遥の部屋

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(……今日は、一歌達といろいろ話せて楽しかったな)
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(でも——)
3

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……帰りに会ったあの子、どうしてるかな

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4

一歌

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……あの子が置いていったノート、どうしよう?
もういらないって言ってたけど……

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5

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そうだね……
6

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でも、捨てるかどうか、すごく迷ってた気がする。
本当に、もういらないのかな……
7

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……ちゃんと確認したいけど、
あの子も、いなくなっちゃったし……
8

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……あ、ノートに手がかりとかないかな?
9

一歌

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そうですね。
名前とか書いてあったら……あっ!

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10

えむ

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わわわ! 何か落ちたよ!

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11

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ルーズリーフだ。
ノートに挟んであったんだね……あれ?
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——曲が、書いてある
13

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……もしかしたら、さっきの子の手がかりになるかも。
悪いけど、少し見せてもらおうかな
14

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これ……あの子が作った曲かも
15

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え……?
16

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何度も書き直したあとがあるんだ。
まだ作ってる途中みたいだけど——
17

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いろんなアレンジを試しながら、なんとかして自分の想いを、
表現しようとしてるんだと思う
18

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……元気を出して、っていう励ましかな?
この子の優しさと思いやりがすごく伝わってくるよ
19

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すごいですね。
そこまでわかるなんて……
20

えむ

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奏ちゃん、名探偵さんだねっ☆
21

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わたしがそう感じたっていうだけだから、
合ってるかはわからないけどね
22

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……それで、ノートには名前書いてあった?
23

一歌

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あ、いえ……。
ノートの表紙にも『作曲用』って書いてあるだけです
24

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作曲用……。
そんな大事なノートを、もういらないなんて
25

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……何があったんだろう?
26

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(置いておいたらゴミとして回収されるかもって、
一歌がノートを預かってくれてるけど……)
27

???

♪——…… ♪————……
28

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歌……?
29

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あの子と会う前に聞こえた曲と、似てるような……。
でも、どうして私のスマホから?
30

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それに……今の声ってミクの——
31

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えっ……!

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32

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…………あれ、セカイ?
Untitled、再生してないのに……
33

???

♪——…… ♪————……
34

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あ……
35

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……この歌、木から聞こえてきてる
36

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……なんだろう
37

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なんだか、呼ばれてるような——
38

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木に、触ったらいいのかな……

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39

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…………あっ!
???のセカイ
40

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……やっぱり、このセカイに繋がってた
41

えむ

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あ、遥ちゃんだー!
おーい!
42

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みんなも来てたんだ。
あ……
43

ミク

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——また会えたね、遥ちゃん

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44

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うん。私も、また会えて嬉しいな
45

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そういえば、私達のセカイにある木から
ミクの歌が聞こえてきたんだけど……
46

えむ

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遥ちゃんも、あの歌聞いたんだね!
あたし達もそうなんだっ☆
47

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うん。あれって、今日私達がノートの女の子に
会った時に聴いた曲……だよね?
48

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ルーズリーフに書いてあった曲とも一緒だと思う
49

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やっぱりそうなんですね
50

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でも、どうしてミクがその曲を知ってたの?
51

ミク

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……前に、みんながここに来てくれたことがあったでしょ?
52

ミク

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あの後、わたしはみんなのとは違う——
誰かの想いの欠片を拾ったの
53

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誰かの、想いの欠片……?
54

ミク

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その欠片からは、ときどき歌が聞こえてきていたの。
それが、さっきわたしが歌っていた曲だよ
55

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え?
56

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あの曲はあの子のオリジナルみたいだし、
それが聞こえてきたっていうことは……
57

ミク

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多分、想いの欠片の持ち主は、
遥ちゃん達が会った女の子なんじゃないかな?
58

一歌

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すごいよね。
こんな偶然があるなんて
59

ミク

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……偶然じゃないかもしれない
60

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え?
61

ミク

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このセカイでみんなが出会ったのも、
あの子とみんなが出会ったのも——
62

ミク

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きっと、何かの想いが共鳴してるんだと思う
63

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どういうこと?
64

ミク

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……みんなって、想いの欠片がどういうものかは知っているよね?
65

えむ

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うん。キラキラしてて、触るとその欠片の想いのセカイに
行けたりするんだよね!
66

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たまにセカイで見るけど……
67

一歌

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たしか、セカイを作ってる私達の想いに
引き寄せられるんだったっけ?
68

ミク

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想いは、似ている想いと共鳴するの
69

ミク

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みんなのセカイに誰かの想いの欠片がやってくるのも、
その共鳴が起きているからだよ
70

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じゃあ、ミクが見つけた想いの欠片も……
71

ミク

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うん……。
このセカイを作っている想い——
72

ミク

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特に、今ここにいる遥ちゃん達の想いに
引き寄せられたんだと思う
73

ミク

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それと——
74

ミク

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……みんな、見て。
これがその欠片なんだけど……
75

一歌

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あれ? 光ってない……。
というか、色がくすんでる?

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76

えむ

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わわわわわっ! ここ見て!
おっきなヒビが入っちゃってる!!
77

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本当だ……
78

ミク

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……本当の想いを否定されたり、押し殺したりしすぎると、
こうやって、想いの欠片に影響してしまうの
79

ミク

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わたしが見つけた時は、素敵な歌が聞こえたんだけど……
80

ミク

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急に聞こえなくなったと思ったら、ヒビが入っちゃって

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81

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(あの時、泣いてたのも何か事情があったんだ……)
82

ミク

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……もともと、この想いの欠片は限界が近かったんだと思う
83

ミク

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それで、近しい想いを持つ誰かに、
助けを求めていたんじゃないかな
84

ミク

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だからこのセカイも、欠片の想いに応えて
みんなが想いの欠片の持ち主と出会えるように導いたのかも……
85

一歌

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え……!?
86

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もしそうなら、たしかに
あの出会いは偶然じゃなくなるけど……
87

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でも、待って……
セカイって、そんなにすごいことができるの?
88

ミク

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……ううん。
少なくともわたしは、そんなセカイ見たことないよ
89

ミク

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だけど……
90

ミク

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このセカイは、5つのセカイと繋がっていて
想いの持ち主以外の子達の想いも
ひとつになっているみたいだし
91

ミク

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そうやって、人と人——
想いと想いを繋げることができるセカイなのかも
92

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人と人……
93

一歌

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想いと想い……

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94

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…………なに?

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95

ミク

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……っ! 欠片のヒビが、大きくなっ——
96

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…………! ミク!

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97

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………………っ!
98

一歌

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遥……!!
99

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え……
100

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真っ暗……ここは、どこ……?
みんなは——
101

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…………っ!
102

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(胸の奥が……痛い……苦しい……)
103

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(体も、鉛みたいに重くて……息も……)

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104

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(あ…………)
105

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(……知ってる、かもしれない)
106

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(この痛みと苦しみ……。私も、昔——)

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107

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…………っ!
108

えむ

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遥ちゃん……!
109

ミク

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大丈夫!? ケガしてない?
110

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あ……うん。大丈夫……
111

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ミクは? 思いきり突き飛ばしちゃったけど
112

ミク

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わたしは平気だよ。かばってくれてありがとう
113

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それにしても、今のって……
114

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欠片のヒビから、黒いもやが……!
115

一歌

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これ……
116

ミク

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……もう限界なんだと思う

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117

ミク

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このまま放っておいたら、砕けてしまうかも……
118

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そんな……
119

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(……黒いもやに触れた時の感じ)
120

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(アイドルを辞める前の……)
121

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(ステージに立ちたいのにどうしてもできなくて——
もがいてた頃の感覚と、なんだか似てた気がする……)
122

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……ミク
123

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想いの欠片が傷つくのって、誰かに想いを否定されたり
押し殺したりしてる影響って言ってたよね
124

ミク

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うん
125

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……だったら
126

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欠片の想いをしっかり受け止めることで、
これ以上、傷つくのを防げたりしないかな
127

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あの黒いもやに包まれた時、
あの子の想いに触れられた気がするの
128

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真っ暗で、何かに押しつぶされそうな苦しさと
悲しさの中でもがいてるような感じだった……
129

一歌

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苦しさと、悲しさ……
130

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それを少しでも吐き出せたら、
気持ちが楽になるんじゃないかって
131

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……ミク、やらせてもらえないかな?
132

ミク

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……たしかに、誰かに想いを受け止めてもらえたら
欠片が割れるのを防げると思う
133

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じゃあ……
134

ミク

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だけど——
135

ミク

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……ここまで欠片が傷つくなんて、
きっと大変なことがあったんだと思う
136

ミク

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それを、遥ちゃんが無理に背負う必要はないんだよ?
137

Listen

……心配してくれてありがとう、ミク
138

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でも——
139

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今、あの子の想いの欠片を守れるのは、
ここにいる私達しかいない
140

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私は——

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141

少女

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……っ、ごめんなさい……!
142

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私は、あの子にも想いの欠片にも、
これ以上傷ついてほしくない

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143

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どれだけ苦しい想いをしていても、
希望を届けたいんだ
144

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だから——
145

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そのためなら、どんな想いだって受け止めてみせる
146

ミク

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遥ちゃん……
147

一歌

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——やろう、遥
148

えむ

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あたしも、あの子に笑顔になってもらいたいな!
149

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このまま、見て見ぬ振りなんてできないしね
150

ミク

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みんな……
151

ミク

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……ありがとう
152

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——それじゃあ、もう一度想いの欠片に触ってみるね
153

ミク

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うん……!
154

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……………………
155

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……お願い
156

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あなたの想いを、私達に教えて

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157

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…………っ!
158

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(さっきと同じ……はじき飛ばされそう……)
159

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(でも——)
160

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(……ありがとう、支えてくれて)
161

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…………っ、お願い……
162

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ひとりで泣かないで……
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どうして、そんなに悲しんでるのか、
どうして、そんなに苦しそうなのか——

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ほんの少しでもいい、私達に教えて……
165

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あなたの想いを——
あなたが抱えている気持ちを

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166

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————っ!
167

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……嫌だよね。苦しいよね……
168

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でも、このままじゃきっと
もっと苦しくなっちゃう
169

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だから、少しだけ勇気を出してほしいの
170

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あなたが手を伸ばしてくれれば——
171

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私は、あなたがどんな暗い場所にいても、
どんなに苦しい想いを抱えていても、その手をつかむよ
172

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あなたに希望を、届けるために

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ミク

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あっ! 想いの欠片が……!
174

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ここって……
175

幼い少女の声

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『——ばあば、今日もお歌作って!』
176

少女のおばあちゃんの声

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『あらあら。
ミミちゃんは本当に、ばあばが作るお歌が好きねえ』
177

ミク

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声が……
178

少女の声

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『……おばあちゃん、体だけじゃなくて指もすごく痩せてた』
179

少女の声

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『ピアノももう全然弾けないって……。
……あんな、悲しそうに……』
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少女の声

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『……どうしたら、昔みたいに笑ってくれるかな。
歌だって、また一緒に……』
181

少女の声

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『あ、そうだ…………!』
182

一歌

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この声って……
183

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わたし達が会った子だ……

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184

少女

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『………………………………』
185

少女

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『……おばあちゃん。
曲の作り方、たくさん教えてくれてありがとう……』
186

少女

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『………………っ。おやすみ、なさい……』
187

えむ

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あ……
188

ミク

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……みんな、大丈夫?
189

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ミク……
190

えむ

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……あたしは大丈夫!
奏ちゃんは?
191

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……うん、わたしも
192

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……想いの欠片は?
193

一歌

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ここにあるよ。見て?
194

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……黒いもやが、おさまってる
195

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ミク、これって……
196

ミク

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ひとまず、今すぐ割れちゃう心配はなくなったと思う
197

ミク

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遥ちゃんが——みんなが、想いを受け止めてくれたおかげだね
198

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よかった……
199

一歌

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あとは、このヒビがなんとかなれば——
200

ミク

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あ、これ……!
201

えむ

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戻っちゃうピカピカだ!!
202

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待って! まだみんなと話したいことが——

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