ニューヨーク州 路地
1
こはね・ミク
『————♪ ————♪』
2
杏・彰人・冬弥
『——————……♪』
3
こはね
(……うん。声がよく通る)
4
こはね
(ホテルの近くで歌えそうな場所、
大河さん達に教えてもらっておいてよかった)
5
こはね
(……いつもと違う環境だと、新鮮な気持ちで歌えるし)
6
こはね
(でも——)
7
こはね
(……まだ、足りない)
8
こはね
(もっと私達の歌を……響かせられるように——!)
9
こはね
♪——————————〜〜〜!!
10
彰人
じゃ、飲み物買いに行ってくる
11
冬弥達の分も買ってくるから、ちょっと待っててね!
12
冬弥
ああ。ありがとう、ふたりとも
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こはね
……ミクちゃん、練習に付きあってくれてありがとう
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ミク
『全然。みんなと一緒に歌えて、楽しかったしね。
でも——』
15
ミク
『こはね、なんだか今日
すごく気合いが入ってたね』
16
こはね
え?
17
冬弥
俺も感じた。小豆沢の歌が力強いのはいつもだが……
今日は、より一層気持ちがこもっていたな
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こはね
気持ち……
19
こはね
……そうだね。
もっと頑張らなくちゃとは思ってるかも
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こはね
この前の——セカイでのことがあってからは、特に
21
冬弥
……それは、あの黒い欠片が見せた夢のことか?
22
こはね
うん。4人がバラバラになっちゃったあの夢を見て、
改めて思ったんだ
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こはね
みんなと歌える時間を、もっと大事にしたい。
この4人で世界を獲りたい、って
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ミク
『……そっか。やっぱりあの欠片は、
みんなの糧になってるみたいだね』
25
こはね
うん!
26
こはね
でも……『世界を獲る』ってどういうことか、
まだ掴めてはないんだけどね
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冬弥
とても大きな目標だからな。
明確にイメージするのは難しい
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ミク
『そうだね。
でも、そう焦る必要もないんじゃない?』
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こはね
え?
30
ミク
『みんなはまだ、新しい夢を抱き始めたばっかりでしょ?』
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ミク
『きっとこれから、いろんな場所でいろんな経験を積むだろうし。
その中で掴んでいけばいいんじゃないかな』
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ミク
『自分達にとって、
“世界を獲る”っていうのがどういうことか』
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冬弥
……そうだな。まずはひとつずつ、
今の俺達にできることをやっていこう
34
こはね
……うん。
今日は大河さん達のイベントもあるし
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こはね
もしかしたら、何か掴めるかもしれないよね!
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冬弥
大河さん、か……
37
ミク
『冬弥、どうかした?』
38
冬弥
いや……謙さんには
修行で歌をみてもらうことはあったが——
39
冬弥
大河さんの歌を聴くのは、
あの時以来なんだなと思ってな
40
こはね
あ……
41
大河
♪————————————!!
42
こはね
…………そうだね
43
こはね
(あの時は、大河さんがすごく大きな壁に見えた)
44
こはね
(本当にこの先に行けるのか、
超えられるのかって、怖くなって。でも……)
45
こはね
…………なんだか、不思議だな
46
ミク
『え?』
47
こはね
あの時はこんな未来、想像してなかったから
48
こはね
大河さんの歌を聴いて、
本当にRAD WEEKENDを超えられるのか、不安になって
49
こはね
でも、必死で修行して、
すごく大きな壁をみんなで超えられた。それで——
50
こはね
私達は今、ここにいるんだよね
51
冬弥
……たしかに、振り返ってみると
とても目まぐるしい、濃密な日々だったな
52
ミク
『……本当に、いろんなことがあったよね』
53
こはね
うん。……でも、あれから
新しい景色にたくさん出会えて、成長できたって思うんだ
54
こはね
だから——
55
こはね
今日のイベントでも、どんな景色が見られるのか
すごく楽しみだな……!
56
冬弥
ああ。
存分に楽しもう。世界のステージを
57
ミク
『……そういえば、今日見るイベントってどんな感じなの?
すごく大きいって聞いたけど』
58
冬弥
『SONIC NOTES』というイベントだな。
まだ歴史が浅いようで、俺達もあまり詳しくは知らないんだ
59
冬弥
だが、昨年から世界的なレーベルが
運営に加わったこともあって、
出演者の数や知名度は、相当なものになっているみたいだな
60
こはね
世界中から、いろんなアーティストが集まるんだよね。
どんなイベントになるんだろう……!
61
——お待たせ〜! 水、買ってきたよ
62
こはね
あ、ふたりともおかえり!
63
彰人
悪い、待たせたな。
……ほら、お前らの分
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冬弥
ありがとう。
ふたりが休憩したら、練習を再開しよう
65
こはね
あ……それなら、
ちょっとだけ歌ってもいいかな?
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こはね
さっき練習したところで、
試したいアレンジがあるんだ
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彰人
おう。
んじゃ、オレ達は聴いてるか
68
こはね
うん! じゃあいくね——
69
こはね
♪————————
70
???
『は〜。アイス、買えてよかった〜♪』
71
???
『もう、こんな朝から冷たいもの食べて……。
あとから寒い〜!ってなっても知らないよ?』
72
???
『大丈夫、大丈夫!
早く帰って食べよ——』
73
こはねの声
♪……——————
74
???
『あれ……あそこで誰か歌ってる』
75
???
『本当だ。こんな時間に珍しいね』
76
こはね
♪——————〜〜……
77
???
『ねえねえ! あの子の歌、すっごくよくない?
ちょっと話しかけてみたいな〜!』
78
???
『たしかに、声の伸びも気持ちいいし、
レベルも高いな……』
79
???
『ん〜、でも話しかけるのはダメ』
80
???
『お姉ちゃん、絶対一緒に歌おうとか言い出すでしょ。
そしたらアイス溶けちゃうじゃん』
81
???
『ええ!?
そんなこと……は、あるかも……』
82
???
『でも、もう歌う気分になっちゃったよ〜!
アタシ達も、あとでちょっと歌わない?』
83
???
『うーん……。じゃあ、帰ってアイス食べたら
久しぶりにあの場所でやろっか』
84
???
『やった〜! 急いで食べよーっと♪』
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