アークランド 駐車場
護衛C
はぁ……。
一体どこに行ってしまわれたのか……
一体どこに行ってしまわれたのか……
護衛C
ん? あ……
護衛C
エル様……!
護衛C
心配しておりました。
もう満足されたのですか?
もう満足されたのですか?
えむ
ええ。見たいものは見ることができました
えむ
……迷惑をかけてしまって、本当にごめんなさい。
どうしてもここを見て回りたくて、
勝手なまねをしてしまいました
どうしてもここを見て回りたくて、
勝手なまねをしてしまいました
えむ
でも、天罰でしょうね。
そのせいで少し体調を崩してしまって……
そのせいで少し体調を崩してしまって……
護衛C
なんと、それは大変です……!
すぐに医師を呼びましょう
すぐに医師を呼びましょう
えむ
いえ、少し疲れただけなので、
このまま休ませてもらえれば大丈夫です
このまま休ませてもらえれば大丈夫です
えむ
私を探しているふたりが戻ってきたら、
みんなで戻りましょう
みんなで戻りましょう
護衛C
はい! ではすぐに呼び戻します
リン
(わ~! えむちゃんすごい!
ほんとにエルちゃんみたい)
ほんとにエルちゃんみたい)
リン
(これなら、夕方まで大丈夫そうだね♪)
リン
『……エルちゃんの泊まってるところ、
もうすぐかな~?』
もうすぐかな~?』
リン
『王女様ってどんなところに泊まってるんだろ~。
……こっそり見ちゃおっと!』
……こっそり見ちゃおっと!』
リン
『わあ! すご~い!
……あ!』
……あ!』
えむ
……あ!
リンちゃん、出てきてたんだね!
リンちゃん、出てきてたんだね!
えむ
この車、お話が運転手さんに聞こえないように
仕切られてるからちょっとなら大丈夫だよ
仕切られてるからちょっとなら大丈夫だよ
リン
『そうだったんだ!
ふう、よかった~!』
ふう、よかった~!』
リン
『ねえねえ、このお屋敷すごいね♪
リン、早く入ってみたいな~!』
リン、早く入ってみたいな~!』
えむ
あそこは、日本に来た王様とか大統領さんとか、
すごい人達が泊まる場所なんだ
すごい人達が泊まる場所なんだ
えむ
中もキラキラーだし
かくれんぼできちゃうくらいおっきなツボとかもあるから
いっぱい楽しめると思うよ!
かくれんぼできちゃうくらいおっきなツボとかもあるから
いっぱい楽しめると思うよ!
リン
『え? えむちゃん、知ってるの?』
えむ
うん! さっき見てて気づいたんだ!
何回かおじいちゃん達と来たことあるなーって
何回かおじいちゃん達と来たことあるなーって
リン
『ええ~!』
リン
『そっか……!
えむちゃんもお嬢様だから、
こういうところに来るのが普通なんだ……!』
えむちゃんもお嬢様だから、
こういうところに来るのが普通なんだ……!』
えむ
あ……! もうすぐ着きそうだから、
リンちゃん、もうちょっとポケットの中にいてくれる?
リンちゃん、もうちょっとポケットの中にいてくれる?
リン
『うん!』
えむ
ありがとうございます
えむ
(——エルちゃんは、
あごを引いて、静かに歩くんだよね)
あごを引いて、静かに歩くんだよね)
えむ
(あ、でもちょっと気分がよくないって言ってあるから、
ちょっとだけ上半身の力を抜いて——)
ちょっとだけ上半身の力を抜いて——)
護衛A
エル様、体調はいかがでしょうか?
えむ
……大丈夫です。
少し優れませんけど……部屋で休めば問題ないと思います
少し優れませんけど……部屋で休めば問題ないと思います
護衛A
かしこまりました。
では給仕にお飲み物の用意をさせましょう
では給仕にお飲み物の用意をさせましょう
護衛A
何かご要望はございますでしょうか?
えむ
え?
リン
(わ……!)
リン
(ど、どうするんだろう~?
普段エルちゃんが飲まないようなのにしたら、
バレちゃうかも……!)
普段エルちゃんが飲まないようなのにしたら、
バレちゃうかも……!)
えむ
……そうですね
えむ
——では、アーロズのダージリンをお願いします
護衛A
かしこまりました
リン
『……あれ?』
客室
えむ
お茶はそちらのテーブルに置いておいてください
給仕
かしこまりました
えむ
ふわ~!
なんとかバレてないみたいでよかったぁ!
なんとかバレてないみたいでよかったぁ!
リン
『えむちゃん、おつかれさま~♪』
えむ
あ、リンちゃん!
えむ
あたしどうだったかな? 変なところなかった?
リン
『うん♪
お茶のこと聞かれた時はドキドキしちゃったけど……』
お茶のこと聞かれた時はドキドキしちゃったけど……』
リン
『エルちゃんに聞いてたの?
どんなお茶が好き~?って』
どんなお茶が好き~?って』
えむ
ううん!
だからあの時はあたしもドキっとしちゃったけど……
だからあの時はあたしもドキっとしちゃったけど……
えむ
アーロズの紅茶は王室御用達で、
たくさんの国で飲まれてるから
大丈夫なんじゃないかなって思ったんだ!
たくさんの国で飲まれてるから
大丈夫なんじゃないかなって思ったんだ!
リン
『へえ……!
えむちゃんそんなことも知ってるんだ!』
えむちゃんそんなことも知ってるんだ!』
えむ
いつもうちのシェフさんがいろいろ教えてくれるからだよ!
今度ありがとーって言おうっと♪
今度ありがとーって言おうっと♪
リン
『……えへへ♪
この役、やっぱりえむちゃんにぴったりだね~』
この役、やっぱりえむちゃんにぴったりだね~』
リン
『みんな、エルちゃんだって思ってくれてるみたいだし
エルちゃんが帰ってくるまでゆっくりできそう!』
エルちゃんが帰ってくるまでゆっくりできそう!』
えむ
うん!
ん~……時間までどうしようかな?
ん~……時間までどうしようかな?
えむ
エルちゃんは、好きに見ていいよって言ってたけど……あれ?
リン
『どうしたの、えむちゃん?』
えむ
……あそこのテーブルに乗ってるのってもしかして……
リン
『わ! いっぱい本とか資料みたいなのがある~!
これ日本語じゃないよね? なんて書いてるんだろ?』
これ日本語じゃないよね? なんて書いてるんだろ?』
えむ
……あ、多分これって——
えむ
そうだ!
えーっと、翻訳アプリで……
えーっと、翻訳アプリで……
えむ
——やっぱり!
リン
『え?』
えむ
こっちの地図は『イルガスの都市計画について』で、
こっちの本は『テーマパーク経営とは』だから……
こっちの本は『テーマパーク経営とは』だから……
えむ
遊園地を作るための本とか資料だよ!
リン
『へえ! そうなんだ!』
リン
『すご~い……!
こんなにいっぱい難しそうな本読んでるんだね!』
こんなにいっぱい難しそうな本読んでるんだね!』
えむ
あ——こっちには遊園地の計画書がある!
リン
『ホントだ!
えむちゃんが森ノ宮でプレゼン?した時のとそっくりだね』
えむちゃんが森ノ宮でプレゼン?した時のとそっくりだね』
えむ
うん! こっちは予算について書かれてて……
運用の計画とかもまとめてるみたい!
運用の計画とかもまとめてるみたい!
えむ
(すごいなあ、エルちゃん。
夢のために、すっごくいろんなこと考えてて)
夢のために、すっごくいろんなこと考えてて)
えむ
(……やっぱりすっごく真剣なんだなあ)
リン
『ねえねえ、こっちはなんて書いてあるの?』
えむ
あ、えっと、
そこは遊園地を建てる場所のことを書いてて——
そこは遊園地を建てる場所のことを書いてて——
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