か心境の変化があったのかな?

寧々

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うん

寧々

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……あの経験は、
今も思い出すと苦しくなるけど……

寧々

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あの経験があったから、
ちゃんと弱さを乗り越えられたんだなって思えて

寧々

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そう思ったら、もう1回ちゃんとやっておきたくなったんだ

えむ

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寧々ちゃん……

寧々

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まあ、あの経験があったから、
みんなにはたくさん迷惑かけちゃったんだけど……

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フフ、何をいまさら水臭いことを言っているんだい?

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僕達はいつも、
お互い迷惑をかけあって進んでいるじゃないか

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そうだ!
頼り頼られ、助け助けられだ!

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誰しも最初からたったひとりでパーフェクトなスターに
なれるわけではない。だろう?

寧々

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ふふっ、そうだね

リン

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ねえねえ、リンも寧々ちゃんのこと
助けられたかなあ?

寧々

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うん、もちろんだよ

寧々

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リンのニョロニョロ体操、今も家でやってるしね。
あれのおかげですごく寝つきがよくなったよ

リン

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そうなのっ?
えへへ、やった~!

寧々

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ふふ。
……ねえ。よかったらなんだけど、今からみんなで1曲歌わない?

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む? どうした当然

寧々

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昔のことをちゃんと振り返れたら、なんだかスッキリしてさ。
思いっきり歌いたいって思ったんだ

寧々

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リンもどう? 一緒にやらない?

リン

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うん!
みんなでいっぱい歌っちゃお~☆

寧々

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ふふ、それじゃあやろう!

寧々

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読み:ゆけ