瑞希
背後から刺されぬようにってことは……
瑞希
ボク達の中に、魔王サイドの人間がいるってこと?
彰人
んなことありえんのか?
類
……ありえなくはなさそうだよ。
たしか、最初の説明でも——
たしか、最初の説明でも——
リアルゲーム同好会員達
そして最後に! 割り振られる役職の中には、
少し変わった指示を受けるものもあります
少し変わった指示を受けるものもあります
リアルゲーム同好会員達
そこも含めて、役を演じることを楽しんでください!
類
イレギュラーな指示を受ける役職もある、と言っていたしね
冬弥
たしかに……!
冬弥
ならば、この中に裏切り者がいる可能性は高いですね
司
そ、そうだな……
司
(うーむ……だいぶまずい空気になったな……)
司
(このまま皆で世界平和を目指せると思った矢先に……。
ピカピィラめ、余計なことをしてくれる……!)
ピカピィラめ、余計なことをしてくれる……!)
瑞希
うーん……そう言われるとなんか、
みんな怪しく見えてきたなあ
みんな怪しく見えてきたなあ
瑞希
そうだ! デバイスに出てる役職見せ合わない?
そしたら、一発で裏切り者がわかるし♪
そしたら、一発で裏切り者がわかるし♪
四天王ピカピィラ
あ、待ってください!
司
うおっ!?
冬弥
ピ、ピカピィラさん……?
四天王ピカピィラ
申し訳ないんですが、
役職は自分のもののみ確認できるルールなんです
役職は自分のもののみ確認できるルールなんです
四天王ピカピィラ
ゲームの公平性のためにも、見せ合うのはご遠慮ください
類
……たしかに、互いに確認できてしまうと、
裏切り者はすぐにゲームオーバーになってしまうからね。
当然のルールではあるかな
裏切り者はすぐにゲームオーバーになってしまうからね。
当然のルールではあるかな
瑞希
やっぱそっかあ~。
できたらラッキーって思ったけど、そう簡単にはいかないよね
できたらラッキーって思ったけど、そう簡単にはいかないよね
瑞希
じゃあ……自分達の力で
裏切り者を見つけなきゃいけないってことか
裏切り者を見つけなきゃいけないってことか
彰人
まあ、そうだな……。
魔王戦で後ろから刺されるかもしれねえし
魔王戦で後ろから刺されるかもしれねえし
冬弥
しかし、探すといってもどうすればいいのだろうか。
正直に答えてくれるはずもないだろうし……
正直に答えてくれるはずもないだろうし……
司
ううむ……たしかにそうだな……
瑞希
んー……じゃあ、やっぱりここは
一番怪しい人から疑った方がいいかな?
一番怪しい人から疑った方がいいかな?
司
い、一番怪しい人?
瑞希
そう! たとえば……
瑞希
類とか~?
類
へえ……?
冬弥
神代先輩が裏切り者……なのか?
彰人
まあ、めちゃくちゃあり得そうではあるな
類
心外だなあ。
まあ、たしかに身の潔白を証明する材料はないけれど——
まあ、たしかに身の潔白を証明する材料はないけれど——
類
怪しいのは、僕だけかな?
彰人
どういう意味っすか?
類
考えてもごらんよ。
こういう時、最初に会話の主導権を握ろうとする人間は、
かなり怪しいんじゃないかな
こういう時、最初に会話の主導権を握ろうとする人間は、
かなり怪しいんじゃないかな
類
つまりこの場合は——瑞希だ
瑞希
え〜?
ボクは正真正銘、勇者一行のシーフだよ!
ボクは正真正銘、勇者一行のシーフだよ!
瑞希
むしろ、そういう風に引っ掻き回そうとする方が
怪しいんじゃなーい?
怪しいんじゃなーい?
彰人
どっちも怪しすぎんだろ……。
ふたりとも、勝つためなら平気で嘘つきそうだしな
ふたりとも、勝つためなら平気で嘘つきそうだしな
類
おやおや、勇者様にまで疑われてしまうとは……
瑞希
類はともかく、ボクは違うってわかるでしょ~?
長い付き合いなんだしさ♪
長い付き合いなんだしさ♪
冬弥
……これは難しいな……
冬弥
あ……ちなみに俺は、裏切り者ではないぞ。
信じてもらえるかはわからないが……
信じてもらえるかはわからないが……
彰人
お前はそうだろうな……。
真顔で嘘つけるタイプじゃねえし
真顔で嘘つけるタイプじゃねえし
冬弥
そうか、よかった
冬弥
——司先輩も、そうですよね?
司
ん!? は……
司
(ま、眩しい! 冬弥の曇りなきまなこを、
こんなにも心苦しく思う日が来ようとは……!)
こんなにも心苦しく思う日が来ようとは……!)
司
(すまん冬弥!
裏切り者はオレなのだ……! しかし——)
裏切り者はオレなのだ……! しかし——)
司
(オレは役者だ!
ここでうろたえてボロを出すわけにはいかん!!)
ここでうろたえてボロを出すわけにはいかん!!)
司
——当然だ!
このオレが、裏切り者であるわけがないだろう!
このオレが、裏切り者であるわけがないだろう!
冬弥
やっぱり、そうですよね。
安心しました
安心しました
司
(うおおおおおおお~~~!
すまん、冬弥~~~~~~!)
すまん、冬弥~~~~~~!)
司
(しかしこの話題、オレに不利すぎる!
どうにかして、話を逸らさねば……そうだ!)
どうにかして、話を逸らさねば……そうだ!)
司
——待て、お前達
司
今この状況こそが魔王軍側の狙い、ということはないか?
彰人
どういうことっすか?
司
このゲームにはタイムアップがあるだろう?
司
となると……オレ達が揉めれば揉めるほど
クリアからは遠ざかるはずだ
クリアからは遠ざかるはずだ
瑞希
あ……たしかにそれはそーですね
司
つまり……敵は、オレ達が力を合わせられなくなるように
このような話をしてきたのかもしれんということだ!
このような話をしてきたのかもしれんということだ!
冬弥
なるほど。互いに疑心暗鬼にさせて、
魔王討伐を阻止する……ありそうな話ですね
魔王討伐を阻止する……ありそうな話ですね
彰人
たかがゲームでそこまで心理戦させるもんなのか?
瑞希
ん~、RPGだとあんま聞いたことはないけど……
このゲーム、変なところで力入ってるし、
ちょーっとやりそうな感じもするよね
このゲーム、変なところで力入ってるし、
ちょーっとやりそうな感じもするよね
類
…………
類
——しかし実際、
あまりここで立ち止まっているわけにもいかないね
あまりここで立ち止まっているわけにもいかないね
類
ゲームの時間は、あと15分しかないみたいだし
瑞希
え? あ、ホントだ!
冬弥
あっという間ですね。
夢中になって、時間を忘れていました
夢中になって、時間を忘れていました
彰人
……とりあえず、このまま進むか
彰人
裏切り者は、気にならなくはねえが……。
いるとしてもすぐに見つけられそうにねえし、
司センパイが言ってるとおりブラフの可能性もあるしな
いるとしてもすぐに見つけられそうにねえし、
司センパイが言ってるとおりブラフの可能性もあるしな
瑞希
だね!
一応、お互いに注意して進んでいこっか
一応、お互いに注意して進んでいこっか
司
ああ!
司
(……な、なんとかなったようだな)
司
(まったく……デバイスを見せ合おうと言い出した時は、
本当に肝が冷えたぞ)
本当に肝が冷えたぞ)
司
(しかし……間もなく最終戦か)
司
(果たして、このままバレずに倒せるのだろうか……?)
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