WEEKEND GARAGE
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ただいまー
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おう、お帰り。
今日のイベントはどうだったんだ?
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んー……盛り上がったけど……いまいち、かな
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そうか……
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苦戦しているようだな
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…………
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何回歌ってみても、ダメなんだ
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なんか、乗れないっていうか……
うまく歌えてる気がしなくて
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……嬢ちゃんのことか?
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どうしても考えちまうのは仕方ない
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……嬢ちゃんは、お前にとって
やっと見つけた相棒だったしな
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…………
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……前に進まなきゃっていうのはわかってる
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こはねのことは、吹っ切らなきゃってことも
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でも……
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きっと、もう……こはね以上の相棒は
見つからないだろうなって思って
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…………
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だから、私は……ひとりで歌ってくしかない
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ひとりで——RAD WEEKENDを超えるしか……
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杏……
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……お前には、まだまだ未来がある。
今から諦めることはないんじゃないか
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…………そうだよね
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私も、そう思いたいけど——
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???
『————……える?』
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……父さん。今、誰かの声がしなかった?
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……? いや、何も聞こえなかったな
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そっか……
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(……なんだろ。胸がざわざわする)
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(すごく大事なことを忘れてるみたいな……)
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——さっきの話の続きだがな
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諦める必要はないってのは、
新しい相棒が見つかるかもってだけじゃない
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えっ?
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……嬢ちゃんの気持ちは、嬢ちゃんだけのもんだ
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だから、嬢ちゃんがもうステージに立ちたくないって言うなら
それを無理強いはできない。していいことでもない
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………………
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ただ……
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嬢ちゃんが、歌を嫌いになったわけじゃないなら——
いつかまた戻ってくる可能性もある
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…………!
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未来があるっていうのは、そういうことだ
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とはいえ……信じて待ったところで、
実際どうなるかはわからない
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ある意味、諦めるよりつらい選択かもしれないがな
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…………ううん
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……ずっと思ってたんだ。
私が、自分の夢にこはねを巻き込んだんだって
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でも、あの日……ここでこはねの歌を聴いて——
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こはねにとっても——
歌は特別なものになるんじゃないかって思ったんだ
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だから今も、嫌いにはなってないんじゃないかなって……
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——そう思ったら、ちょっと可能性ありだよね?
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ノーコメントだ。
“相棒”のことは、お前が一番よくわかってるだろうからな
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——ありがと、父さん
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私……やらなきゃいけないこと、わかった気がする
翌日
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父さーん、私そろそろ出るからねー!
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おう。気をつけていけよ
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だーいじょうぶだって! いつもの場所だし!
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……まだ立ち直ったとは言えねえが、
覚悟は決まったって顔だな
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(————わかってる)
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(未来を信じても、がっかりするだけかもしれない)
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(どんなに待っても……ダメかもしれないって)
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(それでも…………)
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(それでも、私はここで、歌い続けるんだ)
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(いつか私の歌で、もう一度——こはねを振り向かせる!)
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♪——————!!