ワンダーランドのセカイ
港
KAITO
ええと……バンドをしている僕が来たのは、
こっちのほうだと思うけど……
こっちのほうだと思うけど……
???
う……
KAITO
……さっきの、なんだったんだろ……?
KAITO
何か、光ったような気がしたけど……
KAITO
……あれ……
KAITO
……え……
KAITO
ここ……って……
KAITO
…………どこ……
KAITO
……あ、俺のギター……
KAITO
そうだ、俺……。駅で演奏してて……
KAITO
リンと——そうだ、リンは?
???
すー……すー……
KAITO
リン……!
リン
すぴー……むにゃむにゃ……
KAITO
ね、寝てる……
KAITO
でもよかった……。
俺だけが変な場所に来てるわけじゃないんだ
俺だけが変な場所に来てるわけじゃないんだ
KAITO
……リン、起きて。
こんなところで寝てたら——
こんなところで寝てたら——
???
——誰ダ、オ前ハ!?
KAITO
えっ?
岡っ引きのぬいぐるみ
ナンダア? 見タ事アルヨウナ無イヨウナ……怪シイ奴メ!
KAITO
あ、怪しくないよ。俺は——
岡っ引きのぬいぐるみ
エエイ! 大人シクオ縄にツケ~!
KAITO
えっ、そんな……!
KAITO
どうしよう、リン……
KAITO
お、起きない……。
この状況で寝られるの、逆にすごいよ……
この状況で寝られるの、逆にすごいよ……
KAITO
でもこのままじゃ……
KAITO
——逃げよう。
リン、ちょっとごめん
リン、ちょっとごめん
岡っ引きのぬいぐるみ
オイ、待テ~!
KAITO
はあ、はあ……。
ここまで来れば、さすがに……
ここまで来れば、さすがに……
岡っ引きのぬいぐるみ
ドコに行ッタ~~~~!?
KAITO
ま、まだ追ってくる……!
KAITO
どうしよう、どこに逃げれば……
KAITO
(大変な状況になっちゃったな……。
知らないセカイに来たと思ったら、
理由もわからないまま追われて……)
知らないセカイに来たと思ったら、
理由もわからないまま追われて……)
KAITO
(助けてあげたいけど、どうすれば——)
KAITO
あそこにいるのは……
KAITO
——うーん、こっちにもいないなあ
KAITO
港の木に水やりに行くって言ってたけど……
メイコ、どこへ行っちゃったんだろう
メイコ、どこへ行っちゃったんだろう
KAITO
あ、あの……! 助けて——
KAITO
え……?
KAITO・KAITO
『俺……?』
『僕……?』
『僕……?』
KAITO
——うん、もう大丈夫。
あのぬいぐるみくんも、わかってくれたみたいでよかった
あのぬいぐるみくんも、わかってくれたみたいでよかった
KAITO
……ごめん、助かった。
説得してくれてありがとう
説得してくれてありがとう
KAITO
ううん、気にしないで。
それより——
それより——
KAITO
……なんで、俺がここにいるか……だよね
KAITO
でも——ごめん。
俺にも、よくわからないんだ
俺にも、よくわからないんだ
KAITO
気づいたら、リンと一緒にこのセカイに来てて……
KAITO
そうだったんだ……。
ちなみに、リンは——
ちなみに、リンは——
リン
すぴー……
KAITO
……ただ寝てるだけだと思う
KAITO
そ、そうみたいだね。安心したよ
KAITO
だけど……違うセカイの僕と会えるなんて思わなかったな。
なんだか不思議な気分だよ
なんだか不思議な気分だよ
KAITO
……俺も……
KAITO
……知らない場所で、少し心細かったけど
会えたのがこっちの俺で、よかった
会えたのがこっちの俺で、よかった
KAITO
なんだか、すごく頼りになる気がする
KAITO
ふふ、光栄だな
KAITO
(……ふたりとも、さっそく仲良くなれたみたいだ)
KAITO
(バンドをしている僕も、
不安そうな顔じゃなくなったね)
不安そうな顔じゃなくなったね)
KAITO
……よかったな
ミク
カーイート~!
見て見てっ、4回転半ジャンプだよ~♪
見て見てっ、4回転半ジャンプだよ~♪
KAITO
えっ……わっ!?
ミク
大成功~☆
うう、でも目が回っちゃった~……
うう、でも目が回っちゃった~……
ミク
あれれ? カイトがふたりいる~?
いっぱい回っちゃったからかな!?
いっぱい回っちゃったからかな!?
KAITO
ミ……ミク……?
KAITO
ミク、落ち着いて。
違うセカイの僕が遊びに来てくれたみたいなんだ
違うセカイの僕が遊びに来てくれたみたいなんだ
KAITO
メイコは残念ながら、見つかっていないんだけどね
ミク
そうなんだ~。
メイコ、どこにいるのかなあ……
メイコ、どこにいるのかなあ……
ミク
——ねえねえ、カイトはどんなセカイから来たのっ?
KAITO
えっ? あ、えっと、俺は……
ミク
それ、ギターだよねっ! ミク知ってるよ!
司くんがショーの時、ほうきでギューン!てしてたから!
司くんがショーの時、ほうきでギューン!てしてたから!
KAITO
あ、うん。あの……
KAITO
……ミク。ちょっと落ち着いて。
こっちの僕が困ってるよ
こっちの僕が困ってるよ
ミク
えっ、困ってるの? なんでなんで~!?
KAITO
ごめんね。違うセカイから誰かが来るのが珍しくて
はしゃいじゃってるみたいだ
はしゃいじゃってるみたいだ
KAITO
あはは……
KAITO
(俺のセカイのミクとは、全然違うな……)
ミク
ねえねえ、カイトっ!
カイトにこのセカイを案内しようよ!
カイトにこのセカイを案内しようよ!
KAITO
え……
KAITO
そうだね。
たしかに、このセカイがどういう場所か知らないと
不安だと思うし……
たしかに、このセカイがどういう場所か知らないと
不安だと思うし……
KAITO
もしよければ、僕達に案内させてくれないかい?
KAITO
えっと……うん。
迷惑じゃなければ……
迷惑じゃなければ……
KAITO
あ、でも……リンが……
ミク
ほえ? あっ、リンだ!
ずっとお昼寝してるの?
ずっとお昼寝してるの?
KAITO
うん……。
昨日、遅くまで練習してたからかな……
昨日、遅くまで練習してたからかな……
KAITO
それなら、寝かせてあげておいたほうがよさそうだね
KAITO
そう、だね……
KAITO
……じゃあ、やっぱり俺が見てるよ
KAITO
リンに何かあったら、大変だし————
ひよこのぬいぐるみ
ソレナラ大丈夫!
KAITO
えっ……
ひよこのぬいぐるみ
ボク達が、リンチャンを見テルヨ!
くまのぬいぐるみ
目が覚メタラ、ミク達に教エルカラ!
ミク
わあ、ぬいぐるみさんありがと~!
KAITO
みんなが見てくれてれば大丈夫そうだけど……どうしようか?
心配だろうし、好きに決めてもらって構わないよ
心配だろうし、好きに決めてもらって構わないよ
KAITO
う、うん……
KAITO
(ぬいぐるみが喋るのは、やっぱり違和感だけど……)
KAITO
(……このぬいぐるみ達は、悪い感じがしないし
違うセカイにも、少し興味ある)
違うセカイにも、少し興味ある)
KAITO
…………じゃあ、お願い……していい、かな
くまのぬいぐるみ
ウン! 任セテ!
KAITO
ありがとう……
KAITO
よし、じゃあ僕達は——
ミク
カイトをワンダーランドへ連れてっちゃお~!!
ハッピーわんだほーい!
ハッピーわんだほーい!
KAITO
わ、わんだほい……?
KAITO
ふふ、このセカイの想いの持ち主の子達が
よく使っている魔法の言葉なんだ
よく使っている魔法の言葉なんだ
KAITO
さあ、行こう。こっちだよ
KAITO
一時はどうなるかと思ったけど……
なんとか馴染めそう、かな?
なんとか馴染めそう、かな?
ミク
カイト~!
こっちが遊園地だよ♪
こっちが遊園地だよ♪
KAITO
い、いろんなものが浮いてる……
ミク
えっへん☆ すっごいでしょ~!
ミク
こっちこっち!
他にもすごいところいっぱいあるんだ♪
他にもすごいところいっぱいあるんだ♪
KAITO
あ、ちょ、待って……!
歌う花
——♪ ——♪
KAITO
ひっ!?
ミク
なになになになにっ?
カイト、どうしたの?
カイト、どうしたの?
KAITO
い、今……この花が、歌ってて……
ミク
なーんだ!
お花さんだもん、歌うよ☆
お花さんだもん、歌うよ☆
KAITO
えっ? そ、そうなの……?
KAITO
びっくりするかもしれないけど、
僕達のセカイでは、それが当たり前なんだよね
僕達のセカイでは、それが当たり前なんだよね
KAITO
あ、当たり前に……歌うんだ……
ミク
カイト、次はあのお城まで競走だよ~!
KAITO
あはは……。
ミク、本当に楽しそうだな
ミク、本当に楽しそうだな
KAITO
ここのミクは、すごくテンションが高いんだね……
KAITO
そっちのセカイのミクは違うのかい?
KAITO
うん。どっちかというとクールな感じかな……
KAITO
へえ、どんな感じなんだろう。会ってみたいな
ミクの声
おーーーい!
ミクが勝っちゃうよ~?
ミクが勝っちゃうよ~?
KAITO
あ……
KAITO
ふふ、ふたりで追いかけよう
KAITO
……うん
ミク
いえーい! ミクの勝ち~☆
KAITO
す、すごいスピードだった……
KAITO
全然追いつけなかったね。
もう少し、ハンデをくれてもよかったんじゃないかな
もう少し、ハンデをくれてもよかったんじゃないかな
ミク
わかった☆ 次はちょこっとだけ亀さんになるね♪
それじゃあヨ~イ……
それじゃあヨ~イ……
KAITO
え、いや俺はもう——
???
ア! コッチダゾ~!
KAITO
わっ!? な、何……!?
ねこのぬいぐるみ
カイトがモウヒトリイルって聞イタケド、オ前ダナ!?
KAITO
また喋るぬいぐるみ……
ねこのぬいぐるみ
フーン、タシカにカイトとハ違ウが、
コイツもカイトダナ!
遊ンデヤッテモイイゾ!
コイツもカイトダナ!
遊ンデヤッテモイイゾ!
KAITO
え、えっと……
KAITO
(なんだか振り回されてばかりだけど……大丈夫かな?)
KAITO
でも——こういう、普段はしない体験も
貴重かもしれないね
貴重かもしれないね
???
おーい、ミク、カイトー!
KAITO
今の声って……
ミク
司くんの声だ~!
KAITO
僕達のセカイの、想いの持ち主が来てくれたみたいだ。
せっかくだし、挨拶していかないかい?
せっかくだし、挨拶していかないかい?
KAITO
えっ、でも、俺は……
ミク
だいじょーぶだよ!
司くん、と~っても元気で明るくて優しいから☆
司くん、と~っても元気で明るくて優しいから☆
ミク
ミクも、カイトのこと紹介したいし!
ほらほら一緒に行こっ☆
ほらほら一緒に行こっ☆
KAITO
う……
KAITO
(バンドをしている僕はシャイだからな……。
ちょっと心配だけど……)
ちょっと心配だけど……)
KAITO
(……彼にとっても、いい経験になりそうだし
ここは僕も応援しよう)
ここは僕も応援しよう)
KAITO
——頑張れ、僕!
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