神山通り
彰人
——で? 話ってなんだよ
冬弥
…………
冬弥
————すまなかった
冬弥
……彰人の夢を、否定してしまって
彰人
…………!
彰人
……なん、だよ。急に……
冬弥
今さら何を、と思うだろう
冬弥
謝って許されることではないのも、わかっている
冬弥
それでも……
冬弥
……ただ、ずっと謝りたかった
彰人
謝りたかった、って……
彰人
それなら、なんであの時——!
彰人
別に……いい
冬弥
彰人……
彰人
お前を許したわけじゃねえよ
彰人
けど……
彰人
……なんか、わけがあったのはわかる
彰人
だから、もういい
冬弥
…………そうか
彰人
ああ
彰人
……話はそれだけか?
なら、オレはもう——
なら、オレはもう——
???
『——……て!』
???
『……——な……!』
彰人・冬弥
『…………っ!?』
彰人
今の声……
冬弥
彰人にも聞こえたのか?
彰人
ああ。何を言ってんのかまでは聞き取れなかったが——
冬弥
…………
冬弥
——ビビッドストリートが近いな
冬弥
誰かが、歌っている声が届いたのか……?
彰人
…………
彰人
(…………それだけじゃねえ)
彰人
(わかんねえ、けど——)
彰人
…………
冬弥
彰人? どこへ——
彰人
ビビッドストリートだ
彰人
お前は好きにしろ
冬弥
俺は…………
ビビッドストリート
彰人
(……さっきからずっと、歌が聴こえる)
彰人
こっちのほうからだと思ったが——
杏
♪——————!!
杏
♪——~~~~!
彰人
(こいつ……)
杏
♪——————! ——————!
彰人
(なんだ? この歌い方……)
彰人
(すげえ苦しそうで……)
彰人
(届かねえもんに向かって、必死で叫んでるみたいな——)
杏
♪————! ♪————!
杏
♪——————、……あれ?
杏
彰人? なんで……
彰人
…………よう
杏
うわ、びっくりした! すっごい久しぶりじゃない?
杏
アメリカに行ったって聞いてたけど、戻ってきたんだ?
彰人
まあ、用があってな
彰人
……つうかお前、まだ歌ってたのか
杏
はあ? 当然でしょ
杏
私は——RAD WEEKENDを超えるんだから
彰人
へぇ……
彰人
相変わらず、たいした自信だな
彰人
……だが、それは叶わねえぞ
杏
どういう意味?
彰人
あの夜を超えるのは、オレだからな
杏
——何それ
杏
なら、今ここで勝負してみる?
それが一番わかりやすいでしょ
それが一番わかりやすいでしょ
彰人
…………
彰人
ああ、乗った
杏・彰人
『♪——! ♪——————~~~~!!』
こはね
はぁ……はぁ……
こはね
たしか、こっちのほうから——
こはね
杏ちゃんと……東雲くん?
こはね
(どうしてふたりが一緒に……?)
こはね
(それに……)
こはね
(……何が起きてるんだろう)
こはね
(わからないけど、でも……)
彰人
♪————————!!
杏
(……へぇ、やるじゃん)
杏
(修行の成果ってやつ? けど——)
杏
♪——————! ♪——————!!
彰人
(……さっきまでと、全然違うじゃねえか)
彰人
(——上等だ!)
杏・彰人
『♪————————!!』
冬弥
………………
冬弥
(……ふたりが、本気でぶつかり合っているのがわかる)
冬弥
(聴いているだけで、全身の熱が上がっていくようで——)
こはね
(…………ドキドキする)
こはね
(私も、今すぐ一緒に歌いたい)
こはね
(けど…………)
???
こはねは、自分の“本当の想い”ってなんだと思う?
こはね
(……今の、なんだろう?)
こはね
(わからないけど……
ずっとずっと前、誰かに励ましてもらった気がする……)
ずっとずっと前、誰かに励ましてもらった気がする……)
こはね
(私の“本当の想い”は——)
こはね
(もっと、勇気を出したい)
こはね
(誰よりも強くなって……)
こはね
(——杏ちゃんの隣で、歌い続けたい!)
こはね
♪————————————!!
杏
こはね……!?
こはね
♪————! ♪————!
冬弥
小豆沢……
冬弥
(…………俺も)
冬弥
(俺も、歌いたい。彰人と一緒に)
冬弥
(中途半端な気持ちのまま傍にはいられない)
冬弥
(だからもう二度と、音楽はやらないと決めた)
冬弥
(……それなのに……)
冬弥
♪——————…………
冬弥
(……不思議だ)
冬弥
(どうして今まで——歌わずにいられたんだ?)
冬弥
♪————! ♪——————!!
彰人
冬弥、なんで……
冬弥
♪————! ♪————……
彰人
(……乗ってこい、ってことか?)
彰人
♪————! ♪——————!
冬弥
♪——————!
彰人・冬弥
『♪——————————!』
彰人
(……馬鹿だな、お前)
彰人
(やっぱ……音楽、死ぬほど好きなんじゃねえか)
こはね
♪————~~~
杏
♪————! ♪————!
杏
(…………やっぱりすごいなあ、こはねは)
杏
(一緒に歌ってると、どんどん気持ちがあがって……)
杏
(きっと、このまま——)
杏
(どこまでだって行ける!)
こはね・杏
『♪————————!』
彰人・冬弥
『♪————! ♪————!』
彰人
(……なんだ? この熱さ)
冬弥
(彰人とふたりで歌っていた頃と同じ——
いや、それ以上だ)
いや、それ以上だ)
杏
(すごく楽しい……!)
こはね
(不思議……)
こはね
(4人で歌うのは初めてなのに、
どうして、こんなに——)
どうして、こんなに——)
冬弥
(……そうだ、俺達は……)
彰人
(ああ、そういうことか——
けど今は、どうだっていい)
けど今は、どうだっていい)
杏
(もっとこの4人で——)
こはね
(——ただ、歌いたい!!)
杏
あー、楽しかった!
杏
……で、どういうことなんだろ? これ
彰人
さあな
冬弥
セカイが見せた光景なのか、
それとも、ただ俺が見ている夢なのか……
それとも、ただ俺が見ている夢なのか……
こはね
夢……。
もしかして、みんなで一緒の夢を見てるのかな?
もしかして、みんなで一緒の夢を見てるのかな?
杏
よくわかんないけど、変な夢だよね
杏
あんなにいろいろあったのに、
なんでキレイさっぱり忘れてられたんだろ
なんでキレイさっぱり忘れてられたんだろ
こはね
うん……。
でも、思い出せてよかったな
でも、思い出せてよかったな
こはね
この世界が、現実じゃなかったとしても——
こはね
このまま杏ちゃんと歌えないなんて、
本当に、本当に……嫌だから
本当に、本当に……嫌だから
杏
こはね……
杏
も~! そんなの私もだよ!
こはね
わっ……! あ、杏ちゃん……!?
彰人
……ま、たしかにひとりでRAD WEEKENDを
超えるなんてできるわけねえよな
超えるなんてできるわけねえよな
彰人
つーかお前も、またいなくなるんじゃねえよ
冬弥
……すまない。
だが俺も、思い出せてよかった
だが俺も、思い出せてよかった
冬弥
彰人と……そしてVivid BAD SQUADで
音楽をしている時間が、こんなにも大事だと気づかされたからな
音楽をしている時間が、こんなにも大事だと気づかされたからな
彰人
——で。これ、どうやったら戻れるんだ?
こはね
うーん……
冬弥
スマホに『Untitled』は——入っていないな。
ミク達に連絡できればと思ったが……
ミク達に連絡できればと思ったが……
こはね
あ、私のスマホも……
杏
分かんないことだらけだけど……
とりあえず、うちに来る? ゆっくり考えようよ
とりあえず、うちに来る? ゆっくり考えようよ
冬弥
……そうだな。謙さんのコーヒーも、久しぶりだ
彰人
夢でも、同じ味なのかは謎だけどな
こはね
(こうやって……)
こはね
(また4人で集まれて、本当によかった)
こはね
(私にとって歌は——本当に大切なものだから)
こはね
(杏ちゃんがくれた——
みんなが大きくしてくれた、私の夢)
みんなが大きくしてくれた、私の夢)
こはね
(……もう、忘れないようにしよう)
こはね
(これから先も……)
こはね
(みんなと一緒に、夢を追いかけていきたいから)
杏
——よし、じゃあ決まり!
杏
こはね、行こ!
こはね
——うん!
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