翌日

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寧々

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必要なこと以外、話しかけるなって……
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えむ

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ど、どうして……!?
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それが、役を完成させるために必要なことだと思ったんだ
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家族を殺そうと思うほど恐怖するならば
それだけ強く執着を——『自分にはこの人しかいない』と
思わなければいけない
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大切な人達を手放して——
孤立する苦しみを感じなければ
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だから……頼む
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寧々

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……本当に、そこまでしなきゃいけないの?
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寧々

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役作りのためにやらなきゃっていうのはわかるけど……
でも、芝居はやっぱり、みんなで作るものでしょ
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えむ

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そうだよ!
あたし達、邪魔になるようなことはしないし——
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……お前達と話していると、
オレはどうしても、安心してしまうんだ
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……心配をかけてしまってすまないが……頼む
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寧々

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あ……
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……わかった。そういうことなら、協力するよ
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ただ——自分を追い詰めすぎないように
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……ああ。
そこは気を付けて挑む
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えむ

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…………うん
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(……これで、舞台は整った)
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(仕上げ切るためにも……
ここから更に、あの時心に浮かんだ想いと
向き合っていかなければ——!)

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——ふざけるな……!!
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オレを——オレを、忘れるな……!!
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——お、いいじゃん。
ちょっと掴みかけてるよ
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はい
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ただ、もうちょいやれそうだな。
感情を頭で整理しちゃうと上滑りするから、
体に染みつくまで何回も繰り返しやってみて
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……はい
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『忘れるな』……いや違う。
愛情が一気に反転するように……
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(オレは……家族だけが心の支えだ……)
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(そんな心の支えが、自分を忘れる——)

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咲希

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えっと……
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咲希

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どなたですか?
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……っ
31

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(————嫌だ……!)
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(忘れられたくない……!)
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(……まさか、こんな切実に感じてしまうなんて……)
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(いや、しかし……少しずつウィリアムの感じ方に近づいている。
今は、これでいいんだ……)
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(――もっと思い出せ、あの感情を)
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(怖がらずに、進むんだ……!)
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えむ

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……司くん、大丈夫?
顔色、悪いみたいだけど……
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寧々

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うん……。
時間がないから、焦るのはわかるけど——
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——悪いが話しかけないでくれ
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寧々

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あ……
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えむ

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司くん……
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……榊さん。
このままだと司くんのメンタルに影響が出ます。
これ以上はもう――
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ん? ん~……
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でもまぁ、面白くしたいなら、これぐらいはやれないとじゃない?
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せっかくいいとこまで来てるんだし、
今は見守ってたほうがいいと思うけど?
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………………

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47

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……………………
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何故だ?
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オレはこんなに、愛しているのに——
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何故、忘れるんだ
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………………ああ。そうか
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石のようなものなのだろうな、オレは
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取るに足らない、見る価値もない、そんな——

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54

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——天馬くん
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……忘れるな……
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オレがここにいることを——
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おーい、天馬くん
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……!
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榊さん……!
お疲れ様です……

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60

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はは、お疲れ様。
みんなは?
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あ……ひとりで練習をしたかったので、
先に帰ってもらったんです。
それでオレも、さっき出てきて
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……なるほどね
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上手くいってるみたいだし——そろそろいいかな
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え?
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いや、こっちの話。
順調に仕上げてるなと思ってさ
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え……本当ですか!?
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うん。芯から、愛情と憎しみを同時に持ってるって感じる
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この調子なら、あと少しだ
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……!
ありがとうございます!
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どういたしまして。ただ——
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残念なことに、これ以降俺は指導できないんだよねえ
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え……!?
それは、一体どうして——
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急な仕事が来ちゃってさ。
神代くんにもさっき連絡したんだけど、
協力できるのは今日までになっちゃったんだ
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そんな……。
あと少しまできたのに……
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まあまあ、そんなに気を落とさないで。
大丈夫だって
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——あとは、君の頑張りにかかってる
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あ……
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これは心をすり減らす、苦しい稽古だと思う
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でも、世界的な役者達は
こういった稽古を乗り越えて素晴らしい演技を見せている
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……俺は、君に期待してるんだ
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え?
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君はきっと、努力を積み重ねていけば、
いつか誰にも忘れられない——そんな役者になれる。そう思う
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誰にも、忘れられない……
84

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(……そうか。
この演技を極められればオレは——)

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翌日
85

アメリア

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『……どうして?』
86

アメリア

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『どうしてここに——
私が、お父さんを殺した場所に連れてきたの?』
87

アメリア

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『やっぱりお父さんは、私を恨んで……!』
88

ウィリアム

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『違う! そうじゃない……!』
89

ウィリアム

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『オレはお前が、何より大事だ!
今でもずっと……!』
90

ウィリアム

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『だから……だから見守りたい。
お前を天国から見守っていたい』
91

ウィリアム

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『だが……いずれお前は地獄の牢獄に囚われて、
オレのことも全て忘れる』
92

ウィリアム

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『オレはそんなことに、耐えられない……!!』
93

アメリア

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『……っ』
94

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これは…………
95

???

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『……おーい。
おーい、司くーん』

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96

レン

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『……もしかして、もう寝ちゃったかな?』
97

レン

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『もうすぐ最終日だから、
がんばれーって言いたかったけど——』
98

レン

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『……あれ?』
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レン

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『あ……! 司くん、起きてたんだね!
よかった——』
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オレは、間違っている
101

レン

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『え?』
102

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オレは間違えた。
お前の幸せを願い、祈りながらオレは——
103

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オレは、お前を——
104

レン

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『ねえ、司くん……!
これって、演技の練習……だよね?』
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大丈夫だ。せめて、オレの手で——
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レン

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『——司くん!!!!』
107

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……その方がいいんだ……そうだ……。
さぁ、来い……こっちに……
ワンダーランドのセカイ
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寧々

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えむ! こっち!
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えむ

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寧々ちゃん!
あ……
110

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……話は、さっき電話でした通りだよ

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111

レン

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司くんがいて、話しかけたんだけど——
112

レン

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……呼びかけても聞こえてないみたいで……
ずっと怖い顔で、忘れるな、忘れるなってつぶやいてて……
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えむ

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あ…………
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——僕達は、状況を甘く見過ぎていたのかもしれない
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寧々

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……うん
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寧々

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役作りするなら司の言う通り、
距離を置いた方がいいのかなって思ってた。
だけど——
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寧々

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あの司は、絶対に変
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レン

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そうだよ!
別の人が乗り移っちゃったみたいで……目も、違ってて……!!
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えむ

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——あした、みんなで話そう!
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えむ

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このまま見守るだけじゃ、
きっと司くん、大変なことになっちゃう……!
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