神山高校 空き教室
司
さあさあ!
次は一体何が待ち受けているのだ!? ……ん?
次は一体何が待ち受けているのだ!? ……ん?
瑞希
なんか、さっきのところとあんまり変わんないような……
冬弥
いや、ホワイトボードに描いてある村の絵が少し違うようだ。
さっきの村は素朴な田舎といった風情だったが、
こちらは塔もある洒落た村だな
さっきの村は素朴な田舎といった風情だったが、
こちらは塔もある洒落た村だな
彰人
微妙な変化すぎるだろ
魔物達
フフフ……ハーッハッハッハッハッハッハ!
魔物達
よくぞ、ここまで来た。
しかし……
しかし……
魔物達
貧弱なお前達に、この私が倒せるかな!?
司
魔物か……!
しかも先ほどの魔物より、ダンボールがしっかりしているぞ
しかも先ほどの魔物より、ダンボールがしっかりしているぞ
類
デバイスを見る限り、HPも結構高いねえ。
早く攻撃して倒したほうがよさそうだ
早く攻撃して倒したほうがよさそうだ
彰人
誰が攻撃します?
オレはもうやったんでパスっすよ
オレはもうやったんでパスっすよ
司
ならばここは、オレに任せろっ!
瑞希
お! ついに真打登場だ~!
ひゅーひゅー♪
ひゅーひゅー♪
司
フッフッフ……記念すべき初攻撃だ。
かっこいい技名も、バッチリ考えてあるぞ!
かっこいい技名も、バッチリ考えてあるぞ!
冬弥
さすが司先輩……!
彰人
まあ、一番気合い入れて考えてそうだよな実際
司
では——参る!!
司
——食らえ!!
スーパーペガサスアルティメット——
スーパーペガサスアルティメット——
魔物達
あ、すみません!
あなたの役職、たしか『遊び人』ですよね?
あなたの役職、たしか『遊び人』ですよね?
司
ぬあっ!?
あ、ああ、そうだが……?
あ、ああ、そうだが……?
魔物達
コマンドを確認してもらってもいいですか?
遊び人に『攻撃』のコマンドはないはずなので……
遊び人に『攻撃』のコマンドはないはずなので……
司
何ぃ!? では、一体何を選べるというんだ……!?
司
なっ……『寝る』と『踊る』しかないではないか!!
類
おやおや、とても遊び人らしい選択肢だねえ
瑞希
え!?
じゃあ司先輩、攻撃できないってこと!?
じゃあ司先輩、攻撃できないってこと!?
冬弥
しかし、そうなると、
戦闘中にできることが相当限られてしまうのでは……
戦闘中にできることが相当限られてしまうのでは……
司
(もしや、遊び人は戦えない……?
いや、ならばそもそもコマンドがないはずだ)
いや、ならばそもそもコマンドがないはずだ)
司
(考えろ……!
戦闘中に寝るのは論外だ。
となると使えるのは、『踊る』だが——)
戦闘中に寝るのは論外だ。
となると使えるのは、『踊る』だが——)
司
(踊ったところでダメージを与えられるとは思えない。
ならばどのように……)
ならばどのように……)
司
(……! そうか、この技名と組み合わせれば
あるいは——!)
あるいは——!)
魔物達
遊び人のターン、残り5秒です!
冬弥
司先輩……!
司
——これをくらえ!
司
——闇より深き眠りに誘え!
『スリーピングダンス』!!
『スリーピングダンス』!!
司
スヤスヤ〜スヤスヤ〜♪ スヤスヤスリーピンッ♪
彰人
な……なんだこれ……
冬弥
そうか……!
踊るコマンドを応用して敵を眠らせようと……!
踊るコマンドを応用して敵を眠らせようと……!
魔物達
う、うう~……急に眠気が…………。
このままでは、眠ってしまう〜…………
このままでは、眠ってしまう〜…………
類
フフ。効果はてきめんのようだね
司
よーーし、いいぞ!
そのまま……寝ろーーーーーーー!!!!
そのまま……寝ろーーーーーーー!!!!
魔物達
——はっ!
魔物達
なんて大きな声なんだ!
今の声がなければ、眠ってしまうところだった!
今の声がなければ、眠ってしまうところだった!
司
な、なにぃ!?
魔物達
声が大きすぎて起きてしまったので、
残念ながら、『スリーピングダンス』は無効です。
次の方に交代してください!
残念ながら、『スリーピングダンス』は無効です。
次の方に交代してください!
彰人
そういうのもアリなのかよ……
司
くうう……無念……!
瑞希
それなら、次はボクがいっちゃおうかな〜。
司先輩、仇は取るから安心してねっ♪
司先輩、仇は取るから安心してねっ♪
司
ま、任せた……
瑞希
じゃあ、いっきまーす!
えっと、『攻撃』コマンドを選択して……
えっと、『攻撃』コマンドを選択して……
瑞希
——『二刀流・つばめ返し』!
魔物達
グワーーーーーーーーーーーーー!
瑞希
ふっ、ボクの動きについてこようなんて100年早いよ——
瑞希
なーんちゃって♪
類
さすがの運動神経だね。
アクションのキレもいいし、決めポーズも完璧だ
アクションのキレもいいし、決めポーズも完璧だ
瑞希
えへへ、それほどでも〜
冬弥
動きを見ているだけでも、とても楽しいな
司
(おもしろく……ないぞ……!!)
司
(無論、冒険の中で寝るか踊るかしかできない役職は、
それはそれで美味しい! 美味しい、が……!)
それはそれで美味しい! 美味しい、が……!)
司
(これでは、オレがせっかく考えたカッコイイ技名も動きも
すべて無駄になってしまう!)
すべて無駄になってしまう!)
司
(どうにかして、オレもカッコよく活躍したい……!)
司
(……いや、待て。
オレには『裏切る』という第3の選択肢がある……)
オレには『裏切る』という第3の選択肢がある……)
司
(魔王軍幹部なら、さぞカッコよくてすごい技が
できるはず……)
できるはず……)
司
(……いや。いいや!)
司
(こいつらは、共に旅をする大切な仲間だ。
裏切るわけには——)
裏切るわけには——)
司
(いやだが……。
裏切りが成功すれば、景品のチョコと一緒に、
更にホールケーキがもらえるのだったな)
裏切りが成功すれば、景品のチョコと一緒に、
更にホールケーキがもらえるのだったな)
司
(ならば、それを獲得して全員に分けた方が
よりスターらしいのでは……)
よりスターらしいのでは……)
司
(いやいやだがだが!
『裏切る』という行為がそもそもスターには相応しくない……
だがこれはショーの一幕でもあり……一体どうすれば——)
『裏切る』という行為がそもそもスターには相応しくない……
だがこれはショーの一幕でもあり……一体どうすれば——)
魔物達
グフッ……ゲホッ……
司
ん?
彰人
おい、魔物が立ったぞ
魔物達
グ、グフフ……まさか、この土の四天王チャイロドス様が
やられるとはな……
やられるとはな……
瑞希
あ、四天王だったんだこの人
彰人
出るの早くねえか?
魔物達
だが、お前達の力では他の四天王は倒せまい……
魔物達
…………全員倒すと、
魔王城に行けちゃって困るしな!
魔王城に行けちゃって困るしな!
魔物達
グフフ……せいぜい足掻くといい。
では、さらばだ!
では、さらばだ!
類
……親切な魔物だねえ
司
しかし……四天王か
司
(ならばあと3人、そして魔王を含めると4人
倒す必要があるのだな)
倒す必要があるのだな)
司
(それだけ敵がいるならば、
どこかにオレが活躍できる場面もあるはず……!)
どこかにオレが活躍できる場面もあるはず……!)
司
よし! 皆の者!
はりきって四天王を討伐しようではないか~!!
はりきって四天王を討伐しようではないか~!!
類
フフ、楽しみだねえ
彰人
…………
冬弥
どうした、彰人。顔色が悪いようだが……
彰人
いや……
彰人
四天王がいるってことは、
最低あと3回もあんなダセえことしねえと
なんねえのかと思ってな……
最低あと3回もあんなダセえことしねえと
なんねえのかと思ってな……
瑞希
でも、これで目標がはっきりしたじゃん!
四天王を倒して、魔王のところに行こう〜!
四天王を倒して、魔王のところに行こう〜!
冬弥
そうだな。俺も、早く技を使ってみたい
彰人
お前ら、なんでそんなやる気なんだよ……
瑞希
ねーねー冬弥くん!
次はどんな四天王が出ると思う?
次はどんな四天王が出ると思う?
冬弥
そうだな……先ほどは土の四天王と言っていたからな。
おそらく火の四天王や水の四天王が現れるのではないだろうか
おそらく火の四天王や水の四天王が現れるのではないだろうか
瑞希
やっぱ絶対、属性はあるよね~!
となるとボク達もそういうのに対応した技を
考えた方が良いのかな!? 水の舞斬り!みたいな!
となるとボク達もそういうのに対応した技を
考えた方が良いのかな!? 水の舞斬り!みたいな!
冬弥
たしかにそうだな。
俺も神官として、できることを考えなくては——
俺も神官として、できることを考えなくては——
彰人
はぁ……帰りてえ……
四天王メラメラーマ
俺様は、炎の四天王メラメラーマ!
お前達の魂まで燃やし尽くしてやるぜえ! ヒャッハー!!
お前達の魂まで燃やし尽くしてやるぜえ! ヒャッハー!!
司
ぬぐぐ!
炎を使った全体攻撃がくると厄介だぞ!
炎を使った全体攻撃がくると厄介だぞ!
類
それなら、僕に任せてほしいな
類
——水の精霊よ。今こそ、その力を解き放ちたまえ
類
『水神の波動・ネプチューンスプラッシュ』!!
四天王メラメラーマ
ぐわああああああ!!!
水は、水はやめてくれえ〜〜〜〜〜!
水は、水はやめてくれえ〜〜〜〜〜!
瑞希
おお~! やるじゃん、類!
瑞希
ええ!?
こいつ、物理攻撃も魔法も全然効かないじゃん!
こいつ、物理攻撃も魔法も全然効かないじゃん!
四天王クライネン
ぐへへぇ……闇の四天王クライネンは、全てを飲み込むのさあ……
司
ならばここはオレに任せろ! いくぞ——
司
パワー! チャージ! ダンッシーーーーーーーン!!!
全員のステータスをパワーアップさせる、
『エネルギッシュパワーダンス』だ!
全員のステータスをパワーアップさせる、
『エネルギッシュパワーダンス』だ!
彰人
いや、攻撃が通用しねえのに
パワーアップしてどうすんだ……?
パワーアップしてどうすんだ……?
司
はあっ!?
た、たしかに……
た、たしかに……
冬弥
ですが、おかげでやる気がみなぎってきました
冬弥
……そうか。そういえば俺は神官だから、もしかすると……
冬弥
……全てを清めたまえ! 『浄化の光』!
四天王クライネン
ま、まぶしい……体が溶けるぅぅぅぅ……!
冬弥
やった……! やりました!
類
これで、四天王のうち3体を倒せたね
瑞希
うんうん! 結構順調じゃない?
冬弥
次がいよいよ最後の四天王か……。
どんな魔物が出てくるか、楽しみだ
どんな魔物が出てくるか、楽しみだ
司
はぁぁ……
司
(ここまでほぼ、オレの見せ場はない……)
司
(無論オレも、全く役に立っていないわけではない!
のだが……)
のだが……)
司
(クライネンも、結局倒したのは冬弥であったしな……)
???
『——司く〜ん』
ルカ
『さっきのダンス、とっても素敵だったわ~♪』
司
ルカ……見ていたのか
司
素敵だと言ってくれるのはありがたい。
だが……
だが……
司
オレも……オレももっと活躍したいぞ……!
司
魔王軍幹部だぞ!?
絶対に! とてつもなく! 強いはずではないか!
絶対に! とてつもなく! 強いはずではないか!
司
それなのに、今のオレは踊っているばかり!
踊って寝て踊って寝て、一体何になるというのか!
踊って寝て踊って寝て、一体何になるというのか!
司
やはりこれは、裏切るしかないのか……!?
ルカ
『あらあら~。
ずいぶん悩みが大きくなってるみたいねえ』
ずいぶん悩みが大きくなってるみたいねえ』
ルカ
『それならいっそのこと——あら?』
彰人
っと……次の教室はここだな。
やけに電飾でピカピカしてるが……
やけに電飾でピカピカしてるが……
???
——よく来たな
瑞希
え?
???
貴様らのこと、首を長くして待っていたぞ……勇者一行!
Next Chapter: 最後の四天王