神山通り
1
彰人
——で? 話ってなんだよ
2
冬弥
…………
3
冬弥
————すまなかった
4
冬弥
……彰人の夢を、否定してしまって
5
彰人
…………!
6
彰人
……なん、だよ。急に……
7
冬弥
今さら何を、と思うだろう
8
冬弥
謝って許されることではないのも、わかっている
9
冬弥
それでも……
10
冬弥
……ただ、ずっと謝りたかった
11
彰人
謝りたかった、って……
12
彰人
それなら、なんであの時——!
13
彰人
別に……いい
14
冬弥
彰人……
15
彰人
お前を許したわけじゃねえよ
16
彰人
けど……
17
彰人
……なんか、わけがあったのはわかる
18
彰人
だから、もういい
19
冬弥
…………そうか
20
彰人
ああ
21
彰人
……話はそれだけか?
なら、オレはもう——
22
???
『——……て!』
23
???
『……——な……!』
24
彰人・冬弥
『…………っ!?』
25
彰人
今の声……
26
冬弥
彰人にも聞こえたのか?
27
彰人
ああ。何を言ってんのかまでは聞き取れなかったが——
28
冬弥
…………
29
冬弥
——ビビッドストリートが近いな
30
冬弥
誰かが、歌っている声が届いたのか……?
31
彰人
…………
32
彰人
(…………それだけじゃねえ)
33
彰人
(わかんねえ、けど——)
34
彰人
…………
35
冬弥
彰人? どこへ——
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彰人
ビビッドストリートだ
37
彰人
お前は好きにしろ
38
冬弥
俺は…………
ビビッドストリート
39
彰人
(……さっきからずっと、歌が聴こえる)
40
彰人
こっちのほうからだと思ったが——
41
♪——————!!
42
♪——~~~~!
43
彰人
(こいつ……)
44
♪——————! ——————!
45
彰人
(なんだ? この歌い方……)
46
彰人
(すげえ苦しそうで……)
47
彰人
(届かねえもんに向かって、必死で叫んでるみたいな——)
48
♪————! ♪————!
49
♪——————、……あれ?
50
彰人? なんで……
51
彰人
…………よう
52
うわ、びっくりした! すっごい久しぶりじゃない?
53
アメリカに行ったって聞いてたけど、戻ってきたんだ?
54
彰人
まあ、用があってな
55
彰人
……つうかお前、まだ歌ってたのか
56
はあ? 当然でしょ
57
私は——RAD WEEKENDを超えるんだから
58
彰人
へぇ……
59
彰人
相変わらず、たいした自信だな
60
彰人
……だが、それは叶わねえぞ
61
どういう意味?
62
彰人
あの夜を超えるのは、オレだからな
63
——何それ
64
なら、今ここで勝負してみる?
それが一番わかりやすいでしょ
65
彰人
…………
66
彰人
ああ、乗った
67
杏・彰人
『♪——! ♪——————~~~~!!』
68
こはね
はぁ……はぁ……
69
こはね
たしか、こっちのほうから——
70
こはね
杏ちゃんと……東雲くん?
71
こはね
(どうしてふたりが一緒に……?)
72
こはね
(それに……)
73
こはね
(……何が起きてるんだろう)
74
こはね
(わからないけど、でも……)
75
彰人
♪————————!!
76
(……へぇ、やるじゃん)
77
(修行の成果ってやつ? けど——)
78
♪——————! ♪——————!!
79
彰人
(……さっきまでと、全然違うじゃねえか)
80
彰人
(——上等だ!)
81
杏・彰人
『♪————————!!』
82
冬弥
………………
83
冬弥
(……ふたりが、本気でぶつかり合っているのがわかる)
84
冬弥
(聴いているだけで、全身の熱が上がっていくようで——)
85
こはね
(…………ドキドキする)
86
こはね
(私も、今すぐ一緒に歌いたい)
87
こはね
(けど…………)
88
???
こはねは、自分の“本当の想い”ってなんだと思う?
89
こはね
(……今の、なんだろう?)
90
こはね
(わからないけど……
ずっとずっと前、誰かに励ましてもらった気がする……)
91
こはね
(私の“本当の想い”は——)
92
こはね
(もっと、勇気を出したい)
93
こはね
(誰よりも強くなって……)
94
こはね
(——杏ちゃんの隣で、歌い続けたい!)
95
こはね
♪————————————!!
96
こはね……!?
97
こはね
♪————! ♪————!
98
冬弥
小豆沢……
99
冬弥
(…………俺も)
100
冬弥
(俺も、歌いたい。彰人と一緒に)
101
冬弥
(中途半端な気持ちのまま傍にはいられない)
102
冬弥
(だからもう二度と、音楽はやらないと決めた)
103
冬弥
(……それなのに……)
104
冬弥
♪——————…………
105
冬弥
(……不思議だ)
106
冬弥
(どうして今まで——歌わずにいられたんだ?)
107
冬弥
♪————! ♪——————!!
108
彰人
冬弥、なんで……
109
冬弥
♪————! ♪————……
110
彰人
(……乗ってこい、ってことか?)
111
彰人
♪————! ♪——————!
112
冬弥
♪——————!
113
彰人・冬弥
『♪——————————!』
114
彰人
(……馬鹿だな、お前)
115
彰人
(やっぱ……音楽、死ぬほど好きなんじゃねえか)
116
こはね
♪————~~~
117
♪————! ♪————!
118
(…………やっぱりすごいなあ、こはねは)
119
(一緒に歌ってると、どんどん気持ちがあがって……)
120
(きっと、このまま——)
121
(どこまでだって行ける!)
122
こはね・杏
『♪————————!』
123
彰人・冬弥
『♪————! ♪————!』
124
彰人
(……なんだ? この熱さ)
125
冬弥
(彰人とふたりで歌っていた頃と同じ——
いや、それ以上だ)
126
(すごく楽しい……!)
127
こはね
(不思議……)
128
こはね
(4人で歌うのは初めてなのに、
どうして、こんなに——)
129
冬弥
(……そうだ、俺達は……)
130
彰人
(ああ、そういうことか——
けど今は、どうだっていい)
131
(もっとこの4人で——)
132
こはね
(——ただ、歌いたい!!)
133
あー、楽しかった!
134
……で、どういうことなんだろ? これ
135
彰人
さあな
136
冬弥
セカイが見せた光景なのか、
それとも、ただ俺が見ている夢なのか……
137
こはね
夢……。
もしかして、みんなで一緒の夢を見てるのかな?
138
よくわかんないけど、変な夢だよね
139
あんなにいろいろあったのに、
なんでキレイさっぱり忘れてられたんだろ
140
こはね
うん……。
でも、思い出せてよかったな
141
こはね
この世界が、現実じゃなかったとしても——
142
こはね
このまま杏ちゃんと歌えないなんて、
本当に、本当に……嫌だから
143
こはね……
144
も~! そんなの私もだよ!
145
こはね
わっ……! あ、杏ちゃん……!?
146
彰人
……ま、たしかにひとりでRAD WEEKENDを
超えるなんてできるわけねえよな
147
彰人
つーかお前も、またいなくなるんじゃねえよ
148
冬弥
……すまない。
だが俺も、思い出せてよかった
149
冬弥
彰人と……そしてVivid BAD SQUADで
音楽をしている時間が、こんなにも大事だと気づかされたからな
150
彰人
——で。これ、どうやったら戻れるんだ?
151
こはね
うーん……
152
冬弥
スマホに『Untitled』は——入っていないな。
ミク達に連絡できればと思ったが……
153
こはね
あ、私のスマホも……
154
分かんないことだらけだけど……
とりあえず、うちに来る? ゆっくり考えようよ
155
冬弥
……そうだな。謙さんのコーヒーも、久しぶりだ
156
彰人
夢でも、同じ味なのかは謎だけどな
157
こはね
(こうやって……)
158
こはね
(また4人で集まれて、本当によかった)
159
こはね
(私にとって歌は——本当に大切なものだから)
160
こはね
(杏ちゃんがくれた——
みんなが大きくしてくれた、私の夢)
161
こはね
(……もう、忘れないようにしよう)
162
こはね
(これから先も……)
163
こはね
(みんなと一緒に、夢を追いかけていきたいから)
164
——よし、じゃあ決まり!
165
こはね、行こ!
166
こはね
——うん!