奏の部屋
奏
……このフレーズは良さそうだな
奏
(柔らかい空気感が伝わるし、ちゃんと表現できそう)
奏
……でも……
奏
(この前から、ずっと違和感がある)
奏
(……本当に、このままで救えるの?)
奏
(だって、まふゆは——)
???
『——奏』
奏
ルカ、どうしたの?
ルカ
『そろそろ曲が完成するんじゃないかと思って
見に来たのよ』
見に来たのよ』
奏
あ……
奏
……もう少しかかりそう、かな
ルカ
『あら、そうなの?』
奏
……うん
奏
本当にこれで、まふゆを救えるのかわからなくて
ルカ
『どういうこと?』
奏
……今、まふゆが感じた『お母さんのあたたかさ』を
落とし込んだ曲を作ってるでしょ?
落とし込んだ曲を作ってるでしょ?
奏
まふゆが『あたたかい』って言ってくれる曲は、
お母さんの愛情を感じた記憶と似てるからって
お母さんの愛情を感じた記憶と似てるからって
ルカ
『ええ、そうだったわね』
奏
うん、でも——
奏
……まふゆのお母さんと会って、あたたかさを感じたんだ
奏
今でも——まふゆを心から愛してるんだなって
奏
まふゆも、まふゆのお母さんも、
お互いが想い合ってたように、わたしには見えた
お互いが想い合ってたように、わたしには見えた
奏
それなのに……
奏
そんなふたりが一緒に暮らしても、
うまくいかなかったから……
うまくいかなかったから……
奏
この曲を作っても、まふゆを救えないような気がするんだ
ルカ
『そう……』
ルカ
『それであなたは、どうすればまふゆを救えると思っているの?』
奏
…………わからない
奏
どうすれば、救えるんだろう
奏
……それに……
奏
……どうして、ふたりはうまくいかないんだろう
ルカ
『…………』
奏
電話だ、誰かな……
奏
はい、もしもし宵崎です——
奏
あ、おばあちゃん。
どうしたの?
どうしたの?
奏
え? あ……
奏
——うん、……うん
奏
……わかった、じゃあ今週末に
Next Chapter: 蘇る想い