WEEKEND GARAGE
杏
ただいまー
謙
おう、お帰り。
今日のイベントはどうだったんだ?
今日のイベントはどうだったんだ?
杏
んー……盛り上がったけど……いまいち、かな
謙
そうか……
謙
苦戦しているようだな
杏
…………
杏
何回歌ってみても、ダメなんだ
杏
なんか、乗れないっていうか……
うまく歌えてる気がしなくて
うまく歌えてる気がしなくて
謙
……嬢ちゃんのことか?
謙
どうしても考えちまうのは仕方ない
謙
……嬢ちゃんは、お前にとって
やっと見つけた相棒だったしな
やっと見つけた相棒だったしな
杏
…………
杏
……前に進まなきゃっていうのはわかってる
杏
こはねのことは、吹っ切らなきゃってことも
杏
でも……
杏
きっと、もう……こはね以上の相棒は
見つからないだろうなって思って
見つからないだろうなって思って
謙
…………
杏
だから、私は……ひとりで歌ってくしかない
杏
ひとりで——RAD WEEKENDを超えるしか……
謙
杏……
謙
……お前には、まだまだ未来がある。
今から諦めることはないんじゃないか
今から諦めることはないんじゃないか
杏
…………そうだよね
杏
私も、そう思いたいけど——
???
『————……える?』
杏
……父さん。今、誰かの声がしなかった?
謙
……? いや、何も聞こえなかったな
杏
そっか……
杏
(……なんだろ。胸がざわざわする)
杏
(すごく大事なことを忘れてるみたいな……)
謙
——さっきの話の続きだがな
謙
諦める必要はないってのは、
新しい相棒が見つかるかもってだけじゃない
新しい相棒が見つかるかもってだけじゃない
杏
えっ?
謙
……嬢ちゃんの気持ちは、嬢ちゃんだけのもんだ
謙
だから、嬢ちゃんがもうステージに立ちたくないって言うなら
それを無理強いはできない。していいことでもない
それを無理強いはできない。していいことでもない
杏
………………
謙
ただ……
謙
嬢ちゃんが、歌を嫌いになったわけじゃないなら——
いつかまた戻ってくる可能性もある
いつかまた戻ってくる可能性もある
杏
…………!
謙
未来があるっていうのは、そういうことだ
謙
とはいえ……信じて待ったところで、
実際どうなるかはわからない
実際どうなるかはわからない
謙
ある意味、諦めるよりつらい選択かもしれないがな
杏
…………ううん
杏
……ずっと思ってたんだ。
私が、自分の夢にこはねを巻き込んだんだって
私が、自分の夢にこはねを巻き込んだんだって
杏
でも、あの日……ここでこはねの歌を聴いて——
杏
こはねにとっても——
歌は特別なものになるんじゃないかって思ったんだ
歌は特別なものになるんじゃないかって思ったんだ
杏
だから今も、嫌いにはなってないんじゃないかなって……
杏
——そう思ったら、ちょっと可能性ありだよね?
謙
ノーコメントだ。
“相棒”のことは、お前が一番よくわかってるだろうからな
“相棒”のことは、お前が一番よくわかってるだろうからな
杏
——ありがと、父さん
杏
私……やらなきゃいけないこと、わかった気がする
翌日
杏
父さーん、私そろそろ出るからねー!
謙
おう。気をつけていけよ
杏
だーいじょうぶだって! いつもの場所だし!
謙
……まだ立ち直ったとは言えねえが、
覚悟は決まったって顔だな
覚悟は決まったって顔だな
杏
(————わかってる)
杏
(未来を信じても、がっかりするだけかもしれない)
杏
(どんなに待っても……ダメかもしれないって)
杏
(それでも…………)
杏
(それでも、私はここで、歌い続けるんだ)
杏
(いつか私の歌で、もう一度——こはねを振り向かせる!)
杏
♪——————!!
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