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寧々
——ねえ、本当に入っていいの?
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ああ!
スタッフさんに許可をもらえたからな!
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えむ
えへへ、久しぶりだから楽しみだね~!
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それじゃあ、観客になったつもりで堪能しようじゃないか。
せーの——
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寧々
わ……
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……久々の再会だな
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コンテストからしばらく時間があいたしね
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えむ
じゃあ——『今日から本番まで、またよろしくお願いします』
だねっ♪
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ああ!
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しかし、胸が高鳴るな……!
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これほど立派な劇場で、
オレ達、ワンダーランズ×ショウタイムの公演ができるとは!
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寧々
——うん
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寧々
(THE CENTER THEATREの座席数は2000。
……国内最大クラスの劇場なんだよね)
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寧々
(お客さんが入ったら、もっとすごいんだろうな)
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寧々
(……2000人のお客さんが
わたし達のショーを見に来る)
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寧々
(しかもわたしは、その主演で……)
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えむ
……寧々ちゃん、どうしたの?
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寧々
え?
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えむ
今、手がぎゅぎゅ~ってしてるから
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寧々
あ……
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寧々
……ふふ、びっくりした
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えむ
え?
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寧々
わたし——まだこんなに緊張するんだなって思って
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えむ
寧々ちゃん……
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……たしかに、これだけ大きな劇場で
観客を前に公演するのは初めてだしな。
しかし——
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緊張は悪いものじゃないよ、寧々
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寧々
え?
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緊張は、恐怖や不安を感じた時に起こる反応ではあるけれど——
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適度な緊張は、身体能力や集中力を大いに高めてくれるからね
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寧々
……ふふ、そうだね
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寧々
たしかに緊張はしてるけど、
手が冷えたりとか、そういう嫌な感じはしないんだ
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寧々
やるぞ!って気持ちもすごく湧いてて、だから……
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寧々
——この緊張も味方につけてみせるよ
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うむ! その意気だ!
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えむ
みんなでキキキーンって緊張してがんばろ~っ!
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寧々
ふふ、何それ
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さて、それではそろそろ
レッスンルームに移動するか
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寧々
うん!!
アークランド 練習室
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それじゃあ次のシーンに行こうか
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——ブレス王子が呪われていることに気づいたハート姫が、
それを王子に伝えようとするシーンだね
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ここをきっかけに冒険が始まるから、
しっかりメリハリをつけていきたいね。
集中していこう
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えむ
がんばれ~!!
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寧々
『——聞いてブレス』
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寧々
『さっき妖精さんが言ったことは本当。
あなたは……呪われてるの』
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『呪われてる?
ハート、何を言って——』
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寧々
『思い出してブレス!』
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寧々
『前のあなたなら、民のことをどうでもいいなんて……
そんな風には言わなかった!』
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寧々
『……っ』
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寧々
『ブレスが私のことだけ見てくれるのは
すごく嬉しいの。でも……』
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寧々
『今は同じくらい、それが嫌!』
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寧々
『……私のことと同じくらいみんなの幸せを考えてる、
私は、そんなブレスが好きなんだって……わかったから……』
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『……ハート……』
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『…………たしかに、最近は妙な感覚がある』
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寧々
『……!』
55
『いろいろなことが、
急にどうでもよくなっていくんだ』
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『ニドの言うように肩の力が抜けたと思ったんだが、
もしかすると、これが呪いなのか……?』
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寧々
『ブレス……!』
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——うん、いいね
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少し走り気味なところはあるけれど、
むしろ良い気迫になっているよ
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えむ
寧々ちゃん、すっごくかっこよかったよ~!
泣きそうなところ、あたしもぐぎゅーってなっちゃった!
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そうだな。
あそこは今までにない演技というか……
オレもつい引っ張られた
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王子が呪われていることに気づけなかった悔しさや、
今になるまで王子のどこが愛しいのか理解できていなかった
申し訳なさが、表情だけで伝わってきたぞ
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寧々
そっか……よかった
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フフ、いい緊張感で演技が研ぎ澄まされているようだね
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うむ!
オレも負けんように頑張らなくてはな!
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寧々
じゃあどっちがクオリティ上げていけるか、勝負だね
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クオリティを上げるといえば……
本番までアークランドのレッスンルームを
使わせてもらえるのはありがたいね
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いつでも舞台の設備を確認しながら
進めることができるからとても助かるよ
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そうだな! ありがたく使わせてもらって——
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はっ!! そういえば!!
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えむ
わっ!
どうしたの? 司くん
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いやなに、アークランドで練習するということは、
いつでも会いに行けるのだと思ってな
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会いに?
ああ、それはもしかして—— 
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???
——フッフッフ、呼んだかな?
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寧々
え?
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おお! 噂をすれば——
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寧々
旭さん……!
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