瑞希
これって……
瑞希
(魔法少女モチーフの服……!)
瑞希
……すごいな
瑞希
(展示スペースにあった服と同じ作者さん……だよね。
さっき見た時も思ったけど……
やっぱり世界観に惹き込まれる感じがする)
さっき見た時も思ったけど……
やっぱり世界観に惹き込まれる感じがする)
瑞希
(モデルさんの傷があるメイクとか、手足に巻かれた包帯とか……
ホントに、戦って傷ついた後みたい)
ホントに、戦って傷ついた後みたい)
観客達
えっ、何あれ?
痛そう~……
痛そう~……
観客達
なんか、ちょっと怖い感じがするよね……
観客達
でも、衣装が破けてる表現とかは可愛いかも。
あのリアルな感じ、どうやって作ってるんだろ?
あのリアルな感じ、どうやって作ってるんだろ?
瑞希
(……どうして、こういう服にしたんだろう)
瑞希
(展示も、ステージでも同じモチーフにしてるってことは……
デザインした人には、きっと
すっごく強いこだわりがあるんだろうな)
デザインした人には、きっと
すっごく強いこだわりがあるんだろうな)
瑞希
(自分が作りたい作品を、こうやって見てもらえたら……)
瑞希
(どんな気持ちに、なるんだろう)
瑞希
は~、すっごく楽しかったー!
ミク
『いろんな服がたくさんあって、面白かった』
瑞希
ね! ボクもすっごく刺激もらえたし
ホント来てよかったよ!
ホント来てよかったよ!
ミク
『みんな、帰ってるみたい。
オープンキャンパス、もう終わりなの?』
オープンキャンパス、もう終わりなの?』
瑞希
あー、メインイベントみたいなのは
終わった感じだね
終わった感じだね
瑞希
でも……
瑞希
ミク、もうちょっとだけ付き合ってよ
ミク
『……うん』
展示スペース
瑞希
えーっと、たしかこのへんに……
瑞希
あ、あった!
瑞希
(魔法少女の服、もう1回見ておきたかったんだよね。
細かいところの作りこみとか——)
細かいところの作りこみとか——)
女性A
——やっぱり、いつ見てもいいよね~!
瑞希
(あれ……ボク以外にも見に来てる人いたんだ。
お客さんかな?)
お客さんかな?)
女性B
ショーも大成功だったよね。
客席のほうも圧倒されてたみたいだし!
客席のほうも圧倒されてたみたいだし!
女性A
わかる! 包帯の汚れ具合とか、巻き方とか
メイクもすっごくこだわってたもんね!
メイクもすっごくこだわってたもんね!
男性A
……うん
瑞希
あ……
瑞希
(もしかして、この人達の中に、
服を作った人がいるのかな……)
服を作った人がいるのかな……)
瑞希
——あ、あの!
女性B
えっ?
瑞希
あ、突然すみません……!
今日、展示もステージも見させてもらって……
この衣装、すっごく良かったなって思いました
今日、展示もステージも見させてもらって……
この衣装、すっごく良かったなって思いました
瑞希
その……心に残ったっていうか、
今日見た服の中で、一番カワイイっていうか……!
今日見た服の中で、一番カワイイっていうか……!
女性B
へえ〜、可愛いか……。
そういう感覚もあるんだ!
そういう感覚もあるんだ!
女性A
でも褒められてるじゃん。
よかったね、吉野!
よかったね、吉野!
吉野
ああ……うん。
ありがとう
ありがとう
瑞希
(この人が作者さんなんだ……!)
瑞希
(でも……どうして、こういう服を作ろうと思ったんだろう)
瑞希
(もちろん、好きだからだとは思うけど……)
瑞希
あ、あの……!
どうして、ああいう服を作ってるんですか?
どうして、ああいう服を作ってるんですか?
吉野
……どうして?
瑞希
えっと……ボク、魔法少女系のアニメ好きなんですけど……
なんで全部、傷ついてる感じなのか気になって!
なんで全部、傷ついてる感じなのか気になって!
吉野
…………
瑞希
(さすがに迷惑だったかな……)
瑞希
あーえっと、ごめんなさい。
もし答えづらかったら——
もし答えづらかったら——
吉野
……俺が、そうだったから……?
瑞希
え? えっと……
女性A
も~、それじゃわかんないじゃん。
もうちょっと話してあげたら?
もうちょっと話してあげたら?
吉野
……でも、見ず知らずのヤツの一人語りとか
聞きたくないでしょ
聞きたくないでしょ
瑞希
あ……もし、話してくれるのなら
ボクは嬉しいです!
ボクは嬉しいです!
瑞希
迷惑じゃなければ、ですけど……
吉野
…………
吉野
……俺、魔法少女って悲しい存在だなって思ってたんだ
吉野
なんか、毎回敵と戦ってるだろ。
それで傷つけられても、戦うのはやめない
それで傷つけられても、戦うのはやめない
吉野
二次元の話だろとは思うけど、
なんでそこまでして戦ってんだって思ってた
なんでそこまでして戦ってんだって思ってた
吉野
けど……
俺も同じだなって感じたんだ
俺も同じだなって感じたんだ
瑞希
え……?
吉野
……昔、妹のために人形の服作ったりしてたんだけど。
それを馬鹿にされたり、いろいろ言われたりして
それを馬鹿にされたり、いろいろ言われたりして
吉野
何も知らないやつらからどう言われても別にいい、
下らないって思ってんのに、いちいちムカついてさ
下らないって思ってんのに、いちいちムカついてさ
瑞希
あ……
吉野
けど、それでも生きてくために、
毎日制服着て、学校に行ってる
毎日制服着て、学校に行ってる
吉野
なんかそれって、俺が思ってた魔法少女と同じだなって
気付いたんだ
気付いたんだ
吉野
傷ついたって、生きてくためには
嫌なやつがいるところに行って戦い続けなきゃならないんだなって
嫌なやつがいるところに行って戦い続けなきゃならないんだなって
吉野
それなら——つけられた傷ごと、服で表現したいと思ったんだ
女性A
それで、ず~っとこういう服ばっかり作ってるんだよ。
最初見た時はびっくりしたな~
最初見た時はびっくりしたな~
瑞希
あ、えっとでも……
女性A
だけど、こいつの服すっごく好きなんだ!
女性A
私はどっちかっていうと、Y2K系が好きだから
そもそもロリータとかは趣味じゃないんだけど……
そもそもロリータとかは趣味じゃないんだけど……
女性A
最初見た時に、圧倒されたんだよね。
傷のひとつひとつに設定があったりして——
こいつにしか作れない世界観があるなってさ
傷のひとつひとつに設定があったりして——
こいつにしか作れない世界観があるなってさ
女性B
ふふっ。どうしてそういう表現したの!?
そこのダメージ加工ってどういうこと!?って
吉野が作品作るたびに聞いてたよね
そこのダメージ加工ってどういうこと!?って
吉野が作品作るたびに聞いてたよね
吉野
あれ、鬱陶しかったな
女性A
ちょっと~!
瑞希
……楽しそうですね
吉野
え、そう見えた?
吉野
……まあ、でもそうかもね
吉野
こいつらは鬱陶しいけど……
俺の服はまっすぐ見てくれてるし
俺の服はまっすぐ見てくれてるし
吉野
それは、楽しいよ
瑞希
…………
女性B
ねえねえ、君もデザイナー目指してるの?
瑞希
あ……はい!
まだ考えてる途中なんですけど……
まだ考えてる途中なんですけど……
女性B
そうなんだ!
もしかしたら後輩になるかもなんだね~
もしかしたら後輩になるかもなんだね~
女性B
じゃあその時は、またいろいろ話そうよ!
君の作品も見たいしね!
君の作品も見たいしね!
瑞希
——はい!
吉野
じゃあ、また
瑞希
…………いいな
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