ライブハウス
杏
♪————! ♪————!
杏
♪——————……!!
観客A
今日も杏ちゃんの歌はすげえな!
観客B
ああ! やっぱ若い連中のなかじゃ
頭ひとつ抜けてるよ
頭ひとつ抜けてるよ
観客B
けど……なんか、前より勢いが落ちた気がするんだよな
イベント後
ビビッドストリート
杏
………………
杏
(…………ダメだ)
杏
(今日も、ちゃんと歌えてた感じがしない)
杏
(最近、ずっとこうだ。
歌っても歌っても、なにか足りない)
歌っても歌っても、なにか足りない)
杏
(理由は、わかってる。でも——)
こはね
ごめん、ごめんね、杏ちゃん……!
杏
大丈夫だよ、こはね。
謝らないで……!
謝らないで……!
杏
私が、あの時もっとこはねを守れてれば……
杏
でも……っ!
これからは、私が守るから!
これからは、私が守るから!
杏
何があっても怖くないように、
こはねが胸を張って歌えるように——!
こはねが胸を張って歌えるように——!
杏
だから……一緒に歌おうよ、こはね!
こはね
…………っ
こはね
……ごめんね、杏ちゃん……
杏
あ……
こはね
杏ちゃんの気持ちは、すごく……すごく嬉しいの
こはね
私も、杏ちゃんと一緒に歌いたい
こはね
一緒に……夢を追いかけたいって……思うの
こはね
でも……
こはね
でも、どうしても……
こはね
また、ステージに立つって考えたら……怖くって……
杏
こはね……
こはね
こんな、こんな私じゃ……
こはね
杏ちゃんと一緒に、歌えない……
こはね
一緒に……伝説のイベントを超えるなんて、できないよ……っ
杏
そんなこと……っ!
杏
(っ、でも……)
杏
(今のこはねは、歌うことを怖がってる)
杏
(そんなことないって、こはねならできるよって
言って、こはねを無理やりステージに戻しても……)
言って、こはねを無理やりステージに戻しても……)
杏
(こはねは、きっと……苦しい想いをするだけ)
杏
(それなら、私は————)
こはね
……ごめんね、杏ちゃん……
こはね
でも、でもね——
こはね
……私、杏ちゃんには、夢を叶えてほしいんだ
こはね
杏ちゃんの歌、すごく好きだから——
こはね
きっと、杏ちゃんだったら……
伝説のイベントを超えられるって思うの
伝説のイベントを超えられるって思うの
杏
こはね……
杏
————うん、任せて
杏
絶対に、叶えてみせるから
杏
(あれから、こはねと会ってない……)
杏
(メッセージを送るのも、もうやめた)
杏
(いつかステージに立てるかも、なんて期待は
……私のわがままだ)
……私のわがままだ)
杏
(巻き込んだのは私で……
私が誘わなければ、こはねが傷つくこともなかった)
私が誘わなければ、こはねが傷つくこともなかった)
杏
(……でも……)
杏
こはねと一緒に歌うの…………楽しかったなあ
杏
……なんて、ダメだよね。
イベントの後なのに、こんな気分になってたら
イベントの後なのに、こんな気分になってたら
杏
ステージの件は、もう済んだことなんだし。
もうこれ以上、なにか変わることなんてない
もうこれ以上、なにか変わることなんてない
杏
私はこはねと約束したんだから。
夢を叶えるって
夢を叶えるって
杏
……前に進まなきゃ
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