???
……待ちくたびれたぞ。
ここまで来る者は、なかなか居ないからな
ここまで来る者は、なかなか居ないからな
司
(これは——)
司
——もしや貴様!
魔王軍、最後の四天王か!?
魔王軍、最後の四天王か!?
四天王ピカピィラ
その通り! 我が名は光の四天王——ピカピィラ!
四天王ピカピィラ
貴様ら人間が、バレンタインなどというイベントを
生み出してしまったせいで、
魔王様の心は荒れ果ててしまった……
生み出してしまったせいで、
魔王様の心は荒れ果ててしまった……
四天王ピカピィラ
魔王様の手を煩わせるまでもない。
ここで私が、悪辣なる人間どもを根絶やしにしてやる——!
ここで私が、悪辣なる人間どもを根絶やしにしてやる——!
司
類! この四天王——なかなか演技ができる!
類
本当だねえ。
なんとなくそうじゃないかと思っていたけれど、
後半にいくにつれて魔王軍側の演技力も上がっているようだ
なんとなくそうじゃないかと思っていたけれど、
後半にいくにつれて魔王軍側の演技力も上がっているようだ
冬弥
たしかに、魔王に対する忠誠心がひしひしと伝わってきます
瑞希
いい演技されると、なんかこっちもノってきちゃうね~!
彰人
そうか……?
まあ棒よりはいいけどよ
まあ棒よりはいいけどよ
四天王ピカピィラ
ぎゃあぎゃあと喧しいぞ、勇者一行!
我が光のもとに滅びるがいい!
我が光のもとに滅びるがいい!
四天王ピカピィラ
全体攻撃魔法——『シャイニングウェーブ』!!
彰人
うお、眩し……!
類
ベルトにストロボライトを装着しているようだねえ。
手がこんでるな
手がこんでるな
司
その上俊敏でカッコいい動き……!
さてはお前、アクションの心得があるな!?
さてはお前、アクションの心得があるな!?
四天王ピカピィラ
ハッハッハ!
そんな呑気な感想を言っていていいのかな?
そんな呑気な感想を言っていていいのかな?
冬弥
それは、どういう——
瑞希
なになに!? なんか変な音鳴ってるよ!
類
これは……HPが、ものすごい勢いで減ってしまったね
冬弥
なぜ、これほど大量に……
司
なぜ? そんなこともわからんのか?
冬弥
……?
先輩はご存じなんですか?
先輩はご存じなんですか?
司
もちろんだ!
ズバリ理由は——
ズバリ理由は——
司
技名も動きもカッコいいからだ!!
彰人
そのルール、敵側にも適用されんのかよ!
瑞希
っていうか、このままじゃマズイよ〜!
もう1発撃たれたら全滅しちゃうし、早くなんとかしなきゃ!
もう1発撃たれたら全滅しちゃうし、早くなんとかしなきゃ!
四天王ピカピィラ
フフフ……さてどうする? 勇者一行
司
く……!
なんという大ピンチ——
なんという大ピンチ——
司
(パーティー全員の体力が
残り1割を切っているこの状況……)
残り1割を切っているこの状況……)
司
(勇者一行にとっては当然、絶体絶命の大ピンチだ。
だが——)
だが——)
司
(魔王軍幹部としては、
むしろ絶好のチャンスなのではないか!?)
むしろ絶好のチャンスなのではないか!?)
司
(今オレがカッコよく身分を明かし、技を決めれば、
あっさりと勇者一行を全滅させられるし……)
あっさりと勇者一行を全滅させられるし……)
司
(その場でひとり、ゲームをクリアすることもできる。
つまり——)
つまり——)
ルカ
『裏切るかどうかは、流れで決めればいいんじゃないかしら〜♪』
司
(今こそまさに、裏切る時では——!?)
彰人
……あいつ、オレ達4人の攻撃で仕留め切れるHPじゃねえよな
類
そうだねえ……
瑞希
ええ~!
せっかく、みんなと一緒にここまで来たのに〜!
せっかく、みんなと一緒にここまで来たのに〜!
冬弥
このまま、全滅するしかないのか……
冬弥
先輩達と、もっとこのゲームを楽しんでいたかったが……
司
(そうだ……!
オレ達はこのイベントを、この5人で楽しんでいるのだ!)
オレ達はこのイベントを、この5人で楽しんでいるのだ!)
司
(裏切るなど、バカなことを考えるな!!)
司
(それに何より!
弱った勇者一行を倒すのは——カッコ悪い!)
弱った勇者一行を倒すのは——カッコ悪い!)
四天王ピカピィラ
ハッハッハ。
このままでは貴様らの手番が終わってしまうぞ! いいのか?
このままでは貴様らの手番が終わってしまうぞ! いいのか?
冬弥
くっ、せめて——
冬弥
パーティー全体に——治癒魔法『ホーリー・ヒール』!
瑞希
あ……!
冬弥
俺の残りMPを全て使って
皆さんの体力を回復しました
皆さんの体力を回復しました
四天王ピカピィラ
ハハハ! 悪あがきか!
それでももう一度『シャイニングウェーブ』を撃てばいい!
それでももう一度『シャイニングウェーブ』を撃てばいい!
四天王ピカピィラ
とはいえ同じ技ばかりでは芸がないからな……
次のターンは、あがく貴様らの様子を見守ろうではないか
次のターンは、あがく貴様らの様子を見守ろうではないか
冬弥
く……すみません。
時間稼ぎにしかならず……
時間稼ぎにしかならず……
類
——いや、十分だよ
類
東雲くん!
彰人
ん? なんすか?
類
君は勇者だ。であれば……
類
当然、使えるはずだね? 攻撃とは別に——必殺技を
司
何!? 必殺技だと!?
本当にあるのか!?
本当にあるのか!?
彰人
そ、それは……
瑞希
え~ひどいよ弟くん!
そんな大事なこと、なんで教えてくれなかったのさ!
そんな大事なこと、なんで教えてくれなかったのさ!
彰人
……使うなら、技名考えなきゃなんねえだろ……
司
そんなこと言ってる場合か!
オレもフォローをするから、決めるぞ!
オレもフォローをするから、決めるぞ!
司
彰人の必殺技に、オレの『エネルギッシュパワーダンス』で
力を上乗せすれば……!
力を上乗せすれば……!
冬弥
はい。勝てるかもしれません。
光の四天王、ピカピィラに!
光の四天王、ピカピィラに!
彰人
……マジでやんのかよ……
彰人
……わかりましたよ。
やればいいんでしょ、やれば
やればいいんでしょ、やれば
四天王ピカピィラ
……作戦会議は終わったか?
まあ、何をしようと無駄だがな
まあ、何をしようと無駄だがな
司
ええい、うるさいぞピカピィラ!
彰人、準備はいいな? いくぞ——
彰人、準備はいいな? いくぞ——
司
パワー! チャージ! ダンッシーーーーーーン!!!
司
パーティー全員の力よ、ここに集え!
エネルギッシュパワー……ドカモリダンスだ〜〜!!!
エネルギッシュパワー……ドカモリダンスだ〜〜!!!
四天王ピカピィラ
ぬ……!?
なんだこの、満ち溢れるエネルギーは……!
なんだこの、満ち溢れるエネルギーは……!
司
よ~し!
効果は出ているようだ!
効果は出ているようだ!
司
いけ、彰人~~~~!
彰人
ったく、しゃあねえな……!!
彰人
『必殺——』
彰人
『真・龍王烈火斬』!!
瑞希・冬弥
『おお~!!』
『……!!』
『……!!』
四天王ピカピィラ
ぐわああーーーーーー!
なんという炎だ!! 体が、灼き切れる……!
なんという炎だ!! 体が、灼き切れる……!
四天王ピカピィラ
ぐぅ……私の、負け……だ…………
瑞希
やったやった~!
倒せちゃった~!!
倒せちゃった~!!
冬弥
すごいな、一撃で倒してしまった。
さすが彰人だ
さすが彰人だ
類
いい必殺技だったね。
たしか……『真・龍王烈火斬』だったかな?
たしか……『真・龍王烈火斬』だったかな?
瑞希
や~いい名前だよね~!
どんな意味があるんだろうな~♪
どんな意味があるんだろうな~♪
彰人
それ以上イジるなら二度とやらねえからな
瑞希
あはは、ごめんごめーん!
でもこれで、四天王全員撃破ってことだよね!
いやあ、ホント心強い仲間だよ〜
でもこれで、四天王全員撃破ってことだよね!
いやあ、ホント心強い仲間だよ〜
司
(……ふう。なんとか勝てたな)
司
(いろいろな意味で危ない一戦だったが、
どうにか乗り越えることができてよかった)
どうにか乗り越えることができてよかった)
司
(ともあれ、四天王戦はなんとか乗り切ったことだし、
このまま最後の魔王戦も——)
このまま最後の魔王戦も——)
四天王ピカピィラ
……ク、クク……お気楽な連中め……
瑞希
え?
四天王ピカピィラ
心強い仲間……だと?
四天王ピカピィラ
味方に裏切り者がいるとも知らずに、呑気なものだな……
冬弥
……!?
四天王ピカピィラ
背後から刺されぬよう、せいぜい気をつけるといい……。
クックッ……クッ……
クックッ……クッ……
司
(お、おい〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!)
司
(今際の際に、なんてことを言うんだピカピィラ!
これでは——)
これでは——)
冬弥
今の言葉は……
瑞希
どういうこと? 裏切り者って……
司
(ババババババレてしまうではないか~~~~!!)
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