誰もいないセカイ
湖
ミク
アイドルのわたしは、このセカイに着いてるみたいだけど……
ミク
本当に、ここにいるのかな……?
ミク
うーん……
ミク
えっ? ここって……
ミク
ど、どこ……!?
ミク
あ……! 目を覚ましたみたい
ミク
大丈夫かな……
ミク
えっと、わたし……たしか木に水をあげてて……
それでどうなっちゃったんだっけ
それでどうなっちゃったんだっけ
ミク
……それにしても、全然知らない場所だな。
ステージも、花畑もない……いつものセカイじゃないような——
ステージも、花畑もない……いつものセカイじゃないような——
ミク
も、もしかして、違うセカイに来ちゃったとか……!?
ミク
どうしよう。今日はやることがいっぱいあるのに……!
ミク
リンちゃんと次のライブの振付を考えたり
カイトくんにセトリの相談をしたり
カイトくんにセトリの相談をしたり
ミク
めーちゃんとのトレーニングメニュー作りも——
ミク
ううん、不安になっててもしょうがないよね。
まずはここがどんなセカイなのか、調べなきゃ!
まずはここがどんなセカイなのか、調べなきゃ!
ミク
えっと……
ミク
あそこにあるのは、湖……?
ミク
他はずっと灰色で……なんだか、ちょっと寂しいな
ミク
——あ、あれって……
ミク
木だ……!
ミク
(わたし達のセカイにある木とは、
なんだかちょっと違うけど……)
なんだかちょっと違うけど……)
???
——レン、水やり、終わった?
ミク
え?
ミク
え……
ミク
わ、わたし……!?
ミク
あ……も、もしかして、
このセカイの……わたし……?
このセカイの……わたし……?
ミク
……うん
ミク
あなたは?
ミク
えっと、わたしは違うセカイにいたんだけど
木のお世話をしてたら、いつの間にかここにいて……
木のお世話をしてたら、いつの間にかここにいて……
ミク
そうなんだ……
ミク
う、うん……!
ミク
そうだ、もとのセカイに帰りたいんだけど……
どうすればいいのか知らない?
どうすればいいのか知らない?
ミク
……わからない
ミク
そ、そうだよね……。
困ったなあ。ライブの準備をしなきゃいけないのに
困ったなあ。ライブの準備をしなきゃいけないのに
ミク
ライブ?
ミク
うん。わたしはアイドルをしてて、
歌ったり踊ったりして、みんなに希望を届けてるんだ
歌ったり踊ったりして、みんなに希望を届けてるんだ
ミク
希望を……
ミク
すごいね
ミク
えへへ。ありがとう
ミク
そうだ。あなたは、このセカイで何をしてるの?
ミク
わたしは……待ってる
ミク
えっ?
ミク
みんな、悩んでる時とか、何か話したい時にここに来るから
ミク
このセカイで、みんなを待ってるの
ミク
待ってる……
ミク
(それは、わたしも一緒だけど……)
ミク
じゃあ、待ってる間は何をしてるの?
ミク
……あやとりしたり、絵本を読んだりしてる
ミク
最近は、お絵描きをしたり、パズルをしたりもしたよ
ミク
そうなんだ……
ミク
(本当に、それだけなのかな?
ちょっと不思議だけど……)
ちょっと不思議だけど……)
ミク
(でも——それが、ここの想いの持ち主達にとって
必要なことなのかもしれないよね)
必要なことなのかもしれないよね)
ミク
(わたしがみんなと一緒に、ライブをするみたいに)
ミク
ふふ。あなたみたいな
わたしもいるって知れて、嬉しいな!
わたしもいるって知れて、嬉しいな!
ミク
よろしくね、わたし♪
ミク
……うん、よろしく
ミク
(ふたりとも、全然違うけど……
どっちのわたしも、すっごくかわいいな)
どっちのわたしも、すっごくかわいいな)
リン
……ミク、レンは?
ミク
あ……
リン
え……
リン
ミクが、ふたり……?
MEIKO
……それじゃあ、話をまとめると。
水やりをしていたレンがいなくなって、
代わりにこのミクがいた、というわけね
水やりをしていたレンがいなくなって、
代わりにこのミクがいた、というわけね
ミク
うん……
ミク
整理してくれてありがとう、めーちゃん!
MEIKO
めーちゃん……
ルカ
とても助かったわ、めーちゃん
MEIKO
やめてちょうだい
リン
じゃあ、レンはどこに行ったの?
MEIKO
はっきりとはわからないけれど——
このミクみたいに、別のセカイへ行った可能性が高いわね
このミクみたいに、別のセカイへ行った可能性が高いわね
ミク
うん……
ルカ
ああ、羨ましいわ。
私も他のセカイへ行ってみたかったのに
私も他のセカイへ行ってみたかったのに
ルカ
このミクを見る限り、こことは全く違うセカイでしょうから
とっても面白い経験ができたはずよ
とっても面白い経験ができたはずよ
リン
わたしも、ルカが行ってほしかった
MEIKO
奇遇ね。私も同意よ
ルカ
あら、珍しく意見が一致したわね。
嬉しいわ♪
嬉しいわ♪
MEIKO
そう。私は別に嬉しくはないわ
ミク
あ、あはは……
ミク
(なんだか……空気がピリピリしてるような……?)
ミク
(こんな時、カイトくんだったら
雰囲気を和ませてくれるんだけど……)
雰囲気を和ませてくれるんだけど……)
KAITO
……なんだ?
ミク
えっ?
KAITO
今、何か言いたそうに俺を見ていただろ
ミク
え、えっと……。
なんだか、ちょっとピリピリしてるかもって……
なんだか、ちょっとピリピリしてるかもって……
KAITO
放っておけ
ミク
え? で、でも……
KAITO
こいつらにとっては日常茶飯事だ。
いちいち気にするな
いちいち気にするな
ミク
そうなの……?
リン
うん。いつもこうだから
ミク
そう、なんだ……
ミク
(わたしのセカイのみんなと全然違うけど……
こういうセカイもあるんだなあ……)
こういうセカイもあるんだなあ……)
ミク
ええと……あ、そうだ!
このセカイの想いの持ち主のこと、教えてもらってもいい?
このセカイの想いの持ち主のこと、教えてもらってもいい?
リン
え……どうして?
ミク
だって、せっかく違うセカイに来たんだもん!
どんな想いからセカイが生まれたのか、知りたいなって
どんな想いからセカイが生まれたのか、知りたいなって
ミク
わたしがいるセカイの想いの持ち主の子達は、
みんなアイドルなんだけど……
みんなアイドルなんだけど……
ミク
みんなに希望をあげられるようなアイドルになりたいって
想いで、セカイが生まれたんだ!
想いで、セカイが生まれたんだ!
リン
アイドル……
リン
だから、ミクもアイドルなんだ
ミク
うんっ♪
わたし以外の子も、みーんなアイドルだよ!
わたし以外の子も、みーんなアイドルだよ!
ミク
わたし達も、想いの持ち主の子達も……
みんな、明日をがんばる希望を届けるために
ステージに立ってるんだ!
みんな、明日をがんばる希望を届けるために
ステージに立ってるんだ!
ルカ
ふふ、とっても楽しそうね
ミク
えへへ♪ いつかみんなにも見てほしいな!
ミク
それで、みんなのセカイの子達は?
ミク
……このセカイの想いの持ち主は、
本当の自分を見つけたい、と思ってるの
本当の自分を見つけたい、と思ってるの
ミク
本当の、自分?
ミク
うん。今も、本当の自分を探して、頑張ってる
ミク
他にも……その想いをわかってくれる子達がいるの
ミク
みんな、いろいろ悩みがあって、
なかなか解決できない時もあるんだけど——
なかなか解決できない時もあるんだけど——
ミク
曲を作ったり、絵を描いたり、動画を作ったり……
みんなで支え合ってる
みんなで支え合ってる
ミク
そうなんだ……
ミク
(みのりちゃん達も、悩みながら、
頑張って前に進んでるけど——)
頑張って前に進んでるけど——)
ミク
(……ここのわたし達を見てると、
わたしが思ってるよりも、もっと複雑な悩みを持ってるのかも)
わたしが思ってるよりも、もっと複雑な悩みを持ってるのかも)
ミク
(もし、このセカイの想いの持ち主の子が、
たくさん、たくさん悩んでるのなら——)
たくさん、たくさん悩んでるのなら——)
ミク
(わたしも……わたしにできることを、何かしたいな)
ミク
——ねえ、みんな!
ちょっとだけ協力してもらってもいいかな?
ちょっとだけ協力してもらってもいいかな?
数十分後
瑞希
ミク、来たよ~!
なになに、ライブをやるって聞いたけどホント?
なになに、ライブをやるって聞いたけどホント?
絵名
ていうか、急にどうしたの?
私達のためにライブなんて——
私達のためにライブなんて——
奏
この音楽……
ミク
みんな、こんにちはっ!
初音ミクだよ♪
初音ミクだよ♪
絵名・瑞希
『えっ!?』
まふゆ
ミク……だけど、ミクじゃない……
ミク
今日はみんなのために、ミニライブをするよ!
思いっきり楽しんでいってね♪
思いっきり楽しんでいってね♪
絵名
いや、どういうこと……!?
瑞希
アイドルのサプライズライブじゃん!
いえーーーい♪
いえーーーい♪
絵名
受け入れるの早すぎない!?
ミク
それじゃあ改めて、いっくよ~!!
ミク
——♪ ——♪
瑞希
わ! 正統派アイドルソングって感じ!
絵名
なんかよくわかんないけど……たしかに、いい歌かもね
ミク
(……うん!
こっちのみんなは楽しんでくれてるみたい!)
こっちのみんなは楽しんでくれてるみたい!)
ミク
(向こうの子は……)
ミク
(あ……)
ミク
(あの子、まだ楽しくなれてないみたい)
ミク
(じゃあ最後は、たくさん笑顔になれるように——!)
ミク
————♪ ————♪
ミク
————~~~♪
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